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第98回 ドル・ブル=ドル買いではない

ドル高材料なのになぜドル売り?

為替相場の動きを見ると、鮮明なドル買いの材料が出たのに相場は逆にドル安方向に動くことも屡々あります。これはなぜでしょうか?

為替の概況などを見ると、「材料出尽くし」「噂で買って事実で売る」などの言葉を目にすることがあると思います。


・材料出尽くし

一般に予想された材料が現実のものになること。

悪材料が出尽くすと、悪材料を織り込んで下がっていた相場が反発に向かい、好材料が出尽くすと、好材料を織り込んで上がっていた相場が反落に向かうことが多いようです。反転のタイミングを上手く利用して、大きく儲ける事ができます。逆指値注文を上手く利用して、その反転のタイミングに乗ることが大切です。


・噂で買って事実で売る

買い材料の噂が出た段階で買っておき、事実として発表された段階では売った方が良いという意味です。もちろん、売り材料の噂が出た段階で売っておき、事実として発表された段階で買い戻すという逆のパターンもあります。


何で買い材料が出ているのに下がるのよ、と納得いかない人もいますが、ポジションの偏りとそれによって市場に出てくる売買の方向に違いが生じる時があります。


ドル・ブルでも逆の行動に

同じくドル・ブル(ドル強気派)ではその行動は逆になる時があります。例えばドル・ブルの二人がいて、その一人はポジションを持っておらず全くのスクエアーの状態であり、ドル買いの材料が出た時に彼は新規のドル買いで参入します。この場合、彼の行動はドル高見通しに沿った「正常の行為」と言えるでしょう。


そして、もう一人はドルロングポジションを持っているだけではなく、すでにポジションは限界に達しており、新規のドル買いは執行できる状況ではありません。ポジション解消に迫っている彼が新たなドル買い材料が出た時の行動はドル買いではなく、利食いのドル売りとなります。これも「理にかなった行為」と言えるでしょう。


つまり、同じくドル・ブルでも各自のポジション状況によって実際の行動は逆に走ることがあります。ドル・ブル=ドル買いではないとのことです。ドル買いの材料が出たのに、利益確定のドル売りが新規のドル買いを上回れば、ドルは下落します。

 

よって、ポジション状況をある程度把握しておくのも重要です。とてつもなく大きい為替市場でポジション状況を見極めるのは難しいですが、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータなどで投機筋のポジション状況などを確認しることができます。CFTCのデータによると、4月23日時点の投機筋の円の売り越しは17万9919枚と過去最高となりました。その後はやや減少したものの5月28日時点の円売り越しは15万6039枚と依然として高い水準となっています。

この連載の一覧
第99回 円キャリートレードは正念場
第98回 ドル・ブル=ドル買いではない
第97回 ドル円 200円になったら
第96回 デイトレードの基本は順張り
第95回 ドル円、どこに向かうのか
第94回 FX、初心者に多い失敗例
第93回 本間宗久が残した相場の極意
第92回 基軸通貨のドル、強い
第91回 外国為替相場制度
第90回 米長期金利とドル円
第89回 RBNZ政策金利とNZドル円
第88回 日銀、利上げに踏み切るも円安
第87回 日本、「金利のある世界」に向かう
第86回 豪中銀と政策金利
第85回 トランプ氏の再選リスク
第84回 加中銀とその金融政策
第83回 英中銀とMPC
第82回 ECBと理事会
第81回 FRB 、FOMC
第80回 人民元の基準値
第79回 円キャリートレード
第78回 日銀、1月会合でマイナス金利解除を見送るか
第77回 ドル円 ゆく年くる年(2)
第76回 ドル円 ゆく年くる年(1)
第75回 ポジションの偏り
第74回 ユーロ圏、厳しい財政ルール
第73回 米国の双子の赤字、ドル相場への影響は?
第72回 日本の貿易収支
第71回 国際収支と為替(2)
第70回 国際収支と為替(1)
第69回 円買い介入警戒感が続く
第68回 FXにも山・谷がある
第67回 FX、時間軸視点も大切
第66回 PPPよりかなりの円安
第65回 購買力平価説
第64回 米大統領選とドル相場
第63回 円の実質実効為替レート、50年ぶりの低水準
第62回 実質実効為替レート、通貨の強弱が分かる
第61回 FX取引には時間・季節も影響
第60回 プロと素人
第59回 相場に入る・離れるタイミング
第58回 FX、成功する人・失敗する人
第57回 外貨預金にも使えるFX取引
第56回 FXトレードスタイル(3)
第55回 FXトレードスタイル(2)
第54回 FXトレードスタイル(1)
第53回 近年の相場の軸足
第52回 FX相場の軸足
【第51回 ドル・ユーロ・円、3大通貨に注目】
【第50回 FX、取り組みのタイミング】
【第49回 大局観下でのアプローチ】
【第48回】大局観、身につけよう
【第47回】FX取引の投資資金
第46回 相場と真摯に付き合う
第45回 金相場と為替
第44回 うわさで買って、事実で売る
第43回 原油相場と為替
第42回 金利差拡大ならお金は金利の高い国へ
第41回 貿易収支と為替相場
第40回 米国、なぜドル高にこだわるのか?
第39回 景気と為替相場
第38回 先物市場で投機筋の動きを把握
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第34回 為替レートの安定は為替ディーラーに不利なのか?
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【FX、やるならお得に】第13回 為替の変動要因
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為替情報部 アナリスト

金 星

中国出身。横浜国立大学大学院卒業後、国内商品先物会社に入社。 外国為替証拠金取引会社へ出向し、カバーディール業務に携わりながら市況サービスも担当。 2013年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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