利益を得る二つの方法
FXで利益を得るには二つの方法があります。まず一つ目が通貨ペアの売買、つまり買値と売値の差額による差益であり、これはキャピタルゲインとも呼びます。FX取引ではこれがメインとなります。もう一つは、通貨ペア国である二つの国の金利差によるスワップポイントを獲得する方法で、これをインカムゲインとも呼びます。
キャピタルゲイン(為替差益)
上のドル円を例に為替差益を見てみましょう。ドル円130.00円の時、日米の金融政策の違いを意識したドル高・円安の流れは続くと判断し、1万ドルのドル買い・円売りの取引をしたとします。ドル円が順調に上昇(ドル高・円安)し、137.50円の時に決済(ドル売り・円買い)すれば、1ドルにつき7.50円の利益を得ることになるので、7.5万円(=7.50円×1万)が為替差益となります。
反対にドル円が130.00円の時にこれからは金利差を意識したドル高・円安より世界景気後退懸念を背景としたリスクオフの円買いが優勢になると判断し、1万ドルのドル売り・円買いの取引を行ったとします。もちろん、3カ月・半年以降は125円、120円に下落し、利益が出る可能性がありますが、足もとで自分の判断と逆方向に進み、135円に上昇した時に一段の上昇を懸念したいったん損切り決済の行った場合は、130万円で1万ドルを売って135万円で買い戻したことになりますから、5万円の損が発生します。
また、日本のFX業者で差金決済は円で行われていますので、円以外の外貨同士の取引で生じた損益も円に換算されます。例えば、通貨ペアユーロ/ポンドをレートが0.8400ポンドの時、1万ユーロの買い(つまりユーロ買い・ポンド売り)を行い、レートが0.8900ポンドに上昇した時に決済したとすると、
(0.8900-0.8400)×1万=500ポンドの差益が出ます。この決済時、ポンド円のレートが160.00円(BID)だとすると、500×160.00=8万円の利益が確定されます。
インカムゲイン(スワップポイント)
スワップポイントは通貨ペアの金利差のことを指します。FX取引で金利の高い通貨を買って、金利の低い通貨を売ることでスワップポイントがもらえます。ドル円で見ると、ドルの金利が高く、円の金利が低いから、ドル円を買っておけばスワップポイントをもらえる一方で、ドル円の売りポジションを保有すれば金利の高いドルを売って金利の低い円を買ったことになるから、逆にスワップポイントを払わないといけません。
FX業者では高いスワップポイントを売りにしている業者も少なくありません。ポジションを持っているだけでコツコツと金利が貯まっていくのはFX取引の楽しみの一つかも知れませんが、個人的には「FXで本当に稼ぎたいならスワップポイントを無視すべき」と考えています。スワップポイントに関しては次回に詳しく説明します。