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ドル円、2日で5円超下げる(為替介入なし)
今週のドル円は大幅に下落しました。2日午前には米長期金利の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが優勢となり一時160.39円まで値を上げる場面もありましたが、高田日銀審議委員が「従来の半年に一度という状況ではなく、機動的な対応が必要」「連続利上げになることもあり得る」などと発言すると、日銀の利上げペースが速まるとの思惑が高まり、海外勢が円買いを進める格好に。テクニカル的にも一目均衡表転換線159.30円付近や8月26日の安値158.88円を下抜けたことで目先のストップロスを誘発し、下げ幅を拡大しました。この日発表の8月ADP全米雇用報告が予想を下回ったほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「インフレは緩やかな低下傾向にあると認識」「金利は適切な水準にある」と発言したこともドル売りを誘ったようです。

*Trading Viewより
3日にはウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「インフレ圧力の鈍化が確認されれば、政策金利の据え置きを支持する」などと発言。米早期利上げ観測が後退し、全般ドル売りが優勢となりました。また、ベッセント米財務長官の発言をきっかけに円安是正への思惑も広がり、円買いにつながった面がありました。さらには、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が資産構成を見直すとの観測も円買いを後押ししています。市場では「GPIFが8月21日に運用委員会を開催した。夏季休暇シーズンの8月に会合を開くのは極めて異例で、基本ポートフォリオ見直し観測が高まっている」との声が聞かれました。3日のNY時間には155.30円まで値を下げており、2日で5円超の下落となりました。翌4日の東京市場でも155.30円を付ける場面がありました。
ただ、8月3日の安値155.23円や5月6日の155.04円(どちらも政府・日銀による為替介入後に付けた安値)がサポートとして意識されると下げ渋る展開となり、156.26円で週末の取引を終えています。節目の155.00円に観測されているオプション絡みの買いなども相場を下支えしたようです。なお、155円割れにはストップロスが観測されています。
米雇用統計で米利上げ観測が再び高まる
米労働省が4日に発表した8月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比16.2万人増と予想の5.6万人増を大幅に上回りました。また、過去2カ月分の数値が上方修正されました。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、9月15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを予想する確率は前日の49.4%から58.4%に上昇した一方、据え置きを予想する確率は50.6%から41.6%に低下しました。

*CME FedWatch Toolより
もっとも、米雇用統計発表後にトランプ米大統領が自身のSNSに「FRBはその素晴らしい新指導者の下、賢明な対応とる必要がある」「利下げしなければ対米黒字国との貿易を停止する」「米国の金利は世界のどの国よりも低くあるべき」などと投稿し、FRBに利下げを要求。ドル円の戻りはやや鈍いものとなっています。
投機筋の円売りポジション、再び拡大傾向
米商品先物取引委員会(CFTC)が4日(日本時間5日早朝)に発表した9月1日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は9万2227枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、前週から2万8929枚増加しています。

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
ただ、これは「ウォラーFRB理事発言」「ベッセント米財務長官発言」「日銀利上げ加速観測」「GPIF資産構成見直し観測」で急落する前のデータです。5円の急落がそもそも投機筋の「円キャリートレード」の巻き戻しと言われていますので、ここからかなり減少した可能性があります。
自身のドル円ショートは再び「含み益」に
伝統的な投資格言「FRBに逆らうな(Don't fight the Fed)」になぞらえて「財務省に逆らうな(Don't fight the Treasury)」という言葉が市場で注目を集めていましたが、我が家の格言「長い物には巻かれろ」精神で引き続き「円高・ドル安」方向にベット。8月10日に「158.414円」、11日に「159.070円」、18日に「159.692円」でショートしていましたが、再び含み益になったことで、今週9月4日に「156.202円」で追撃売り(平均コストは「158.344円」)。
市場では「インフレが何より重要だ。焦点は来週発表される8月米消費者物価指数(CPI)と同月卸売物価指数(PPI)に移った」との声が聞かれていますが、結果次第ではサポートとして意識されている8月3日の安値155.23円や5月6日の155.04円、オプションが観測されている節目の155.00円を割れて、下値を探る展開も予想されます。155円割れにはストップロスの売り注文も観測されていますので、下抜けた場合は年初来安値152.10円までは下げ余地がありそうです。なお、仏ソシエテ・ジェネラルのチーフ為替ストラテジストは「円キャリートレードは、危険なものになっている。数年かけて140円まで円高が進む転換点になる可能性がある」と指摘しています。
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