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ロボアドバイザーの先駆け ウェルスナビの実力は?

新NISA開始による預かり資産の拡大期待から、ウェルスナビ<7342>の株価がここ数カ月で大きく上昇しました。1月22日には2023年12月期の業績予想を上方修正すると発表。市場の期待通り、新NISAに対応したサービス発表とマーケティング活動が奏功したとのことです。なお、発表翌日の23日は材料出尽くしなのか大幅安となりました。


ちなみにロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」の預かり資産は1月11日時点で1兆円を突破しました。同社によれば、顧客層は20代~50代の働く世代が中心とのこと。中長期的な資産形成を目的に毎月積み立てる人が多いようなので、今後ますます預かり資産が伸びるかもしれませんね。


一時期、テレビコマーシャルも多く流れました。破竹の勢いで伸びているウェルスナビについて、今回はその実力を調査してみようと思います。


ウェルスナビの運用について

ウェルスナビは利用者への5つの質問を基に、リスク許容度に応じて株式、債券、不動産、金などさまざまな資産に分散投資を行います。詳しい説明は公式ホームページを見ていただいた方がよいですが、積極的な運用を希望する人であれば株式の比率が高めに、なるべくリスクを抑えたい人であれば債券の比率を高めに、といったような感じです。


投資対象はETFなので、どの個別銘柄がよいか?といった運用はしません。テクノロジーを活用して、ETFをどういった配分にするのが最適か?という運用に注力します。このため、配分の比率が崩れた場合は自動で調整(リバランス)するのも特徴です。


例えば、最適な比率が株式50%・債券50%だったとして、株式の値上がりが大きかったことで株式60%・債券40%になったとします。すると、自動で調整してくれるということですね。ちなみにリバランスは年金基金などの機関投資家も取り入れている運用手法です。


とにかく「自動」を売りにしている商品なので、証券に詳しくない、忙しくて見る暇がない人などにとってはありがたい設計ですね。運用コストは税込み1.1%。預かり資産が3000万円を超える部分については税込み0.55%となります。インデックスファンドに比べるとややコストは高めですが、自動でやりくりしてくれていることを踏まえると高すぎという感じもなさそうです。



ウェルスナビの実績を比較


気になるウェルスナビの損益を見てみましょう。データは公式ホームページで開示されていたため、その数値を基にグラフを作成しています。


 

※公式開示データを基に弊社作成 期間は2016/1/19~2023/11/30

運用開始を100とする(すべて円建て)


このような結果となりました。どのリスク許容度であってもプラスになっており、株式の比率が高くなるほど実績も上がっているのが分かります。リスク許容度が低くなるほど下落時の幅が小さくなりやすいですが、これまでの推移を見るとそうでないときもありました。実績ベースなので今後も同様となる保証はありませんが、長期の積み立て投資であればリスク許容度は高めでもよさそうな気がします。


ちなみに、各指数と比較をしてみるとこのようになりました

 

※2016年1月29日を100として指数化 期間は2023年11月30日まで

MSCI kokusai Index、S&P500、ウェルスナビ(リスク許容度5)はドル建て


為替の影響を除くため、日本株以外はドル建てで比較してみました。ここ数年は世界的に株高だったので、世界株や米国株と比べるとややパフォーマンスは劣っています。一方、日本株よりもパフォーマンスは良く、コロナショック時は世界株、米国株より下落幅を抑えられていることが分かりました。この調子が続けば、株が上昇する際にはしっかり追随し、下げた時にも損失を抑えられるといった運用が期待できそうです。


資産運用を始める若年層が増える中、資産運用の方法も多様化しています。世間ではインデックスファンドの積み立てが主流のようですが、ウェルスナビが今後も着実に実績を積み上げていけば、ロボアドバイザー全体に対する評価も高まるかもしれません。利用するかしないかはさておき、引き続き注目したいところです。


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日本株情報部 アナリスト

畑尾 悟

2014年に国内証券会社へ入社後、リテール営業部に在籍。個人顧客向けにコンサルティング営業に携わり、国内証券会社を経て2020年に入社。「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別銘柄を中心としたニュース配信を担当。 AFP IFTA国際検定テクニカルアナリスト(CMTA)

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