買値、売値とスプレッド
FXの取引をする際にFX業者の為替レートを見ると、「買値(ASKまたはBUY)」と「売値(BIDまたはSELL)」という2つの価格が表示されています。初心者は「何で2つの価格があるのか?」と疑問に思う方も多いですが、これはちゃんとした理由があります。
上のドル円の取引画面を例に用いて説明すると、FX業者サイドから137.780円は買値、137.783円は売値となります。逆にトレーダー(お客さん)目線からはBID=売値、ASK=買値となります。このBIDとASKの差をスプレッドと呼びますが、スプレッドはトレーダーが支払うコストであり、FX業者の収益源となります。
スプレッドはトレーダーのコストになるので、当然トレーダーにとってはスプレッドが小さければ小さいほどいいでしょう。スプレッドはFX業者によって変わりますし、通貨ペアによっても差があります。また、為替相場が大きく変動する時やその可能性がある時にスプレッドを広げることも少なくありません。
少しややこしいですが、トレーダーは「BIDは売る時、ASKは買う時」の値段と覚えて置けば問題ありません。つまり、上の画面上では138.780円がドル売り・円買いの値段で、138.783円がドル買い・円売りの値段となります。
為替レートはどのように決まる?
需要と供給
世の中のモノやサービスの価格が決まるのと同じく、「需要と供給」によって決まります。つまり、買いたい人が多ければ価格は上昇し、売りたい人が多ければ価格は下落します。この需給の変化をもたらす要因としてはいろいろあります。各国の政治・経済情勢、政策金利、経済指標の結果や要人発言、天災、そして戦争やテロによる政情不安、企業の貿易や資本取引などによる実需の変化など様々な要因が需給のバランスに影響を与えます。普通、為替レートがその国の経済力(通貨の強さ)を示すといわれています。
インターバンク市場が為替取引の中心
それでは為替レートはどこで決まるのでしょうか。為替レートを決めているのは「インターバンク市場(銀行間市場)」というところです。インターバンク市場とは、世界中の銀行や証券会社などが参加し、外国為替の取引をする市場です。取引所が実在するのではなく、あくまでもネットワークで結ばれたバーチャル上にある市場全体のことを指しています。
トレーダーがFX業者で取引する時は、各FX業者がインターバンク市場のレートをもとに自社の利益を乗せた独自のレートを提示しており、業者によって価格は少しずつ違いがあります。