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【第50回 FX、取り組みのタイミング】

FX取引時間

 FX取引は基本的に平日・祝日のほぼ24時間取引ができるようになっています。

FX業者によって多少異なりますが、一般的な取引時間は、月曜の午前7時前後から土曜の午前6時前後まで取引ができます。


サマータイムで取引時間に1時間前倒しになります。

・米国標準時間(冬時間):11月の第1日曜日から3月の第2日曜日まで

・サマータイム(夏時間):3月の第2日曜日から11月の第1日曜日まで

 

土、日曜日は世界中ほぼすべての外国為替市場が休場となり、FXも取引できなくなりますが、注意しなければいけないのはこの時間帯も為替レートは変動します。イスラム圏では休みが土日ではなく金曜日であり、中東の一部の地域では土、日曜日も取引が行われます。

 

また、FXはどこの国の祝日も取引が可能ですが、元日だけは世界中の外国為替市場が休場となるため取引はできません。

 

FX取引のタイミング

 取引の時間帯は大きくオセアニア時間(6-8時)、東京時間(8-15時)、ロンドン時間(15-21時)、ニューヨーク時間(21-6時)に分けられており、取引時間帯ごとの値動きには特徴があります。


・オセアニア時間

オーストラリアのシドニー市場やニュージーランドのウェリントン市場の取引が開始される時間帯で、市場参加者が少なく、流動性が比較的に低いです。特に週明けのオセアニア時間帯は前週末のニュースなどで相場が乱高下する可能性があり要注意です。

 

・東京時間

香港やシンガポール市場の取引も始まり、市場参加者が増え、流動性が高くなります。また、毎月5日・10日・15日といった5と10がつく日(ゴトー日)は、企業の資金決済が増えることから、10時前の仲値公示に向けて本邦実需勢の取引がドル円のレードに影響を与えることがあります。最近は中国の経済指標、中国株、中国関連ヘッドラインによる為替相場への影響が増えつつあります。

 

・ロンドン時間

ヨーロッパ勢が中心のため、ユーロやポンドといった通貨の値動きが激しくなる傾向があります。また、21頃からはニューヨーク市場も参加するため、欧州時間が終わるまでは24時間のなかで最も取引が活発になり、値動きが激しくなる時間帯です。

 

・ニューヨーク市場

この時間帯は米国を中心に取引が行われるので、ドル主導で多くの通貨ペアの取引が盛んになります。為替レートに大きな影響を与える米国の重要指標の多くが発表されるので値動きが活発になります。また、24時にはオプションカットと呼ばれる通貨オプションの権利行使の期限を迎えることから、投資家の取引が活発になります。

 

初心者はできるだけ流動性の低い時間帯や為替レートに大きく影響を与える注目のイベントや主な経済指標の発表前の取引は避けた方がいいでしょう。

 

「休むも相場」

取引は「売り」と「買い」だけではありません。「休むも相場」という相場の格言があるように、休みを取るのも立派な取引と言えます。迷いが生じた時、ちょっと負けが続いて自信を無くした時とかはいったんポジションを解消して、気分転換を図るのはとても大事です。取引を続けるには、取引のオン・オフがうまく繰り返せるかどうかが重要なポイントとなります。

この連載の一覧
第93回 本間宗久が残した相場の極意
第92回 基軸通貨のドル、強い
第91回 外国為替相場制度
第90回 米長期金利とドル円
第89回 RBNZ政策金利とNZドル円
第88回 日銀、利上げに踏み切るも円安
第87回 日本、「金利のある世界」に向かう
第86回 豪中銀と政策金利
第85回 トランプ氏の再選リスク
第84回 加中銀とその金融政策
第83回 英中銀とMPC
第82回 ECBと理事会
第81回 FRB 、FOMC
第80回 人民元の基準値
第79回 円キャリートレード
第78回 日銀、1月会合でマイナス金利解除を見送るか
第77回 ドル円 ゆく年くる年(2)
第76回 ドル円 ゆく年くる年(1)
第75回 ポジションの偏り
第74回 ユーロ圏、厳しい財政ルール
第73回 米国の双子の赤字、ドル相場への影響は?
第72回 日本の貿易収支
第71回 国際収支と為替(2)
第70回 国際収支と為替(1)
第69回 円買い介入警戒感が続く
第68回 FXにも山・谷がある
第67回 FX、時間軸視点も大切
第66回 PPPよりかなりの円安
第65回 購買力平価説
第64回 米大統領選とドル相場
第63回 円の実質実効為替レート、50年ぶりの低水準
第62回 実質実効為替レート、通貨の強弱が分かる
第61回 FX取引には時間・季節も影響
第60回 プロと素人
第59回 相場に入る・離れるタイミング
第58回 FX、成功する人・失敗する人
第57回 外貨預金にも使えるFX取引
第56回 FXトレードスタイル(3)
第55回 FXトレードスタイル(2)
第54回 FXトレードスタイル(1)
第53回 近年の相場の軸足
第52回 FX相場の軸足
【第51回 ドル・ユーロ・円、3大通貨に注目】
【第50回 FX、取り組みのタイミング】
【第49回 大局観下でのアプローチ】
【第48回】大局観、身につけよう
【第47回】FX取引の投資資金
第46回 相場と真摯に付き合う
第45回 金相場と為替
第44回 うわさで買って、事実で売る
第43回 原油相場と為替
第42回 金利差拡大ならお金は金利の高い国へ
第41回 貿易収支と為替相場
第40回 米国、なぜドル高にこだわるのか?
第39回 景気と為替相場
第38回 先物市場で投機筋の動きを把握
第37回 米SVB経営破綻の為替相場への影響
第36回 インフレと為替
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第34回 為替レートの安定は為替ディーラーに不利なのか?
第33回 FXの自動売買取引
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第31回 リスクオン・リスクオフ取引
第30回 注目度の高い経済指標
第29回 アフリカの人気通貨 南アフリカ・ランド
第28回 安全資産・逃避通貨のCHF
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為替情報部 アナリスト

金 星

中国出身。横浜国立大学大学院卒業後、国内商品先物会社に入社。 外国為替証拠金取引会社へ出向し、カバーディール業務に携わりながら市況サービスも担当。 2013年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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