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中銀ウィークを通過 各国利上げ観測が高まる
米国とイスラエルによる電撃的なイランへの先制攻撃から3週間となりましたが、事態が収束に向かう兆しは見られず。WTIや北海ブレントなど原油価格は高止まりし、インフレ再燃への懸念が強まる週となりました。
そのような中、今週は「中銀ウィーク」となりました。為替や株式市場に大きな影響を与えるため、投資家から最も注目される週です。米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀の金融政策決定会合、欧州中央銀行(ECB)の定例理事会、英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)など、世界の主要な中央銀行が同時期に金融政策決定会合を開催し、今後の金利や景気見通しを発表する重要な1週間となりました。

*Trading Viewより
ドル円は今週も底堅い展開が続き、一時159.90円と2024年7月以来の高値を更新しています。中東情勢の緊迫化を背景に原油先物相場が上昇傾向を強める中、世界的に株価が軟調に推移。為替市場では「有事のドル買い」が優勢となりました。また、17-18日のFOMCやパウエルFRB議長の会見を受けて、米利下げ観測が後退していることもドル買いを促しました。
なお、市場ではFRBによる年内利上げ観測も浮上しており、ドル買いを後押しした面がありました。短期金融市場ではFRBが10月までに利上げを実施する確率が50%に跳ね上がり、米長期金利の指標である10年債利回りは一時4.3915%前後と昨年8月1日以来約8カ月ぶりの高水準を付ける場面がありました。
FRB、年内利上げの可能性まで浮上
中東の衝突によるエネルギー価格の上昇がインフレ圧力になるとの警戒が強く、FRBによる年内利上げの可能性が浮上しています。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、6月16-17日のFOMCでは政策金利を3.50-3.75%に維持するとの予想がおよそ8割となり、利下げを予想する見方はなくなりました。一方で、「0.25%の利上げ」を2割織り込んでいます。

*CME FedWatch Toolより
今週のFOMCで公表された当局者による金利見通し(ドット・チャート)では、2026年末時点の中央値が3.375%、27年末時点が3.125%、28年末時点が3.125%となり、年内1回の利下げ予想が維持されましたが、インフレ再燃への懸念が高まる中、市場参加者は「タカ派」の方向にシフト。マーケットのテーマが「年内に何回利下げをするか」から「年内に利上げがあるかどうか」へと移ったと言えます。
FOMC以外の中銀による金融政策決定会合もマーケット参加者に影響を与えています。ECBは19日、市場予想通り政策金利を現行の2.15%に据え置くことを決め、声明では「中東での戦争により、経済見通しは著しく不確実性を増し、インフレ率の上振れリスクと経済成長の下振れリスクが生じている」と指摘。ラガルドECB総裁は理事会後の記者会見で「中東紛争により見通しは著しく不確実になった」「経済成長のリスクは下方に傾いている」「インフレのリスクは上方に傾いている」と発言しています。翌20日の短期金融市場では「ECBによる年内3回の利上げ」が織り込まれました。
また、BOEは19日、市場予想通り政策金利を3.75%に据え置くことを決め、声明では「イラン戦争によってインフレ加速が引き起こされる場合には行動する用意がある」と表明しています。MPC議事要旨では「9人委員全員が金利の据え置きに賛成票を投じた」ことが判明し、4年半ぶりの全会一致となったことが明らかに。この結果を受けて、BOEによる年内利上げ観測が高まりました。
投機筋の円売りポジション、6.8万枚まで増える
米商品先物取引委員会(CFTC)が20日(日本時間14日早朝)に発表した3月17日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は6万7780枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、前週から2万6393枚増加しました。投機筋の円売りポジションが着実に積み上がっています。

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
なお、投機筋の円のポジションは昨年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが優勢となり、4月29日には17万9212枚と過去最大を更新しています。ただ、それ以降はその動きが反転。投機筋の円売りポジションが7万枚に迫る勢いとなっています。
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(159.23円)で雲の下限155.39円、上限155.77円、基準線156.25円、転換線158.59円を全て上回っています。雲は非常に薄い状態ですが、テクニカル的に上サイドへの期待が高まる状況です。また、材料的にも「円安」と「ドル高」の両方を備えている状況であり、円安・ドル高のトレンドが続くとみる市場参加者は多いようです。

*Trading Viewより
ファンダメンタルズ的にもテクニカル的にもこのままドル円の上昇が想定され、節目の160円突破はもちろん、2024年7月3日の高値161.95円が視野に入っています。ただ、これ以上の円安・ドル高は政府・日銀による為替介入が警戒されます。片山さつき財務相は今週、「しっかり構えさせていただく」「どう考えても投機的な部分がある」と述べ、円安をけん制。「いかなる時も万全の対応を取る」と強調し、「今の状況は国民生活と日本の経済にあまりにも突然の不意打ちだ。市場が機能しないときは国家が出るべきだから当然だ」と説明しています。
当然、私個人としても「中東情勢の混乱」が落ち着き、これまでの原油高・株安・債券安・ドル高の巻き戻しでドル円が下落することを個人的には願っています。これ以上のドル高・円安(さらには株安なども)は困るところです・・・困るところではあるのですが、マーケットにあわせていくしかないものまた事実。今後もこの状況が続くと想定し、来週以降もドル円の押し目を狙っていきたいと思います。
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