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第71回 国際収支と為替(2)

サービス収支

サービス収支(Service Balance)とは、国際収支のなかで、国内居住者と非居住者との間のサービスの取引(輸出入)を計上する勘定で、経常収支の一項目であります。

 

1.輸送:国際貨物、旅客運賃の受取・支払

2.旅行:訪日外国人旅行者・日本人海外旅行者の宿泊費、飲食費等の受取・支払

3.金融:証券売買等に係る手数料等の受取・支払

4.知的財産権等使用料:特許権、著作権等の使用料の受取・支払、などが含まれます。

 

貿易収支と合わせたものを「貿易・サービス収支」と呼んでいます。

 

サービス収支の見方も貿易収支と同じく、サービス収支の改善は外貨を自国通貨に換える需要が強まったことを意味し、自国通貨は上がりやすくなります。逆にサービス収支が悪化すれば外貨を自国通貨に換える需要が弱まり、自国通貨は上がりにくくなる、もしくは下がりやすくなります。

 

ただ、サービス収支の動向だけで為替相場に大きな影響を与えることはほとんどないです。多くの国でサービス貿易の規模はモノの貿易の規模よりはるかに小さいからです。

 

第一次所得収支

第1次所得収支とは、国際収支における経常収支の一項目で、居住者と非居住者との間の生産要素(労働、資本)の提供に対する報酬の収支であり、雇用者報酬、対外金融債権・債務から生じる利子・配当等からなります。

 

対外金融債権・債務から生じる利子・配当等には

1.直接投資収益:親会社と子会社との間の配当金・利子等の受取・支払

2.証券投資収益:株式配当金及び債券利子の受取・支払

3.その他投資収益:貸付・借入、預金等に係る利子の受取・支払、などが含まれます。

 

第一次所得収支が黒字の国は、海外の利子・配当の受け取りが支払いを上回っていることであり、外貨を自国通貨に換える需要が自国通貨を外貨に換える需要より強くなります。逆に第一次所得収支が赤字の国は、自国通貨を外貨に換える需要が外貨を自国通貨に換える需要より強くなります。

 

また、第二次所得収支とは、国際収支における経常収支の一項目で、居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支であります。具体的には、官民の無償資金協力、寄付、贈与の受払などが含まれています。

 

直接投資と間接投資

直接投資とは、海外で経営参加や技術提携を目的に行う投資のこと。現地法人の設立や外国法人への資本参加、不動産取得などを通じて行います。当該国では雇用の創出、技術移転などが期待できることから、特に開発途上国などで積極的な受け入れを行っています。

 

間接投資とは、経営参加を目的としない国際投資。直接投資とともに長期国際資本移動を構成すします。直接投資が海外における事業活動に対する経営参加を目的とした投資であるのに対して、間接投資は元本の値上がり益や利子・配当収入の取得を目的として市場を経由して行われる外国証券投資の形をとることが多いため、証券投資と呼ばれることもあります。しかし銀行の長期貸付、借款、輸出入に伴う長期延払い信用なども間接投資に含まれます。

 

直接投資、間接投資いずれの場合も、海外から自国に入る投資(資本流入)があれば、逆に自国から海外に向かう投資(資本流出)もあります。資本流入額が資本流出を上回る、つまり黒字の場合は、外貨を自国通貨に換える需要が強いです。逆に資本流入額が資本流出額を下回る赤字の場合は、自国通貨を外貨に換える需要が強くなります。

この連載の一覧
第93回 本間宗久が残した相場の極意
第92回 基軸通貨のドル、強い
第91回 外国為替相場制度
第90回 米長期金利とドル円
第89回 RBNZ政策金利とNZドル円
第88回 日銀、利上げに踏み切るも円安
第87回 日本、「金利のある世界」に向かう
第86回 豪中銀と政策金利
第85回 トランプ氏の再選リスク
第84回 加中銀とその金融政策
第83回 英中銀とMPC
第82回 ECBと理事会
第81回 FRB 、FOMC
第80回 人民元の基準値
第79回 円キャリートレード
第78回 日銀、1月会合でマイナス金利解除を見送るか
第77回 ドル円 ゆく年くる年(2)
第76回 ドル円 ゆく年くる年(1)
第75回 ポジションの偏り
第74回 ユーロ圏、厳しい財政ルール
第73回 米国の双子の赤字、ドル相場への影響は?
第72回 日本の貿易収支
第71回 国際収支と為替(2)
第70回 国際収支と為替(1)
第69回 円買い介入警戒感が続く
第68回 FXにも山・谷がある
第67回 FX、時間軸視点も大切
第66回 PPPよりかなりの円安
第65回 購買力平価説
第64回 米大統領選とドル相場
第63回 円の実質実効為替レート、50年ぶりの低水準
第62回 実質実効為替レート、通貨の強弱が分かる
第61回 FX取引には時間・季節も影響
第60回 プロと素人
第59回 相場に入る・離れるタイミング
第58回 FX、成功する人・失敗する人
第57回 外貨預金にも使えるFX取引
第56回 FXトレードスタイル(3)
第55回 FXトレードスタイル(2)
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【第51回 ドル・ユーロ・円、3大通貨に注目】
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【第49回 大局観下でのアプローチ】
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第42回 金利差拡大ならお金は金利の高い国へ
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【FX、やるならお得に】第12回 FXはゼロサムゲーム?
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【FX、やるならお得に】第10回 外国為替取引の中心はドル
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為替情報部 アナリスト

金 星

中国出身。横浜国立大学大学院卒業後、国内商品先物会社に入社。 外国為替証拠金取引会社へ出向し、カバーディール業務に携わりながら市況サービスも担当。 2013年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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