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第130回「介入効果!?ドル円はこう着状態に 値幅1円未満」

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ドル円、こう着 今週の値幅は91銭

 

今週のドル円は週明け早朝取引で一時158.74円まで下げたあとはじり高の展開となりました。米中央軍は25日、イラン南部のミサイル発射拠点や、機雷を敷設しようとしていた船舶を攻撃したと伝わった一方、イラン革命防衛隊は26日、「米軍による領空侵犯があり、無人機1機を撃沈した」と主張。これを受けて、米国とイランによる戦闘終結に向けた交渉の進展を巡る楽観が後退し、原油先物の買い戻しとともにドル買いが入りました。米経済指標の上振れなどもあり、28日のアジア時間には一時159.65円と4月30日以来約1カ月ぶりの高値を付けました。

 

*Trading Viewより

 

ただ、そのあとは「米国とイランは停戦を延長するとともに、イランの核開発計画を巡る交渉を開始するための60日間の覚書で合意に達した。トランプ米大統領の最終承認が必要」との報道などが伝わり、米国とイランが戦闘終結で近く合意することへの期待が高まったため、ドル売りが優勢に。29日には月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローも観測されて159.10円まで伸び悩んでいます。

 

もっとも、値幅自体は小さく、29日の1日の値幅28銭と約1年ぶりの小ささ今週1週間では91銭と非常に緩慢な値動きとなっています。政府・日銀による為替介入で、マーケットがこう着したこと自体は成功だったと言えそうです。

 

なお、財務省は29日、4月28日から5月27日の為替介入の総額が11兆7349億円だったと公表。政府・日銀は円安進行を阻止するため、4月30日と5月の連休中に介入を実施したとされています。月間の規模としては2024年4月26日から5月29日の9兆7885億円を上回り、過去最大となりました。

 

 

 

投機筋の円売りポジション、2024年7月以来の水準に拡大

 

米商品先物取引委員会(CFTC)が29日(日本時間30日早朝)に発表した5月26日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は11万4667枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、前週から2万762枚増加しました。これは2024年7月16日以来の水準です。

 

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成

 

投機筋の円のポジションは2024年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが優勢となり、昨年4月29日には17万9212枚と過去最大を更新。それ以降はその動きが反転しています。今週、投機筋の円売りポジションはついに11万枚を超えました持ち高が偏り過ぎれば反動の余地も広がります。

 

 

 

ドル円の一目均衡表チャートを見ると

 

ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(159.27円)雲の下限156.37円、上限157.88円、転換線159.12円、基準線157.88円を全て上回っています。雲は厚く、テクニカル的に上サイドへの期待が高まる状況です。また、これ以外にも26日の安値158.86円や米系ヘッジファンドなどが重要視している50日移動平均線158.81円、25日の安値158.74円、20日の安値158.60円など、複数のテクニカル的なサポートが位置しています。

 

*Trading Viewより

 

また、材料的には米国のインフレ高止まりを背景に、ドルが買われやすい地合いとなりそうです。背景には、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策に対する見方の変化があります。ウォーシュ新議長のもとで新体制が本格始動するなか、市場では当面の利下げ観測が後退しているだけでなく、年内に1-2回の追加利上げが行われる確率が上昇。新議長による初の本格的な舵取りを前に、市場では政策スタンスのタカ派化を警戒する見方が根強いといいます。

 

ただ、一方で上値を抑える要因としては依然として政府・日銀による為替介入への警戒感があります。足もとの上昇ペースが緩やかなのは、市場が当局の対応を警戒しているためとみられています。もっとも、介入から約1カ月でほぼ下落分を取り戻しており、「介入の効果は一時的」との見方も根強いようです。構造的なドル高の地合いが強いなかでは、仮に再び介入が実施されて急落する局面があっても、押し目を拾われる可能性が高いとみています。「介入で下落したときは、絶好の買い場」との声が聞かれる中、来週以降も押し目を待つ週となりそうです。

 

 

 

【免責事項・注意事項】

 

本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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