新NISAが始まってから半年が経ちました。年初と比べれば話題になることもやや少なくなってきましたが、個人の資産運用に対する意識は昨年よりも格段に強まったと思われます。中でも、配当利回りの良い銘柄は特に人気な印象です。
とはいっても、上場企業数は2024年6月11日時点で3935社。その中から選ぶのは骨が折れます。投資初心者からすれば、とりあえず知名度や安心感のある企業の株を買おうという流れになるでしょう。
ただ、大企業だからと言って期待通りの配当が実施されるかは分かりません。事業環境や景気が悪くなったり、予期せぬアクシデントで業績が悪化すれば、配当を減らす、最悪の場合は無配ということもあり得ます。そういったリスクのことを考え始めるときりがありませんが、綿密な調査を経て投資するプロの視点を参考にすると、投資銘柄の候補を見つけやすくなるかもしれません。ということで、今回はプロ目線の配当株はどのような銘柄があるかを探っていきたいと思います。
プロの運用商品を探してみる
プロ(機関投資家)といってもさまざまなタイプがあり、具体的に何の銘柄を保有しているか分からないケースもたくさんあります。その中で、誰もがプロの運用内容を見られる商品として公募型投資信託があります。
人気のインデックスファンドも公募投信の一種ですね。今回は、プロがその時の状況に応じて銘柄を機動的に組み替えるアクティブファンドにフォーカスします。まずは、運用会社のなかで配当株に投資するファンドを探し、いくつかをピックアップしてみました。
一例として3つをピックアップしてみました。純資産(投資家から預かっている資金)が1000億円を超えるファンドもあり、これらに投資している人は多いということが分かります。運用会社はたくさんあるので、上記以外にも配当株ファンドは多数あります。
何に投資している?
次に、これらのファンドが何に投資をしているのかを見ていきましょう。運用状況は月次レポートで確認することができるので、6月にレポートが更新されていれば、5月末時点のものが見られます。
結果はこのようになりました。金融や自動車、総合商社などの組み入れが多いですね。現時点だと、プロの目線では配当株の中でこれらの銘柄が今後の値上がりや配当面での期待が大きいと言えそうです。2024年前半は大型株の中でも金融系の値上がりが目立ちましたが、こういった資金規模の大きいファンドが買っていることも上昇要因の一つと考えられますね。
最後に、組み入れ1位の銘柄について株価の推移を見てみます。
三井住友FG(週足)
ホンダ(週足)
東京海上(週足)
各銘柄のチャートはこのようになりました。どれも右肩上がりの推移となっており、日経平均やTOPIXといった指数の上昇にも一役買っています。配当株人気が続けば、こういったファンドを経由した資金も市場に流れます。そして、その資金は選別を経てどういった銘柄へ投資されているのか、プロの選択を参考にしてみるとよいかもしれません。
ただ、市場に絶対はなく、プロであっても損することはあります。ファンドに組み入れられているからといって必ず値上がり、増配となるわけではないので、過信しすぎるのは禁物です。プロが選んだ中から、より伸びしろが大きそうな銘柄を自分の目で選ぶ力も養っていきたいところですね。