2023年の夏も異常な暑さです。少しでも外に出ると、あっという間に日焼けしてしまいますよね。自宅内であっても扇風機では耐えられないので、筆者宅はエアコンがフル稼働。電気料金も高いため、早く涼しい時期になってくれないかと切に願うばかりです。
ちなみ東京都における8月の最高気温は
※気象庁データをもとに弊社作成(1876年~2022年)
このような状況となっています。夏になると毎年各地の気温が報道されますが、2004年にも最高39.5度を付ける日があったようです。ただ、毎年暑さが増しているようにも思える感覚は間違いではありません。気温が35度を超える猛暑日は増えており、23年は7月として過去最多となりました。
どんどん暑くなっていく原因は、ご存じのとおり温室効果ガスの排出によるものとされています。地球は太陽からの日射量によって寒冷期と温暖期の繰り返しているため、そのうち寒冷期が始まるのでは?という意見もあるようですが、20世紀後半からの温暖化は日射量のみでは説明できないそうです。
となると、温暖化を抑えるには必然的に温室効果ガスの排出を減らす必要がありますよね。盛んに言われている再生可能エネルギーの利用も、いわゆる脱炭素化に向けた取り組みの一つです。
そういえば太陽光って今どうなの?
国内においても、再生可能エネルギーを活用しようという動きが進んでいます。特に太陽光発電の話題が多く、東京都が2025年から新築住宅に太陽光パネルの設置を義務付けるといったニュースもありましたよね。
一方で、太陽光発電による投資をうたった詐欺、用地開発に伴う土砂災害リスクなど、良くない話もあります。今後、太陽光発電の活用はどのように展開されていくのでしょうか。
自家消費の利用が拡大傾向
このごろは、太陽光で発電した電力を売るよりも、自分で使う(自家消費)動きが強まっています。例えば、企業が保有する敷地や建物の屋上などに太陽光パネルを設置し、オフィスや工場の電力として使用することなどが挙げられます。
つまり、太陽光投資で利益を上げるというよりも、電気代の削減、万が一の非常用電源などとして活用しようという企業が増えているということです。一般家庭においても太陽光パネルと蓄電池を設置することで電気の自給自足ができそうですよね。もちろん、日差しが弱いと十分に発電できないなどのデメリットはあります。
企業の取り組み
上場企業においても自家消費による脱炭素化の取り組みを進めている事例がたくさんあります。いくつか取り上げてみると
コニカミノルタ(4902)
マレーシアの複合機生産拠点を100%再エネ化
太陽光20%と、再エネ電力証書付きの電力80%
リコーリース<(8566)
自社太陽光発電所由来の再生可能エネルギーを自社オフィスに活用
協和キリン(4151)
山口県の宇部工場へ大規模太陽光発電設備を導入
はごろもフーズ(2831)
静岡県の新清水プラントに太陽光発電システム設置
消費電力の約15%を太陽光に
オリックス(8591)
オリックス不動産が100%再エネ由来の電力で賄う物流施設を開発
屋上には太陽光発電設備を設置、発電量が不足するときはオリックスが非化石証書付き電力を供給
このように、オフィスや工場などで太陽光を活用しています。太陽光を含めて再エネを導入したからと言って業績に直接寄与するわけではありませんが、脱炭素に取り組んでいる姿勢をアピールする機会になります。
次世代太陽光パネルの開発が進む
基本的に太陽光発電は真っ平なパネルですが、日本において曲げられる太陽光パネル「ペロブスカイト太陽電池」の開発が進められています。
もし、太陽光パネルが曲げられるようになれば、取り付けられる場所が増えそうですよね。例えば球面の建造物や、円柱、車のボディなど、考えればたくさん出てきます。まだ実用化には至っていませんが、もし普及すれば太陽光の自家消費に一層拍車がかかるでしょう。
話は変わりますが、照明などで日常的に使われているLED(発光ダイオード)のうち、青色LEDを発明したのは日本人です。これによって光の三原色である「赤・黄・青」がそろったため、あらゆる色を再現できるようになりました。照明が白いのも青色LEDが発明されたおかげなので、世紀の大発明ですよね。ペロブスカイト太陽電池が実用化されれば、日本初の太陽光革命が起きるかもしれません。