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第27回 2023年の為替相場

今年の最大ポイントはやはり金融政策

 

今年における為替市場の最大の注目ポイントは昨年に続いて主要国の金融政策となります。昨年は中国人民銀行(中央銀行)と日銀が緩和策を維持したが、世界の多くの中銀が軒並みインフレ対策として金融引き締めを強化しました。ただ、昨年年末にかけては引き締めを緩める動きが強まりました。

 

カナダ中銀(BOC)、イングランド銀行(英中銀、BOE)、メキシコ中銀(BOM)などはすでに利上げサイクルが終焉に向かっていることが示唆され、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)や南アフリカ中銀(SARB)も年央ごろには利上げを打ち止める可能性が出ています。昨年ほかの中銀より利上げを遅くスタートした欧州中央銀行(ECB)はタカ派を維持しているが、今年の年央かもう少し遅れて利上げ打ち止めが視野に入る可能性があります。

 

一番の注目は米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策変更です。市場では今年の後半はFRBが利下げに転じるとの憶測も強まっていたが、今週公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では年内の利下げをすべてのFOMCメンバーが否定したことが明らかとなりました。FRBはインフレ抑制に強い意志を示しており、金融政策の変更は結局いつになってインフレ率のピークアウトへの確信が高まるかにかかっており、不透明感が強いです。

 

また、日銀は昨年12月会合でイールドカーブコントロール政策(YCC)の許容変動幅を拡大し、市場にサプライズを与えました。黒田日銀総裁は金融引き締めではないと強調しましたが、市場では「事実上の利上げ」との見方が少なくありません。在任期間の歴代最長記録を更新中の黒田総裁は4月の後退が確実視されており、新総裁の任命と新体制移行後の政策修正が注目されます。

 

今年のドル円


今年はFRBの利上げサイクルは終了に向かう一方で、日銀は緩和策の修正を強化するとの見方が強く、日米金利差縮小を背景にドル安・円高をイメージする声が多いです。ただ、日米金融政策をめぐってはまだ不透明な部分が多く、引き続き波乱要因となります。今年にFRBのハト派転換を予想する声が多いものの、インフレ率や労働力不足とそれに伴う賃金の動きなどによっては今年の後半も利上げ体制を維持する可能性もあります。一方で、日銀の新体制移行とともに緩和策修正の強化と予想は覆られる可能性も否定できません。

 

また、日本の貿易赤字の解消は難しく、引き続き円安の要因となります。ウクライナ情勢をめぐる地政学リスクの高まりや、世界経済の鈍化懸念の強まりなどリスク要因も加わるが、最近はリスクオフ局面で円買いよりもドル買いが優勢になる場面が多くみられています。よって、今年のドル円は下方向を意識した動きになりやすいですが、昨年初頭の112-113円近辺までの戻りは想定せず、120-145円のレンジにおさまると見込んでいます。


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第103回 経済指標の基本知識
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第100回 円安・円高の影響
第99回 円キャリートレードは正念場
第98回 ドル・ブル=ドル買いではない
第97回 ドル円 200円になったら
第96回 デイトレードの基本は順張り
第95回 ドル円、どこに向かうのか
第94回 FX、初心者に多い失敗例
第93回 本間宗久が残した相場の極意
第92回 基軸通貨のドル、強い
第91回 外国為替相場制度
第90回 米長期金利とドル円
第89回 RBNZ政策金利とNZドル円
第88回 日銀、利上げに踏み切るも円安
第87回 日本、「金利のある世界」に向かう
第86回 豪中銀と政策金利
第85回 トランプ氏の再選リスク
第84回 加中銀とその金融政策
第83回 英中銀とMPC
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第81回 FRB 、FOMC
第80回 人民元の基準値
第79回 円キャリートレード
第78回 日銀、1月会合でマイナス金利解除を見送るか
第77回 ドル円 ゆく年くる年(2)
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第75回 ポジションの偏り
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第68回 FXにも山・谷がある
第67回 FX、時間軸視点も大切
第66回 PPPよりかなりの円安
第65回 購買力平価説
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第61回 FX取引には時間・季節も影響
第60回 プロと素人
第59回 相場に入る・離れるタイミング
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第57回 外貨預金にも使えるFX取引
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為替情報部 アナリスト

金 星

中国出身。横浜国立大学大学院卒業後、国内商品先物会社に入社。 外国為替証拠金取引会社へ出向し、カバーディール業務に携わりながら市況サービスも担当。 2013年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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