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【気になるテーマ解説】レベル4解禁! ドローンの普及で何が変わるのか

2022年12月5日、国土交通省が無人小型機「ドローン」について、操縦者がドローンを見えない状態でも有人地域(住宅地など)を飛ばせるように規制を緩和しました。ドローンの飛行レベルは1~4まであり、それぞれ使用できる環境が異なります。

 

出所:国土交通省資料


ドローンの飛行レベル緩和についてはよく話題となりますが、ドローンが普及すると私たちの生活がどのように変わっていくのでしょうか。


ドローンってなんだ?

そもそもドローンってラジコンと何が違うの?と思われるかもしれません。プロペラが4カ所くらいあって、どちらもコントローラを操作して飛ぶので、ラジコンを今風に言い換えただけと思う人もいるでしょう。


実は、玩具メーカーの増田屋コーポレーションが世界で最初の無線操縦玩具として開発したのが「ラジコン」であり、商標登録もされている商品の1つです。一方で、ドローンは無人航空機をさす言葉であり、商品名ではありません。ラジコンはドローンの一種と言えますが、ドローン=ラジコンというわけではないです。


さまざまなサービス展開

国内では、ドローンを使ったサービスや実証実験が行われています。例えば、ドローン専業の上場企業ではACSL<6232>が有名で、過去にANAホールディングス<9202>やセブン-イレブン・ジャパンと共同でドローン配送サービスの実証実験を行っています。


このほか

・求人情報誌のピーエイ<4766>

出前館<2484>などと共同でドローンフードデリバリーを試験導入


・橋梁設計のDNホールディングス<7377>

無人航空機を利用した橋梁点検画像取得装置の運用受託サービスを開始


・物流大手のヤマトホールディングス<9064>

医薬品輸送ネットワークの構築に向けたドローンの実証実験を開始


・EC大手の楽天グループ<4755>

ドローンと自動走行ロボットによる配送サービス


・建設の日本国土開発<1887>

土木現場や河川の水害・土砂災害対策にドローンを活用


などがあり、これらはほんの一部です。主に、建設、農業、軍事・防衛、物流、メディア、エンターテインメント分野での活躍が想定されていますが、配送作業、危険地域の調査など現在実証中のサービスもあれば、ドローンショー、番組撮影などすでに導入されているものもあります。

山間地域など、車では配送に時間がかかる地域をドローンで配送ができたら楽ですし、感染症蔓延時には非接触で届けられるメリットなどもありますね。


なお、夜間のドローンショーは設置型のイルミネーションや花火とは違った壮大さがあり、一度は見に行ってみたいものです。

ドローンショーの例↓

ドローンショージャパン 公式PV 2020 / DRONESHOW JAPAN OFFICIAL PV 2020



ドローンビジネスの市場規模

さまざまなサービス展開が期待されるドローンですが、市場規模も飛躍的に拡大する見通しであり、国内では2022年度の市場規模が3099億円、27年度には7933億円になるともいわれています。30年度には1兆円に乗りそうな勢いですね。

 出所:インプレス総合研究所


ドローンは、リチウムイオン電池や太陽電池、プロペラ、カメラといったハード面だけでなく、高度な操作が可能となる自動制御ソフトウェアなども必要なため、携わる企業がたくさん!

国内はもちろん、世界的にも市場が大きく拡大すると見込まれていますので、ドローンメーカーだけでなく、関連するソフト開発企業や電池・半導体メーカー、ドローンを活用したサービス企業など幅広い企業にも注目したいですね。


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日本株情報部 アナリスト

畑尾 悟

2014年に国内証券会社へ入社後、リテール営業部に在籍。個人顧客向けにコンサルティング営業に携わり、国内証券会社を経て2020年に入社。「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別銘柄を中心としたニュース配信を担当。 AFP IFTA国際検定テクニカルアナリスト(CMTA)

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