FX取引、経済指標は重要なポイント
FX取引を行う時、経済指標を見極めるのは言うまでもなく重要なポイントとなります。経済指標とは、各国の政府等が発表する経済状況を数値化した指標です。一般的に、相場はその国の経済状況に応じて変化するため、経済指標は将来の価格(レート)の方向性を予測する上で非常に役立ちます。
経済指標からわかること
経済指標は数多くありますが、仕組みは「予想値・結果・前回値・改定値」の4つを軸とし、決まった期日に発表されます。予想よりも結果がいいか悪いかを確認することが大切です。
経済指標を使うメリットの一つは感覚ではなく、数字で経済状況を客観的に判断できることです。数字のデータから現在の水準だけではなく、過去の水準と比べて改善したか悪化したかといった方向感や変化の大きさを知ることができます。
経済指標は数多くありますが、為替取引のためにすべての経済指標に目を通す必要はありません。為替相場が良く反応する主な指標に注意すればよいでしょう。
経済指標を見る時に注意点
●経済指標を見ると、「前年比」や「前月比」などが良く出ています。「前年比」は、前の年の同じ時期を比べるため、季節の違いをきにする必要がないというメリットがあります。「前月比」は前に月との比較であり、直近の動きがわかります。また、「前期比」というのもあり、これは四半期のことを指しており、経済指標でもよく見られます。
●「季調値」という言葉もよく出ますが、これは「季節調整値」の略語です。「季調値」は、経済指標の結果から季節の変化による影響を取り除き、データを経済の実勢に近い形に調整した値のことです。季節変動を含めたそのままの値を「原数値」とも呼びます。
●「名目値」と「実質値」という二つの数値もでますが、「名目値」は実際に取引された数値のそのものです。「実質値」はものやサービスの価格の変化の影響を取り除いた数値です。経済指標では「名目値」より「実質値」が重視される傾向がありますが、これは「実質値」の方が景気判断をするときにより錯覚を防げるからです。
●ほとんどの経済指標は発表される日時があらかじめ決められています。また、発表前にロイターやブルームバーグなど大手の情報会社は予想値を公表しています。この市場予想は経済指標の専門家とされるエコノミストなどが示した予測を取りまとめたものであり、指標の結果がこの市場予想と乖離が大きくなると、指標発表後に為替レートが大きく動くことがあります。実際の結果が市場予想よりも大きく良かった場合は、「ポジティブ・サプライズ」といい、逆に実際の結果が市場予想よりも大きく悪化した場合は「ネガティブ・サプライズ」といいます。
重要な経済指標
経済指標で際立って相場が動くのは重要度の高い指標です。
重要度が高い経済指標は、主に「雇用」「物価」「景気」「金融政策」の4種類となります。また、その時期によって注目度が違います。
世界一の経済大国である米国の経済指標は、世界中から注目され、基軸通貨のドル相場の動きに大きな影響を与えます。米経済指標で注目度が高い経済指標は、
・雇用統計(失業率などの雇用情勢に関する統計)
・ADP雇用統計(全米の非農業部門雇用者数の予測をするために開発された統計)
・国内総生産(GDP)(一定期間内に国内で産出された付加価値の合計金額)
・ISM製造業景況指数(製造業者の景況感を示す指数)
・FOMC(金融政策を決定する会合)が発表する政策金利などがあります。