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第59回 相場に入る・離れるタイミング

FX取引に臨むなかで、相場に入る・離れるタイミングはとても重要となります。

もちろん、個人個人のスケジュールや事情によるところが多いですが、土日を除いてほぼ24時間稼働しているFX市場では数多くの取引チャンスがあり、いつ取引に集中しいつ休むのかを決断するのは取引の成績だけではなく、ご自身の健康管理にも影響を与えます。

 

休むも相場

取引には売りと買いだけではありません。FX取引では休むのも「相場に取り組んでいる」行為の一つであります。休むということは表面的には損益はゼロと自身の取引成績に何の影響もなさそうに見えますが、効率の良い休みはその後の取引や取引全般の成績に少なからずの影響を与えることになります。

 

果敢に休みを選択するということは貴方が冷静さを保っている証拠でもあり、取引環境や足もとの一時的な成績不振などで取引から離れる決断をしたとしても、この冷静さを保つことができれば、今後も勝てるチャンスは多く残ります。

 

相場に入るタイミング

当然ながらテクニカル的にトレンドがわりとしっかり方向感が示されている時が良いタイミングであるのは言うまでもないですが、不透明な時も多く、ご自分が今の相場に自信があり、冷静な状態であるのであれば、取引に取り組むいい時期と判断できます。よって、相場に入るタイミングはわりと判断しやすいですが、離れるタイミングを図ることがちょっと難しいですね。

 

相場を離れるタイミング

 

・個人的事情

ご自身のスケジュールの都合が合わない時はもちろんしょうがなく、前もって取引ポジションの解消や利食い・ストップポイントをしっかり設定しないといけません。まだ、上で言及したように、「相場の動きがよくわからない」「自信を無くしたな」「ムキになっているな」と感じる時はいったん相場から離れた方が良いでしょう。

 

「俺はいつもわからない」と言う人も少なくないと思います。確かにこれから先のことなんて誰もわかりません。ただ、ご自分でこれまでの情報収集や分析でこの先の相場の動きに自信を持っている時や勝っても謙遜であり続け、負けても冷静さを失うことがなければこれは「分かっている状態」と言えます。取引を重ねる上で誰にも勝ちと負けは付きものであり、いかに「休む相場」を入れながら精神的にも体力的にもうまく相場と向き合えるかが大事です。

 

・相場の事情

特別なシーズンや祝日などで市場参加者が少なく、市場の流動性が極端に低下する時があります。この時は些細な材料でも値が大きく飛ぶ可能性があり、極力取引を控えるかリスク管理を徹底しないといけません。


また、為替市場では「12月は休みなさい」という言葉がありました。それは12月がクリスマスシーズンであること、銀行の為替ディーラーはノルマ達成していない人しか12月に取引しないという傾向があるなど12月の相場をやっているのは負けている投機筋だけとの話もあり、12月は基本的にマーケットが薄くレートが飛びやすいので要注意です。

 

FX取引に取り組むなかで、年間スケジュールや年間の注目イベントなどを把握することは無駄なリスクを避ける重要なポイントとなります。

この連載の一覧
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第92回 基軸通貨のドル、強い
第91回 外国為替相場制度
第90回 米長期金利とドル円
第89回 RBNZ政策金利とNZドル円
第88回 日銀、利上げに踏み切るも円安
第87回 日本、「金利のある世界」に向かう
第86回 豪中銀と政策金利
第85回 トランプ氏の再選リスク
第84回 加中銀とその金融政策
第83回 英中銀とMPC
第82回 ECBと理事会
第81回 FRB 、FOMC
第80回 人民元の基準値
第79回 円キャリートレード
第78回 日銀、1月会合でマイナス金利解除を見送るか
第77回 ドル円 ゆく年くる年(2)
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第73回 米国の双子の赤字、ドル相場への影響は?
第72回 日本の貿易収支
第71回 国際収支と為替(2)
第70回 国際収支と為替(1)
第69回 円買い介入警戒感が続く
第68回 FXにも山・谷がある
第67回 FX、時間軸視点も大切
第66回 PPPよりかなりの円安
第65回 購買力平価説
第64回 米大統領選とドル相場
第63回 円の実質実効為替レート、50年ぶりの低水準
第62回 実質実効為替レート、通貨の強弱が分かる
第61回 FX取引には時間・季節も影響
第60回 プロと素人
第59回 相場に入る・離れるタイミング
第58回 FX、成功する人・失敗する人
第57回 外貨預金にも使えるFX取引
第56回 FXトレードスタイル(3)
第55回 FXトレードスタイル(2)
第54回 FXトレードスタイル(1)
第53回 近年の相場の軸足
第52回 FX相場の軸足
【第51回 ドル・ユーロ・円、3大通貨に注目】
【第50回 FX、取り組みのタイミング】
【第49回 大局観下でのアプローチ】
【第48回】大局観、身につけよう
【第47回】FX取引の投資資金
第46回 相場と真摯に付き合う
第45回 金相場と為替
第44回 うわさで買って、事実で売る
第43回 原油相場と為替
第42回 金利差拡大ならお金は金利の高い国へ
第41回 貿易収支と為替相場
第40回 米国、なぜドル高にこだわるのか?
第39回 景気と為替相場
第38回 先物市場で投機筋の動きを把握
第37回 米SVB経営破綻の為替相場への影響
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第34回 為替レートの安定は為替ディーラーに不利なのか?
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為替情報部 アナリスト

金 星

中国出身。横浜国立大学大学院卒業後、国内商品先物会社に入社。 外国為替証拠金取引会社へ出向し、カバーディール業務に携わりながら市況サービスも担当。 2013年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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