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【FX、やるならお得に】第24回 多難も地位が上がりつつある通貨(人民元)

中国は主要国との摩擦も多く、何だかんだ話題が多いですが、中国の経済はこの30年急速に成長し、世界の第2経済大国となり、発言力や影響力は強まる一方です。米国は世界の覇権争いで中国を最大の敵と警戒しています。中国の通貨、人民元も認知度を高め、取引量が増え、その地位が強化しつつあります。

 

人民元の歴史


計画経済体制下での人民元

中国は1949年に建国し、長らく政府の計画経済体制が続きました。この時の外貨取引はすべて政府が手掛けていました。1955年からドルペッグ制の固定相場続けたが、ニクソン・ショックでブレトン・ウッズ協定の崩壊後の1973年から「通貨バスケット制」に移行しました。


二重相場制

1981年からは公定レートを1ドル=1.5元、貿易決済内部レートを1ドル=2.8元とする、これまでの公定レートに貿易決済内部レートを新設して並行させる二重相場制の為替政策を実施しました。1984年からこれまでの計画経済から市場経済への改革の必要性を意識し、物価制度を見直しました。また、その一環として1985年から二重相場制の廃止を発表し、人民元為替レートを一本化しました。


管理変動相場

1998年には外為調整センターでの取引レートと公定レートの二重相場と再び二重相場制に入ったが、2005年7月に人民元の対ドル固定相場制に終止符を打ち、「通貨バスケットを参考に調整する」管理変動相場へ移行しました。バスケット通貨はドル、ユーロ、円を中心に中国の国際経常収支の主要相手国・地域の通貨を取り入れました。


オンショア人民元(CNY)とオフショア人民元(CNH)

オンショア人民元(CNY)は中国国内市場で流通するものを指し、オフショア人民元(CNH)は香港、シンガポール、イギリスなど中国本土外の居住者が取引する国外(オフショア)市場で取引される人民元を指します。2010年から香港において人民元の取引を解禁され、国外の投資家はこの資本市場の誕生によって人民元の本格的な自由取引が可能になり、人民元建て貿易決済ができるようになりました。

 

人民元、SDR通貨バスケット構成比率

2016年11月30日、国際通貨基金(IMF)は特別引き出し権(SDR)の構成通貨に人民元を加えることを正式に決めました。当時のSDR通貨バスケットの構成比率で人民元は10.92%でしたが、2022年5月には12.28%まで引き上げられました。

 

人民元、国際化を目指す

米中対立も深刻化するなか、中国は人民元の国際化を重要視しており、クロスボーダー取引における人民元の使用率向上に向け、資本取引の自由化を進めること、人民元の為替レートの柔軟性を高めることに前向きであります。

 

人民元のデジタル化

中国人民銀行は2014年にデジタル通貨(中央銀行デジタル通貨)の研究開発を世界で最初に開始しました。2016年に一部商業銀行との間で実験的な取引を行い、2020年10月から初の公開実験として深セン市でデジタル通貨を発行しました。デジタル人民元の正式導入のスケジュールは決まっておらず、現在も実証実験は進められていますが、2022年2月に行われた北京五輪において外国人向けに初めてデジタル人民元が提供されました。人民元の国際化実現の一環として、デジタル人民元の実証実験が着々と進んでいます。

 

CNH、今年の動き


ドル/CNH

米中金融政策の格差から米中金利が逆転し、ドル買い・CNH売りが優勢となりました。中国の「ゼロコロナ」政策による景気鈍化も人民元の売り圧力を強め、ドル/CNHは10月にオフショア開設以来のCNH安となる7.3元台まで上昇しました。


CNH円

ドル高・円安・人民元安となり、今年のクロス円全般が堅調な動きになるなか、CNH円は10月に過去最高値となる20.90円まで上昇しました。ただ、最近はドル円が調整の売りに押されたこともあり、CNH円も19円近辺まで押し戻されました。

この連載の一覧
第93回 本間宗久が残した相場の極意
第92回 基軸通貨のドル、強い
第91回 外国為替相場制度
第90回 米長期金利とドル円
第89回 RBNZ政策金利とNZドル円
第88回 日銀、利上げに踏み切るも円安
第87回 日本、「金利のある世界」に向かう
第86回 豪中銀と政策金利
第85回 トランプ氏の再選リスク
第84回 加中銀とその金融政策
第83回 英中銀とMPC
第82回 ECBと理事会
第81回 FRB 、FOMC
第80回 人民元の基準値
第79回 円キャリートレード
第78回 日銀、1月会合でマイナス金利解除を見送るか
第77回 ドル円 ゆく年くる年(2)
第76回 ドル円 ゆく年くる年(1)
第75回 ポジションの偏り
第74回 ユーロ圏、厳しい財政ルール
第73回 米国の双子の赤字、ドル相場への影響は?
第72回 日本の貿易収支
第71回 国際収支と為替(2)
第70回 国際収支と為替(1)
第69回 円買い介入警戒感が続く
第68回 FXにも山・谷がある
第67回 FX、時間軸視点も大切
第66回 PPPよりかなりの円安
第65回 購買力平価説
第64回 米大統領選とドル相場
第63回 円の実質実効為替レート、50年ぶりの低水準
第62回 実質実効為替レート、通貨の強弱が分かる
第61回 FX取引には時間・季節も影響
第60回 プロと素人
第59回 相場に入る・離れるタイミング
第58回 FX、成功する人・失敗する人
第57回 外貨預金にも使えるFX取引
第56回 FXトレードスタイル(3)
第55回 FXトレードスタイル(2)
第54回 FXトレードスタイル(1)
第53回 近年の相場の軸足
第52回 FX相場の軸足
【第51回 ドル・ユーロ・円、3大通貨に注目】
【第50回 FX、取り組みのタイミング】
【第49回 大局観下でのアプローチ】
【第48回】大局観、身につけよう
【第47回】FX取引の投資資金
第46回 相場と真摯に付き合う
第45回 金相場と為替
第44回 うわさで買って、事実で売る
第43回 原油相場と為替
第42回 金利差拡大ならお金は金利の高い国へ
第41回 貿易収支と為替相場
第40回 米国、なぜドル高にこだわるのか?
第39回 景気と為替相場
第38回 先物市場で投機筋の動きを把握
第37回 米SVB経営破綻の為替相場への影響
第36回 インフレと為替
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第34回 為替レートの安定は為替ディーラーに不利なのか?
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為替情報部 アナリスト

金 星

中国出身。横浜国立大学大学院卒業後、国内商品先物会社に入社。 外国為替証拠金取引会社へ出向し、カバーディール業務に携わりながら市況サービスも担当。 2013年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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