FXの特徴、「レバレッジ」
「レバレッジ(Leverage)」とは、テコの原理のことを指しており、FXでは証拠金として預けた資金の何倍もの金額の外国為替取引が可能となります。日本では2000年ごろからFX取引が急速に拡大し、当時は「高レバレッジ」がFX業者の売り文句でもあり、証拠金の100倍、200倍までの資金運用も珍しくありませんでした。当然、レバレッジが高ければ高いほど予想が当たった時の利益は大きいですが、予想が外れた時の損失も莫大になるわけです。
日本ではレバレッジが最大25倍まで
日本政府はレバレッジのデメリットとして大きな損失の発生から投資家を守る方針で、2010年からFX業者はレバレッジを25倍までにしか設定できないように法律で定めました。海外ではレバレッジが1000倍になっているFX業者もあります。ただ、ここまでレバレッジが高くなればある意味「ギャンブル」と認めざるを得ないでしょう。
1ドル=100円の時、レバレッジが1倍の場合1万ドルの取引に100万円が必要となりますが、レバレッジが25倍だと4万円で取引ができ、100万円の証拠金で2500万円分の取引が可能となります。
ハイリスク・ハイリターン
例:手持ち100万円、1ドル=100円から110円に上昇した場合
●1ドル=100円の時、ドル買い・円売り
レバレッジ1倍の場合、1万ドルの取引可能が可能。110円に上昇した時10万円の利益が出る。
レバレッジ25倍の場合、25万ドルの取引が可能。110円に上昇した時250万円の利益が出る。
●1ドル=100円の時、ドル売り・円買い
レバレッジ1倍の場合、1万ドルの取引可能が可能。110円に上昇した時10万円の損失が発生。
レバレッジ25倍の場合、25万ドルの取引が可能。110円に上昇した時250万円の損失が発生。
為替相場変動で必要証拠金の金額が変わる
レバレッジ25倍の場合、1ドル=100円の時に1万ドルの取引に4万円が必要証拠金となるが、1ドル=110円に上昇すれば1万ドルの取引に4.4万円が必要となります。
また、為替相場は予想外の材料で大きく変動する時も多く、FX業者はロスカットという仕組みを導入しています。ロスカットとは、ポジションの損失がある一定レベルに達したときに、さらなる損失の拡大を未然に防ぐために反対売買を行い強制的にポジションが決済される仕組みです。ロスカットはFX業者が設定した、証拠金維持率を下回ることで執行されます。レバレッジが大きくなればなるほど、その分ロスカットが実施される確率も高くなる傾向があり、保証金は余裕をもって用意する必要があります。今後の機会に、ロスカットについても詳しく説明します。