寒いと温かいラーメンが恋しくなったり、季節によって観光客が増減したりするように、外国為替市場でも時間帯や季節によって取引量が変わります。突発的なニュースで相場が大きく動いた時やサプライズの材料が出た時などに取引量は急増しますが、基本的にも1日の時間帯や1年のなかで取引量が多い時と少ない時があります。
1日では21時-翌日2時ごろに取引量が多い
1日で基本的に取引量が多い時間帯は日本時間の21時-翌日2時ごろになります。この時間帯は欧州の銀行だけではなく、米国の銀行も取引に加わり、市場は賑やかになります。また、この時間帯は市場の注目度が高い米国の経済指標の発表が多く予定されており、大口の注文も増え、相場は大きく動きやすいです。
1日で取引を控えた方が良い時間帯
取引の時間帯やタイミングによっては値動きが激しくなるなど、リスクが高くなるため注意が必要です。
日本時間の早朝6時-7時頃の時間帯は、
・流動性が低く、相場の動きが小さい
・突発的な急騰・急落のリスクがある
・スプレッド(取引コスト)が広がりやすい
よって、この時間帯はできるだけ取引を避けた方が良いでしょう。
ゴトー日や月末には取引量が増える
日本では5・10日(ゴトー日)に輸出入の企業の決済が増え、月末には外貨の買い注文が出やすいです。銀行の仲値公示にかけて取引量が増える傾向があります。
公表仲値(仲値)は、「TTM」や「電信仲値相場」とも呼ばれ、顧客が銀行等の金融機関で外国通貨(外貨)を売買する際の基準レートをいいます。
企業決算月とも一定の関係性
外国為替市場の取引量は莫大で影響は限られるも、休暇や企業の決算月も一定の関係性があります。
・2-3月
多くの日本企業が決算を前に海外の子会社や現地法人から日本国内に送るリパトリエーション(資本の本国還流)が活発し、現地通貨売り・円買いが盛んになり、円高に傾きやすいです。
4-5月
決算が終了し、日本企業は新しい取引のためにドル買いが増えます。また、決算を終えた機関投資家も海外の株式・債券などの投資も開始するので、外貨買い・円売りが多くなります。
8月
日本はお盆休み、欧米は夏季休暇に入るので、取引量が減少します。
11月
12月に決算を迎える欧米企業が海外から自国に資金を戻すリパトリエーションが増えるので、ドル高・ユーロ高になりがちです。
12月
欧米がクリスマス休暇に入るので、取引量は激減します。また、12月の決算のために損益が大きく変動するのを避ける傾向があり、取引を控えることも多いです。