為替ディーラー
為替ディーラーは、為替相場で円、ドル、ユーロなどの通貨を売買する仕事。金融のエキスパートとして、顧客に代わって売買を行い、差益を生み出します。為替取引を専門とし、金融機関や商社など活発的に為替取引をする企業に属し、職業的に為替取引をします。専業的に行っている個人も含まれます。
「ディーラー」と呼ばれる職種には、為替ディーラーのほか、外貨の貸借の中で利ザヤを追求する「マネーディーラー」や、債券の売買を行う「債券ディーラー」などがあります。
2000年代になって、年金などの運用にも為替も一つの金融資産おして組み込まれるようになり、機関投資家にとっても為替の変動は運用成績に影響する大きな要因と一つとなっています。
為替差益で運用実績を出す為替ディーラーは為替レートが安定し、差益を出しにくい時はどうやって実績を上げるのでしょうか。三つの方法を紹介します。
為替レート安定時、ディーラーの取り組み
●取引量を増やす
為替レートが安定し、変動幅が小さく利益を出しにくい時、ディーラーは取引量を増やします。取引量を普段より何倍、何十倍増やす方法で変動幅が大きい時と同じ収益を狙います。また、この取引量の拡大が安定していた為替レートに動意をつける時もあります。
●新規市場、未開拓市場に向かう
メジャー通貨の変動幅が縮小すると、マイナー通貨の取引量が増える傾向があります。新興国通貨などマイナー通貨は不安定な政治、経済の影響を多く受けていることから敬遠されましたが、取引量は増える傾向にあります。市場の流動性が低く、値動きが激しいからリスクが大きいですが、取引量が増えつつあることで流動性が厚くなり、徐々にリスクが減少します。リスクの減少は通貨全体の取引量拡大につながり、その通貨の好循環を生み出します。最近は新興国通貨に関する情報も増えつつあります。
●通貨オプション
為替ディーラーが利益を上げるもう一つの方法は通貨オプションです。通貨オプション取引と言うのは通貨を売買する権利を売買することです。オプションの価格はプレミアムと言いますが、変動率(ボラティリティ)がプレミアムの大きな決定要因となります。一般的に為替レートの変動が大きくなれば、ボラティリティは高まり、プレミアムも高くなります。為替レートが安定すれば、ボラティリティは低下し、プレミアムも安くなります。
個人トレーダーにも強みはあるか
FX取引には為替ディーラーや機関投資家など多くの大口トレーダーが参加しています。この情報や経験が多く、資金力も強い大口トレーダー達と同じ市場で収益を目指す個人トレーダーに強みはあるのでしょうか。
自社の資金や顧客からお金を預かって資産運用を行う為替ディーラーと違って、個人トレーダーは自分のお金で運用しており、取引の制限や規定に差があります。もちろん、自由度が増えればその分リスクも多くなります。個人トレーダーは自分の資金を運用し、自己の資産の増加を目的としており、どんなタイミングでトレードしようと問題ありません。個人トレーダーには毎月のノルマや顧客からのプレッシャーがなく、大口トレーダーに比べると理的に安定して日々のトレードに望むことができます。もちろん、個人トレーダーは資金力が乏しく、必然的に損切りする幅が大口トレーダーよりも狭くなる傾向にあります。