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第83回 英中銀とMPC

イングランド銀行

イングランド銀行(BOE)は英国の中央銀行です。現在は1998年イングランド銀行法で制定された、物価安定の維持と英国政府の経済政策支援などの諸機能を遂行しています。

1997年に英財務省から政策金利など金利設定の権限がBOEの金融政策委員会(MPC)に移譲されました。

 

金融政策委員会(MPC)

MPCはBOEに設置されており、政策金利など英国の金融政策を決定する機関です。総裁、副総裁を含む計9名の委員で構成され、年間8回会合を開催しています。

MPCメンバー

2024年のMPCスケジュール

・2月1日 政策金利を5.25%に据え置くことを決定

・3月21日

・5月9日

・6月20日

・8月1日

・9月19日

・11月7日

・12月19日

BOE政策金利

今年2月のBOE会合

2月1日に行われた今年最初の会合では政策金利の5.25%据え置きを決定しました。2008年以来の高水準での金利据え置きは4会合連続となります。声明文では追加利上げ余地を示唆する表現が削除され、「相当な期間金融引き締めに重きを置くべき」とする表現も和らぎました。四半期ごとの金融政策報告書では、2024年インフレ率見通しを前回3.25%から2.75%へと下方修正されました。

 

BOEの政策金利見通し

ベイリーBOE総裁は、「目標の2%までインフレ率が低下する証拠がまだ必要」としながらも、利下げを検討していることを認めました。市場では5月か6月に利下げを開始するとの思惑が高まっています。

 

もっとも2月会合ではMPCメンバー9人のうちハスケル委員とマン委員は利上げを主張したのに対し、ディングラ委員は利下げに票を投じました。同じ会合で利上げと利下げの主張が出たのは世界金融危機初期の2008年8月以来であり、この先のインフレをめぐる不確実性の高さを物語っています。

 

今週に発表された英10-12月賃金(除賞与)は前年比で予想を上回る6.2%と、約1年ぶりの低水準となるも労働市場は依然としてインフレ率にとっての圧力となっていることが示されました。また、1月消費者物価指数(CPI)は前年比4.0%と前月から横ばいとなり、物価上昇圧力は市場やイングランド銀行(英中銀、BOE)が懸念したほど強まっていません。当面は利下げ時期をめぐり経済データに一喜一憂する展開が見込まれます。

この連載の一覧
第91回 外国為替相場制度
第90回 米長期金利とドル円
第89回 RBNZ政策金利とNZドル円
第88回 日銀、利上げに踏み切るも円安
第87回 日本、「金利のある世界」に向かう
第86回 豪中銀と政策金利
第85回 トランプ氏の再選リスク
第84回 加中銀とその金融政策
第83回 英中銀とMPC
第82回 ECBと理事会
第81回 FRB 、FOMC
第80回 人民元の基準値
第79回 円キャリートレード
第78回 日銀、1月会合でマイナス金利解除を見送るか
第77回 ドル円 ゆく年くる年(2)
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第75回 ポジションの偏り
第74回 ユーロ圏、厳しい財政ルール
第73回 米国の双子の赤字、ドル相場への影響は?
第72回 日本の貿易収支
第71回 国際収支と為替(2)
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第68回 FXにも山・谷がある
第67回 FX、時間軸視点も大切
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第63回 円の実質実効為替レート、50年ぶりの低水準
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為替情報部 アナリスト

金 星

中国出身。横浜国立大学大学院卒業後、国内商品先物会社に入社。 外国為替証拠金取引会社へ出向し、カバーディール業務に携わりながら市況サービスも担当。 2013年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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