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第53回 近年の相場の軸足

2010年から昨年までの為替相場を振り返り、その年に「相場の軸足」がどこに置かれたかを簡単に紹介します。


                 ドル円

 


2010年

・中国・インドの引き締め観測でリスクオフムード→円高

・ユーロ圏の債務危機が表面化→ユーロ安

・米景気減速とユーロ圏債務危機でリスクオフ→円高

2010年のドル円

年初の92円半ばから一時80円半ばまで下落

 

2011年

・東日本大震災で保険会社のリパトリエーションの期待→円高

・ユーロ圏債務危機から世界金融危機再燃への懸念高まる→ドル高・円高・ユーロ安

・円高阻止に日本政府が円売り介入→円安

2011年のドル円

10月に戦後最安値となる75.32円まで下落

 

2012年

・ユーロ圏債務危機はギリシャから周辺国に波及→ユーロ安

・ECBが政策金利を0.75%に引き下げ→ユーロ安

・FRBが超低金利政策の延長を発表→ドル高

・ユーロ圏・中国などの景気減速懸念や日本のデフレ深刻化→円高

・後半に安倍政権への移行で円高是正に期待感→円安

2012年のドル円

秋まで円高が続くも、12月には85円台まで持ち直す

 

2013年

・FRBが量的緩和策の縮小を開始→ドル高

・アベノミクス推進の下で日銀が異次元緩和策を実施→円安

2013年のドル円

2009年以来の100円台を回復

 

2014年

・FRBの緩和策縮小と中国景気減速→新興国通貨安

・異次元緩和策実施の日銀とFRBの政策格差の拡大→ドル高・円安

2014年のドル円

12月に2007年8月以来の高値となる121円後半まで上昇

 

2015年

・前半は日米金融政策の格差を意識した動き→ドル高・円安

・後半はチャイナショックが発生しリスクオフ→円高

・ECBが量的金融緩和策を導入→ユーロ安

・チャイナショック、コモディティ価格の下落→資源国通貨が大幅安

2015年のドル円

6月に125円台まで一段高となるも、リスクオフの円買いで失速し、「行ってこい」の相場に。

 

2016年

・英国の国民投票でEU離脱が勝利→ポンド暴落

・米中景気減速懸念でリスクオフ→円高

・後半は米景気回復とトランプ次期大統領への期待→ドル高

2016年のドル円

6月に99円近辺まで下落したが、12月には118円半ばまで持ち直す

 

2017年

・経済の先行き不透明感が強く、リスクオフが優勢→円高

・FRBの利上げ→ドル高

・コモディティ価格の持ち直し→資源国通貨高

・ユーロ圏の景気回復とECBの緩和縮小方針→ユーロ高

2017年のドル円

ややドル安・円高となるも、年を通じて値幅は10円程度と方向感は限定的

 

2018年

・FRBの利上げ→ドル高

・米中貿易摩擦の激化。北朝鮮・中東情勢の緊迫化→円高

・英国のEU離脱(ブレグジット)問題→ポンド安

2018年のドル円

売り買い材料が交錯し、方向感は出ず110円を挟んで上下

 

2019年

・米景気の好調→ドル高

・米中貿易摩擦の激化と協議進展期待に揺れる→円高・円安

・FRBが金融政策の緩和へ転換→ドル安

2019年のドル円

ほぼ横ばい、値幅は8円弱と過去最小の変動幅を記録

 

2020年

・コロナショックでリスクオフ→円高

・世界の多くの国が積極的な金融財政政策を実施→円安

2020年のドル円

3月に101円前半まで下落した後買い戻しが入るも上値は重くドル安・円高で終了

 

2021年

・後半に米物価上昇に伴いFRBの利上げ期待が高まる→ドル高

・原油高で日本の貿易収支悪化観測が強まる→円安

2021年のドル円

11月に約4年ぶりの高値水準となる115円台に上昇

 

2022年

・日銀が緩和策を継続する一方で、インフレ対策で多くの中銀が利上げ加速→円独歩安

2022年のドル円

10月には1990年以来の高値151.95円まで上昇

この連載の一覧
第104回 イベント・材料の認識から消化まで
第103回 経済指標の基本知識
第102回 勝つために情報本質の見極めは大事
第101回 押し目買いの罠
第100回 円安・円高の影響
第99回 円キャリートレードは正念場
第98回 ドル・ブル=ドル買いではない
第97回 ドル円 200円になったら
第96回 デイトレードの基本は順張り
第95回 ドル円、どこに向かうのか
第94回 FX、初心者に多い失敗例
第93回 本間宗久が残した相場の極意
第92回 基軸通貨のドル、強い
第91回 外国為替相場制度
第90回 米長期金利とドル円
第89回 RBNZ政策金利とNZドル円
第88回 日銀、利上げに踏み切るも円安
第87回 日本、「金利のある世界」に向かう
第86回 豪中銀と政策金利
第85回 トランプ氏の再選リスク
第84回 加中銀とその金融政策
第83回 英中銀とMPC
第82回 ECBと理事会
第81回 FRB 、FOMC
第80回 人民元の基準値
第79回 円キャリートレード
第78回 日銀、1月会合でマイナス金利解除を見送るか
第77回 ドル円 ゆく年くる年(2)
第76回 ドル円 ゆく年くる年(1)
第75回 ポジションの偏り
第74回 ユーロ圏、厳しい財政ルール
第73回 米国の双子の赤字、ドル相場への影響は?
第72回 日本の貿易収支
第71回 国際収支と為替(2)
第70回 国際収支と為替(1)
第69回 円買い介入警戒感が続く
第68回 FXにも山・谷がある
第67回 FX、時間軸視点も大切
第66回 PPPよりかなりの円安
第65回 購買力平価説
第64回 米大統領選とドル相場
第63回 円の実質実効為替レート、50年ぶりの低水準
第62回 実質実効為替レート、通貨の強弱が分かる
第61回 FX取引には時間・季節も影響
第60回 プロと素人
第59回 相場に入る・離れるタイミング
第58回 FX、成功する人・失敗する人
第57回 外貨預金にも使えるFX取引
第56回 FXトレードスタイル(3)
第55回 FXトレードスタイル(2)
第54回 FXトレードスタイル(1)
第53回 近年の相場の軸足
第52回 FX相場の軸足
【第51回 ドル・ユーロ・円、3大通貨に注目】
【第50回 FX、取り組みのタイミング】
【第49回 大局観下でのアプローチ】
【第48回】大局観、身につけよう
【第47回】FX取引の投資資金
第46回 相場と真摯に付き合う
第45回 金相場と為替
第44回 うわさで買って、事実で売る
第43回 原油相場と為替
第42回 金利差拡大ならお金は金利の高い国へ
第41回 貿易収支と為替相場
第40回 米国、なぜドル高にこだわるのか?
第39回 景気と為替相場
第38回 先物市場で投機筋の動きを把握
第37回 米SVB経営破綻の為替相場への影響
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第34回 為替レートの安定は為替ディーラーに不利なのか?
第33回 FXの自動売買取引
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第31回 リスクオン・リスクオフ取引
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第29回 アフリカの人気通貨 南アフリカ・ランド
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第27回 2023年の為替相場
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【FX、やるならお得に】第25回 急落で魅力低下の高金利通貨(トルコリラ)
【FX、やるならお得に】第24回 多難も地位が上がりつつある通貨(人民元)
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【FX、やるならお得に】第19回 取引量第3位(円)
【FX、やるならお得に】第18回 取引量が第2位の通貨(ユーロ)
【FX、やるならお得に】第17回 取引量が最も多い通貨(ドル)
【FX、やるならお得に】第16回 ファンダメンタルズ
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【FX、やるならお得に】第14回 為替レートはテーマで動く
【FX、やるならお得に】第13回 為替の変動要因
【FX、やるならお得に】第12回 FXはゼロサムゲーム?
【FX、やるならお得に】第11回 FX取引の注文方法
【FX、やるならお得に】第10回 外国為替取引の中心はドル
【FX、やるならお得に】第9回 外国為替市場と為替レート
【FX、やるならお得に】第8回 FX取引で大事なこと
【FX、やるならお得に】第7回 スワップポイント
【FX、やるならお得に】第6回 FX、利益を得る仕組み
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【FX、やるならお得に】第4回 FXの「レバレッジ」
【FX、やるならお得に】第3回 まず「FX」のこと、ちゃんと理解しましょう
【FX、やるならお得に】第2回 そもそも為替って何?
【FX、やるならお得に】第1回 敵知らずして勝利なし!

為替情報部 アナリスト

金 星

中国出身。横浜国立大学大学院卒業後、国内商品先物会社に入社。 外国為替証拠金取引会社へ出向し、カバーディール業務に携わりながら市況サービスも担当。 2013年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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