7月の日銀金融政策決定会合において、政策金利が0.25%に引き上げられました。なんやかんやあってその後の相場は大荒れ、世間の注目を大きく集めています。株式市場が今後どうなるか?といった議論が過熱していますが、一方で日常生活で大きく不安視されているのが住宅ローンです。
今回は日銀の利上げを踏まえた銀行の対応についてまとめてみました。
利上げ後の対応について
今回、政策金利が引き上げられることとなったので、影響するのは変動金利型の住宅ローンとなります。銀行によって金利の決め方が違うので、全銀行が一律に金利を引き上げるわけではないです。
ただ、「短期プライムレート(優良企業に貸し出す最優遇金利)」を参考に住宅ローン変動金利を決める銀行が多いので、多くの人が影響を受けることになると思われます。ちなみにメガバンク3行の対応をまとめてみると、このようになりました。
2024年8月9日時点
3行とも対応は同じで、気になる住宅ローン金利の見直しは10月からとなっています。8~9月に新規で借り入れる人については影響がなさそうです。なお、3メガに限らず多くの銀行が短期プライムレートを引き上げており、何%から何%になるのかは銀行によってまちまちです。各行のホームページにお知らせがあるので、気になる銀行は要チェックです。
これまでの金利動向
長らくゼロ金利が続いていたところ、政策金利がプラスになるのはなんと17年ぶりのこととなります。主要銀行の短期プライムレートが1.475%に引き下げたのは2009年1月のことで、約15年ぶりの見直しとなりました。とはいってもまだ低い水準に変わりはなく、今後どのようなペースで見直しを図るのか注目されるところです。
これまでの金利動向を見ると以下のような推移になります。高度経済成長期、バブル期は変動金利が非常に高い水準でしたが、それ以降の基準金利は底ばいですね。これからどこまで上がるか?といった見立ては人それぞれですが、バブル期の金利が再来することは考えづらいです。
出所:住宅金融支援機構
ただ、これから政策金利は緩やかに上昇し、短プラ連動の住宅ローン金利も引き上げられていく方向性は変わらないと思われます。変動金利型の住宅ローンを組んでいる人、これから組む予定の人は、支払金額が増えても大丈夫なようにしっかりと対策を練っていきたいところです。
ほかの人気銀行は?
メガバンクは横並びの動きですが、住宅ローンの人気が高い一部の銀行も見ていきます。
まずはauじぶん銀行ですが、こちらは短プラ連動ではありません。調達コストや営業コストなど踏まえて独自の判断で基準金利の上下を決定します。なんと8月9日に基準金利を0.25%引き上げると発表しました。
基準金利の決め方はペイペイ銀行やイオン銀行、なども同様です。一方、住信SBIネット銀行はメガバンクと同じように短プラを基準としており、楽天銀行はTIBOR(東京銀行間取引金利)を基準としています。いろいろありますね。
金利を決める方法がそれぞれ違うので、それぞれの銀行の裁量によるところが大きいです。これは政策金利の引き上げにスライドするとは限らず、一方で突然金利を引き上げる可能性もあるということになります。
ちなみに今年に入ってからの各銀行の動きを調べてみると、以下の結果になりました。
2024年8月9日時点
このように、動き方はだいぶ差があります。日銀による政策金利の引き上げによって動きを予測できるメガバンクとは違い、短プラを基準としていない銀行がいつどのようなタイミングで金利の見直しをするかは分かりません。自分が借りている、今後借りようと思っている銀行は、注意深く追っていく必要がありそうですね。