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ドル円、じり高 160.34円まで上昇
今週のドル円はじり高の展開となりました。先週は1週間の値幅が1円未満と非常に緩慢な値動きとなっていましたが、今週は緩やかながらもドル高が進行しました。今週発表された5月米ISM製造業景況指数や4月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数、5月米ISM非製造業景況指数など、米重要指標が軒並み予想より強い内容となり、米長期金利の上昇とともにドル買いが入る格好となりました。特に週末5日の5月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比17.2万人増と予想の8.5万人増を大幅に上回る強い数字。米連邦準備理事会(FRB)による年内利上げ観測が高まり、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.5522%前後まで上昇。為替市場では「ドル全面高」の展開となり、ドル円は一時160.34円と4月30日以来の高値を更新しました。

*Trading Viewより
ただ、政府・日銀による為替介入への警戒感が根強い中、ユーロ円などクロス円の下落につれた売りも出たため、ドル円の上昇ペースは他の通貨ペアに比べると緩やかなものにとどまりました。5日に限れば「円安」ではなく「ドル高」であり、ドル円以外では「円高」が進む格好となりました。背景には日米株価指数の下落があり、リスク回避の円買いが入ったとみられます。ユーロ円は184.50円まで値を下げています。
なお、米株式市場でダウ平均は一時780ドル超下落したほか、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4%超の急落となりました。なんと、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)を見れば、10%を超す暴落。市場では「過熱する人工知能(AI)投資への警戒感から半導体関連株に売りが集まった」との声が聞かれました。

*Trading Viewより
3日に史上最高値を更新したばかりのSOXは5日に調整局面に入ったことを裏付けるように、同日は10.3%安で取引を終え、最高値からは12%超下落しました。これは「史上最高値から調整局面へと移行するまでの下落速度としては最速となる」ようです。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比3170円安の6万3500円まで下落する場面がありました。週明け8日の月曜日が非常に心配となる動きです。
投機筋の円売りポジション、2024年7月以来の水準に拡大
米商品先物取引委員会(CFTC)が5日(日本時間6日早朝)に発表した6月2日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は12万9567枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、前週から1万4900枚増加しました。これは2024年7月16日以来の水準です。

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
投機筋の円のポジションは2024年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが優勢となり、昨年4月29日には17万9212枚と過去最大を更新。それ以降はその動きが反転しています。今週、投機筋の円売りポジションはついに13万枚に迫る水準となりました。持ち高が偏り過ぎれば反動の余地も広がります。
FRBの「年内利上げ」確率、70%超え
5日の5月米雇用統計が予想より強い内容となってことで、FRBによる年内利上げ観測が高まっていますが、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、「年内の利上げ」を予想する確率は70%を超えています。日米金利差の拡大を受けた円売り・ドル買いが来週以降も出やすい状況です。(マーケットクローズ後に年内利上げ確率は80%超に)

*CME FedWatch Toolより
また、ドル円の一目均衡表チャートを見ると、今週は一目均衡表転換線(159.60円)にサポートされる形でじりじりと値を上げる展開となることが分かります。また、週末の終値(160.29円)で雲の下限157.36円、上限158.11円、転換線159.60円、基準線157.69円を全て上回っており、テクニカル的にも上サイドへの期待が高まる状況となっています。
一方、上値を抑える要因としては依然として政府・日銀による為替介入への警戒感がありますが、介入から約1カ月でほぼ下落分を取り戻しており、「介入の効果は一時的」との見方は依然として根強く。構造的なドル高の地合いが強いなかでは、仮に再び介入が実施されて急落する局面があっても、押し目を拾われる可能性が高いとみています。「介入で下落したときは、絶好の買い場」との声が聞かれる中、来週以降も押し目を待つ週となりそうです。
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