FX やるならお得に

【FX、やるならお得に】第11回 FX取引の注文方法

FX取引では、さまざまな注文方法の中から希望のものを選択できるようになっています。それぞれの特徴やメリットを理解して上手に使い分けると、トレードに大いに役立ちます。まず、エントリーをするための「新規注文」、エントリー後に利益確定若しくは損切りをするための「決済注文」があります。

ここではFXの基本的な注文方法を6つ紹介します。

 

① 成行注文

希望の売買レートを指定せず、現在の価格で即座に発注する注文です。「今すぐ売買したい」という時に用いるのが成行だと言えるでしょう。レートはその時々で変化しているので、注文が成立したレートは約定してから確認できますが、成行注文は確実に注文を成立させます。

 

注文ボタンを押した時のレートと実際に約定したレートの差を「スリッページ」と呼びます。普段はスリッページがあまり発生しないですが、相場が急変動する時にスリッページが大きくなることがあります。FX会社によりますが、許容スリッページ範囲を自分で設定することができます。

 

② 指値注文

「○○円以下になったら買う」もしくは「○○円以上になったら売る」と、希望の売買レートを指定する注文を「指値注文」と言います。例えばレートが1ドル=130.00円の時、125.00円で買いの指値を入れると、レートが125.00円以下にならないと成立しません。よって、指値注文は「自分の思い通りにレートが動いた時の値決め」と言えます。

 

③ 逆指値注文

「○○円以下になったら買う」もしくは「○○円以上になったら売る」との指値注文とは逆で、「○○円以下になったら売る」もしくは「○○円以上になったら買う」と注文を出すのが「逆指値注文」です。例えばレートが1ドル=130.00円の時、125.00円で売りの指値を入れます。なぜこのような注文を出すかというと、一つは買いのポジションを持っているが相場が逆の方向に行っており、損切りのレベルを指定したい時です。損切りの逆指値注文は「ストップロス」とも呼びます。もう一つは相場がこの水準まで行くと一段とその方向での動きが加速すると判断した時です。

 

④ OCO注文

指値と逆指しをセットで注文するのを「OCO注文」と呼びます。例えば、1ドル=130.00円で買いのポジションを持っている時に、135.00円の利食いと125.00円の損切り注文を同時に出すことができます。OCO注文は新規OCOと決済OCOがあります。

 

・新規OCO

下図のように、レンジ相場が続いているなかレンジ下限の水準で買いの指値とレンジを上抜けた時の買い指値をセットで注文します。

・決済OCO

成行で新規の注文を出し、このポジションに対し利食いの注文と損切りの注文をセットで出します。

 

⑤ IFD注文

IFD注文は、新規注文が成立したら同時に決済注文が有効になる注文です。例えば、1ドル=130.00円の時、「128.50円の買い、128.00円の売り」の注文を出すと、相場が128.50円まで下落した時に買いの注文が成立し、このポジションに対し128.00円での損切りの注文が有効になるわけです。トレンドが変わることを警戒する時に使う方法です。

 

⑥ IFO注文

IFO注文は、IFDとOCOを組み合わせた注文方法です。つまり、新規指値注文と同時に、利益確定のための指値と損切りの逆指値注文を1度に出すという方法です。

この連載の一覧
第121回 AI・FX取引
第120回 FX取引はギャンブルなのか
第119回 FXの確定申告
第118回 元キャリートレードの復活に注意
第117回 ドル円 8/1以来の150円台
第116回 ポンド、雇用・物価データの見極め
第115回 中国、景気支援策を強化
第114回 自民党総裁選、サプライズの結果に
第113回 景気回復が鈍いままの中国経済
第112回 最近の円相場、スキャルピング手法が有利か
第111回 最近主要国の金融政策(4)
第110回 最近主要国の金融政策(3)
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第108回 最近主要国の金融政策(1)
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第105回 来週の日銀会合、利上げは?
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第103回 経済指標の基本知識
第102回 勝つために情報本質の見極めは大事
第101回 押し目買いの罠
第100回 円安・円高の影響
第99回 円キャリートレードは正念場
第98回 ドル・ブル=ドル買いではない
第97回 ドル円 200円になったら
第96回 デイトレードの基本は順張り
第95回 ドル円、どこに向かうのか
第94回 FX、初心者に多い失敗例
第93回 本間宗久が残した相場の極意
第92回 基軸通貨のドル、強い
第91回 外国為替相場制度
第90回 米長期金利とドル円
第89回 RBNZ政策金利とNZドル円
第88回 日銀、利上げに踏み切るも円安
第87回 日本、「金利のある世界」に向かう
第86回 豪中銀と政策金利
第85回 トランプ氏の再選リスク
第84回 加中銀とその金融政策
第83回 英中銀とMPC
第82回 ECBと理事会
第81回 FRB 、FOMC
第80回 人民元の基準値
第79回 円キャリートレード
第78回 日銀、1月会合でマイナス金利解除を見送るか
第77回 ドル円 ゆく年くる年(2)
第76回 ドル円 ゆく年くる年(1)
第75回 ポジションの偏り
第74回 ユーロ圏、厳しい財政ルール
第73回 米国の双子の赤字、ドル相場への影響は?
第72回 日本の貿易収支
第71回 国際収支と為替(2)
第70回 国際収支と為替(1)
第69回 円買い介入警戒感が続く
第68回 FXにも山・谷がある
第67回 FX、時間軸視点も大切
第66回 PPPよりかなりの円安
第65回 購買力平価説
第64回 米大統領選とドル相場
第63回 円の実質実効為替レート、50年ぶりの低水準
第62回 実質実効為替レート、通貨の強弱が分かる
第61回 FX取引には時間・季節も影響
第60回 プロと素人
第59回 相場に入る・離れるタイミング
第58回 FX、成功する人・失敗する人
第57回 外貨預金にも使えるFX取引
第56回 FXトレードスタイル(3)
第55回 FXトレードスタイル(2)
第54回 FXトレードスタイル(1)
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【第49回 大局観下でのアプローチ】
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為替情報部 アナリスト

金 星

中国出身。横浜国立大学大学院卒業後、国内商品先物会社に入社。 外国為替証拠金取引会社へ出向し、カバーディール業務に携わりながら市況サービスも担当。 2013年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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