FX取引では、さまざまな注文方法の中から希望のものを選択できるようになっています。それぞれの特徴やメリットを理解して上手に使い分けると、トレードに大いに役立ちます。まず、エントリーをするための「新規注文」、エントリー後に利益確定若しくは損切りをするための「決済注文」があります。
ここではFXの基本的な注文方法を6つ紹介します。
① 成行注文
希望の売買レートを指定せず、現在の価格で即座に発注する注文です。「今すぐ売買したい」という時に用いるのが成行だと言えるでしょう。レートはその時々で変化しているので、注文が成立したレートは約定してから確認できますが、成行注文は確実に注文を成立させます。
注文ボタンを押した時のレートと実際に約定したレートの差を「スリッページ」と呼びます。普段はスリッページがあまり発生しないですが、相場が急変動する時にスリッページが大きくなることがあります。FX会社によりますが、許容スリッページ範囲を自分で設定することができます。
② 指値注文
「○○円以下になったら買う」もしくは「○○円以上になったら売る」と、希望の売買レートを指定する注文を「指値注文」と言います。例えばレートが1ドル=130.00円の時、125.00円で買いの指値を入れると、レートが125.00円以下にならないと成立しません。よって、指値注文は「自分の思い通りにレートが動いた時の値決め」と言えます。
③ 逆指値注文
「○○円以下になったら買う」もしくは「○○円以上になったら売る」との指値注文とは逆で、「○○円以下になったら売る」もしくは「○○円以上になったら買う」と注文を出すのが「逆指値注文」です。例えばレートが1ドル=130.00円の時、125.00円で売りの指値を入れます。なぜこのような注文を出すかというと、一つは買いのポジションを持っているが相場が逆の方向に行っており、損切りのレベルを指定したい時です。損切りの逆指値注文は「ストップロス」とも呼びます。もう一つは相場がこの水準まで行くと一段とその方向での動きが加速すると判断した時です。
④ OCO注文
指値と逆指しをセットで注文するのを「OCO注文」と呼びます。例えば、1ドル=130.00円で買いのポジションを持っている時に、135.00円の利食いと125.00円の損切り注文を同時に出すことができます。OCO注文は新規OCOと決済OCOがあります。
・新規OCO
下図のように、レンジ相場が続いているなかレンジ下限の水準で買いの指値とレンジを上抜けた時の買い指値をセットで注文します。
・決済OCO
成行で新規の注文を出し、このポジションに対し利食いの注文と損切りの注文をセットで出します。
⑤ IFD注文
IFD注文は、新規注文が成立したら同時に決済注文が有効になる注文です。例えば、1ドル=130.00円の時、「128.50円の買い、128.00円の売り」の注文を出すと、相場が128.50円まで下落した時に買いの注文が成立し、このポジションに対し128.00円での損切りの注文が有効になるわけです。トレンドが変わることを警戒する時に使う方法です。
⑥ IFO注文
IFO注文は、IFDとOCOを組み合わせた注文方法です。つまり、新規指値注文と同時に、利益確定のための指値と損切りの逆指値注文を1度に出すという方法です。