未曽有の物価高により、ご存じのとおりあらゆる物が値上がりしています。帝国データバンクの調査によれば、この10月も8000品目が値上がりする可能性があるとのことです。コンビニ弁当は小さいわりに500円~600円。度重なる値上げにより、カップ麺はメーカーによって以前より100円以上も高いなど、筆者が好んで食べるものは総じて値上がりが激しいです。
このごろは健康に気を使ってバランスよく摂取するように心がけていますが、一番の難関はタンパク質です。成人であれば男性は1日65グラム、女性は50グラムの摂取が推奨されています。必須アミノ酸もそろえて1日分を補おうとすると、かなり食事に気を使わなければなりません。かといって、毎日鶏むね肉を食べるのも苦痛です。
ご存じの通り、現代では高齢化社会、医療人材不足のなか、バランスの良い食事をとって病気を予防しようという空気が広がっています。健康食として知られる魚は日本人にとってなじみ深い食べ物で、良質なタンパク質を摂取でき、DHA・EPAといった必須脂肪酸も含まれています。健康のためには、できれば毎日食べたいですね。
とはいっても魚が高い
栄養豊富な魚ですが、ここ数年は値段が高くてなかなか手が出ません。筆者は秋の味覚であるサンマが好きなのですが、去年は1匹200円の値段が付く日もありました。今までは100円前後で買えた記憶でしたが、ここ数年はどうやらそうではありません。
気になってサンマ最盛期の価格を調べたところ・・・
総務省統計局 小売物価統計調査をもとに弊社作成
このような推移でした。22年の平均価格は、15年比でなんと約7割高です。19年以降の上昇ペースが尋常ではないですね。そもそも、ここ数年で魚がなぜ高くなっているのか、ニュース等を調べた結果では海水温度の上昇、乱獲などが理由として多く出てきました。
現状だと漁船の燃料費負担も大きいでしょうし、すぐに魚の値段が安くなることはなさそうです。今年の9月もきっと、サンマは高級魚になってしまうかもしれません。特に温暖化は一朝一夕で解決できる問題ではないので、たまたま豊作とならない限り、今後も長期間にわたって魚の高価格化は続きそうですね。
技術発展に期待したい
話は変わりますが、需給を安定させるための養殖技術が進んでいます。テレビでもときどき取り上げられることがありますが、日本における生産量のうち養殖は3割前後を占めている重要な産業です。
味に関しては、養殖よりも天然の方がおいしい!ということはありません。環境やエサをしっかりと管理された養殖魚は天然ものに引けを取らず、知らずに食べれば違いが分かる人はほぼいないでしょう。日本人の魚離れが進んでいるとはいえ、日本の食文化において水産品は欠かせない食材ですよね。
脱炭素などの取り組みによって将来的に天然資源が回復するのを待つだけでなく、養殖技術の発展によって供給がより安定することにも期待したいところです。
最後に、国内企業の養殖への取り組みをご紹介します