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ドル円、FRB議長発言で160円台を回復
今週のドル円は7月末の日米協調介入後の下落を取り戻し、1カ月ぶりの160円台乗せとなりました。序盤は「米財務省高官は財務省一般勘定(TGA)に保管されている約1兆ドル規模の資金を国債買い入れ消却(バイバック)に活用する可能性がある」との報道などが伝わり、米長期金利が低下。ドル売りが散見されましたが、米商務省が26日に発表した7月米個人消費支出(PCE)デフレーターが前年比3.7%上昇と予想の3.6%上昇を上回り、変動の大きい食品・エネルギーを除くPCEコア・デフレーターが前月比0.2%上昇/前年比3.3%上昇と市場予想に一致すると、米長期金利の上昇に伴って全般ドル買いが優勢となりました。

*Trading Viewより
そして、週末28日には今週最大のイベントであるウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議での講演がありました。ウォーシュFRB議長はこの講演で「インフレ指標はトレンドが有意に改善したことを示唆していない」「インフレ率が速やかに2%へ向かわないなら、なすべきことがある」「広範な金融環境を引き締め的だと表現するのは難しい」などと発言。利上げなど金融引き締めに含みを持たせました。米長期金利の上昇に伴って全般ドル買いが活発化すると、ドル円は一時160.20円と7月31日以来の高値を更新しています。なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.7280%前後まで上昇しています。また、米金融政策の影響を受けやすい2年債利回りは一時4.3579%前後と7月24日以来約1カ月ぶりの高水準を付けています。

*FRBのHPより
なお、市場では「ウォーシュFRB議長が『hike』といワードを3回使用していることが話題」となりました。とは言っても、「hike=利上げ」ではなく、「hike=軽登山、ハイキング」の意味ですが・・・。FRBのHPに掲載されているウォーシュFRB議長の講演原稿を見ると分かりますが、冒頭のあいさつ部分(第1パラグラフから第5パラグラフ)の間に「hike」を使っており、我々人間が読む分にはhike=利上げと認識することはなさそうではありますが、これをアルゴリズムが読み込めばどうなるか?SNS上では「アルゴリズムを翻弄するためにわざと使用した」との声が聞かれたほか、真面目な考察として「講演内容自体はいつも通り。だからこそ、あえてマーケットにタカ派の印象を持たせたかった」との指摘がありました。トランプ米大統領から電話がかかってくるウォーシュFRB議長としては間違っても「利上げ」とは言えない立場だけに「ハイキング」という言葉で濁したのかもしれませんね。

*CME FedWatch Toolより
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、9月15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを予想する確率は前日の35.4%から59.5%に上昇しています。据え置きを予想する確率は64.6%から40.5%に低下しています。
投機筋の円売りポジション、再び拡大傾向
米商品先物取引委員会(CFTC)が28日(日本時間29日早朝)に発表した8月25日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は6万3298枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、前週から1万405枚増加しています。

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
ウォーシュFRB議長はフォワード・ガイダンスに消極的な姿勢を貫いており、今回の講演でも「利上げや利下げの方向性を直接示唆する可能性は高くない」との予想が多く聞かれていました。「ウォーシュFRB議長がインフレ抑止に対する姿勢をどこまで明確に打ち出すか」が最大の焦点となっていましたが、個人的には「かなり強いシグナルを発した」印象。米長期金利の上昇傾向が続き、日本の財政悪化懸念から円売りも出やすい地合いとなれば、今後は円安・ドル高方向へ進む可能性が高まったように思えます。

*IG証券より
米財務省の巨額な債券買い戻し(バイバック)や市場介入を巡り、伝統的な投資格言「FRBに逆らうな(Don't fight the Fed)」になぞらえて「財務省に逆らうな(Don't fight the Treasury)」という言葉が市場で注目を集めていましたが、今回の場合はどうなるか?我が家の格言「長い物には巻かれろ」を背景に、10日に「158.414円」、11日に「159.070円」、18日に「159.692円」でショートしています(平均コストは「159.059円」)が、現在は「マイナス3万円ほどの含み損」になっています。週末に各金融機関のアナリストやストラテジストがまとめたレポートを読んで来週損切りするかどうかを考えたいところです。
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