気になるテーマ解説

東京都の予算

4月を迎え新年度に入りました。弊社が入居するビルでも新入社員をたくさん見かけます。毎年この時期になると、自分もそんなときがあったなあと思い返します。


ちなみに、新年度に入ると国や自治体の新たな予算も発表されます。社会人駆け出しのころは気にしたこともありませんでしたが、歳を重ねるごとに不思議と心境が変化してきます。最近は物価上昇も激しいので、国や自治体がどのように支えてくれるのか、これまで以上に気になるようになってきました。


筆者は現在、東京都内に住んでおりますので、まずは東京都の令和6年度予算がどうなっているのか見ていこうと思います。


東京都の予算は?

3月28日に、都議会で令和6年度予算が成立しました。一般会計の総額はなんと8兆4530億円。令和5年度比で4120億円増加し、3年連続で過去最大とのことです。一体、何に予算が盛り込まれているのか気になりますね。


ニュースでは、高校授業料の実質無償化や学校給食費への支援、介護職員の処遇を改善などが盛り込まれたと報道されていました。詳細はどうなっているのか、資料を参照してみたいと思います。


出所:東京都 令和6年度予算のポイント


東京都は、上記資料のように分かりやすくまとめられているのがポイントです。これを参照にすると、高齢者支援、子育て、脱炭素化など予算が前年度比で大きく増額されていますね。


都内の子育て世帯であれば、昨年に018サポートを申し込んだ人も多いのではないでしょうか。0歳~18歳の子どもを対象とした所得制限なしの給付金制度ですが、これの予算は1245億円となっています。かなり大きいですね。


脱炭素化については、省エネ住宅向けの予算が大きく拡充されています。東京都は、新築戸建て住宅などへの太陽光パネル設置を義務化する条例を可決しました。2025年4月に施工される予定なので、普及への地ならしといった意図がありそうです。ちなみに、曲がる太陽電池として話題の「ペロブスカイト太陽電池」についても、新規に予算が組まれています。金額はなんと1億円!期待されている割には寂しい予算という気もしますね。


株式投資に生かせるか

人、物、金が集まる東京は各都道府県の中で最も予算が多いです。ただ、恩恵がある人とない人でどうしても分かれてしまい、全員が納得するような政策を打ち出すのは困難です。自治体の施策は自分には関係ないな・・・で済ませてしまうともったいないので、東京都が力を入れている分野において、株式投資にも何とか生かしたいところ。


政策を業績に結び付けられるかどうかは企業努力次第というところもありますが、今年度の予算では、介護や子育てなどの社会福祉、環境関連に注目してみるのもよさそうです。


関連銘柄の一例
















この連載の一覧
手取りが増えたら何をしたい?
気を付けたい権利取りのポイント
【気になるテーマ解説】DX銘柄も生成AI活用が必須に
来年のNISA枠はどうする?
投資促進の一方で詐欺被害も多発
市場予想との付き合い方
政策保有株の解消良し悪し
「地面師たち」が大ヒット 厳しい日本の土地事情
7分の1は空き家の日本
QUOカードはなぜ人気なのか
住宅ローン人気銀行の動向まとめ
米大統領選、どこに恩恵?
中小型株への資金回帰が鮮明に
国際会計基準のルール変更へ 営業利益が分かりやすく?
新紙幣の発行開始でキャッシュレスが進む?
次世代自動車「SDV」とは?
マンション価格下落も依然高い そういえば晴海フラッグは?
プロが注目する配当株は?
出生率が過去最低を更新 止まらない少子高齢化
日本の長期金利が1%台に 今後の影響は?
日経平均と半導体株の関係
株式分割は本当に好材料なのか
株価は割高なのか? 指標を参考にしてみる
新興市場をざっくり振り返ってみる
金が人気の背景とは?
東京都の予算
マイナス金利解除が決定 マーケットへの影響は?
長期投資は我慢比べ
アクティブETFのその後
シリコンアイランド九州は復活か
政策保有株式の売却が進む(2)
決算プレーと自動売買
配当株投資の怖いところ
インターネット広告に試練 Cookie規制とは?
ロボアドバイザーの先駆け ウェルスナビの実力は?
優秀なインデックスファンドとは?
辰年は上がりやすい?
新NISA 注意したい配当金と分配金
新NISA 流行の積み立てと為替リスク
コスト最安の日本株アクティブファンドが登場
NTTが推進するIOWN構想とは?
政策保有株式の売却が進む
歯の健康は全身の健康 病気は未然に防ぐ時代へ
MSワラントの恐怖
配当金が保険料の賦課対象に?
今年は暖冬の予報 マーケットへの影響は?
投信の超低コスト競争に拍車
建設業界と2024年問題
積み立て投資との相性良し悪し
住宅ローンの借り入れは計画的に
東証スタンダード市場の選択申請が増加中
長期金利と株価の関係はよく言われるが・・・
国内初のアクティブETFが誕生
魚が高すぎて買えません
配当方針いろいろあります
太陽光発電は自家消費へ
メタの新SNS「Threads」使ってみた
電池の覇権、リチウムの次は亜鉛?
SENSEX指数が最高値更新 インドってどんな国?
訪日旅行者は今後も伸びる?
半導体製造装置 1台おいくら?
変動金利型住宅ローンが実質マイナス金利へ
話題沸騰のダイヤモンド半導体とは?
著名投資家の投資候補を考察
デジタル給与が解禁! メリット・デメリットは?
私の銀行は大丈夫?
全人代が開幕 いまさら聞けない日本の中国依存度
金利上昇の懸念はあるが省エネ住宅は拡大へ
【気になるテーマ解説】 健康だけじゃない? アミノ酸の可能性
なんでも材料視する株式市場
多発する客テロ AIカメラに注目集まる
会話は人そのもの 話題の「ChatGPT」とは?
「超」高齢化社会の日本
金利に翻弄される銀行 金利の影響と債券の仕組み
出生数80万人割れへ 子育て関連株の行方は・・・
何かと注目される親子上場
【気になるテーマ解説】市場規模は無限大? 壮大な宇宙産業
【気になるテーマ解説】レベル4解禁! ドローンの普及で何が変わるのか
【気になるテーマ解説】成功率3万分の1? 新薬開発の過酷な道のり
【気になるテーマ解説】パワー半導体ってなんだ?
【気になるテーマ解説】「Web3.0」ってなんだ?

日本株情報部 アナリスト

畑尾 悟

2014年に国内証券会社へ入社後、リテール営業部に在籍。個人顧客向けにコンサルティング営業に携わり、国内証券会社を経て2020年に入社。「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別銘柄を中心としたニュース配信を担当。 AFP IFTA国際検定テクニカルアナリスト(CMTA)

畑尾 悟の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております