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第96回 デイトレードの基本は順張り

デイトレード

デイトレード(day trading)は、、金融商品を1日の取引時間中に売買を完結させる日計り 取引のことです。主に株式・債券取引や外国為替証拠金取引(FX)、商品先物取引、差金決済取引 (CFD)、株価指数先物取引など市場流動性の高い取引において行われる事が多いです。

 

デイトレードの中でも、数秒-数分の間に数ティック上下しただけで売買および反対決済を成立させる手法をスキャルピング、更に短くミリ秒の単位の場合は高頻度取引(HTF)と呼びます。また、2日-数週間程度の短期的な持ち越しを行う手法はスイングトレード、それ以上の期間保有する場合は1年以下なら短期投資、1年超ならば中長期投資と呼びます。

 

デイトレードは、1日に1回もしくは複数回の取引を行い、細かく利益を積み重ねる売買手法であり、場合によっては1日で数百万円-数億円の損益が発生するなど、他のトレード手法と比べ即時性・ゲーム性・ギャンブル性および依存性が強いとされ、利益をあげ続けるためには高い熟練度を要します。

 

デイトレードの基本は順張り

1日以内で勝負を決めるデイトレードを行う上で重要なのは、その日の相場の方向性と値幅です。この2点を的確に見極めることができるかどうかが勝敗のポイントになり、取引の方向は自然的に「順張り」が基本となります。

順張り・逆張り

相場の方向性に沿って取引することを順張り、相場の方向性に逆らって取引することを逆張りといいます。たとえば、ドル/円相場で、ドル高の傾向にある場合に、「この先もドル高が続くだろう」という予測のもとにドルを買うのが順張りで、逆に「そろそろドル高も反転するだろう」という予測のもとにドルを売るのが逆張りです。

順張り

逆張り


なぜ順張りが有利?

デイトレードで順張りが有利と言うのは、短期的な取引で利益を上げるための効率が良いからです。デイトレードはその日にポジションを閉じることが前提となっており、限られた時間のなかで利益を狙うわけで相場の方向性に沿って早めに収益を確定させることが重要です。比較的に小さい値幅でも反対売買を行う必要があり、その意味では「目先の相場の流れについていく」ことが早く利益を上げる近道となります。

 

では逆張りで参入した場合はどうなるのかと言うと、自分が仕掛けた買い(売り)がその日の底値(高値)になるのは稀であります。時間の制約がデイトレードではやはり流れに沿った順張りを優先させるべきと考えます。

 欲張らず、損切りも早めに

その日、その取引時間帯の値幅想定によって利食いや損切りレベルの設定が変りますが、想定される値幅の限界まで相場を追い掛けるのではなく、程よく収益が積み合った段階で欲張らずにポジションをスクエアーにした方が良いでしょう。

 

また、デイトレードを行う上で、含み損をかかえるポジションを無理やり長くキャリーせず、1日の限られた値幅のなかで小刻みな売買によって小さな収益を積み重ねることにデイトレードの意義があります。その日のデイトレードは失敗に終わったとしても極力損失額を最小限に抑え、気を取り直して次の勝負に向かうことが大事です。

この連載の一覧
第121回 AI・FX取引
第120回 FX取引はギャンブルなのか
第119回 FXの確定申告
第118回 元キャリートレードの復活に注意
第117回 ドル円 8/1以来の150円台
第116回 ポンド、雇用・物価データの見極め
第115回 中国、景気支援策を強化
第114回 自民党総裁選、サプライズの結果に
第113回 景気回復が鈍いままの中国経済
第112回 最近の円相場、スキャルピング手法が有利か
第111回 最近主要国の金融政策(4)
第110回 最近主要国の金融政策(3)
第109回 最近主要国の金融政策(2)
第108回 最近主要国の金融政策(1)
第107回 投機筋、2週間以内での勝負多い
第106回 トランプVSハリス
第105回 来週の日銀会合、利上げは?
第104回 イベント・材料の認識から消化まで
第103回 経済指標の基本知識
第102回 勝つために情報本質の見極めは大事
第101回 押し目買いの罠
第100回 円安・円高の影響
第99回 円キャリートレードは正念場
第98回 ドル・ブル=ドル買いではない
第97回 ドル円 200円になったら
第96回 デイトレードの基本は順張り
第95回 ドル円、どこに向かうのか
第94回 FX、初心者に多い失敗例
第93回 本間宗久が残した相場の極意
第92回 基軸通貨のドル、強い
第91回 外国為替相場制度
第90回 米長期金利とドル円
第89回 RBNZ政策金利とNZドル円
第88回 日銀、利上げに踏み切るも円安
第87回 日本、「金利のある世界」に向かう
第86回 豪中銀と政策金利
第85回 トランプ氏の再選リスク
第84回 加中銀とその金融政策
第83回 英中銀とMPC
第82回 ECBと理事会
第81回 FRB 、FOMC
第80回 人民元の基準値
第79回 円キャリートレード
第78回 日銀、1月会合でマイナス金利解除を見送るか
第77回 ドル円 ゆく年くる年(2)
第76回 ドル円 ゆく年くる年(1)
第75回 ポジションの偏り
第74回 ユーロ圏、厳しい財政ルール
第73回 米国の双子の赤字、ドル相場への影響は?
第72回 日本の貿易収支
第71回 国際収支と為替(2)
第70回 国際収支と為替(1)
第69回 円買い介入警戒感が続く
第68回 FXにも山・谷がある
第67回 FX、時間軸視点も大切
第66回 PPPよりかなりの円安
第65回 購買力平価説
第64回 米大統領選とドル相場
第63回 円の実質実効為替レート、50年ぶりの低水準
第62回 実質実効為替レート、通貨の強弱が分かる
第61回 FX取引には時間・季節も影響
第60回 プロと素人
第59回 相場に入る・離れるタイミング
第58回 FX、成功する人・失敗する人
第57回 外貨預金にも使えるFX取引
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第55回 FXトレードスタイル(2)
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【第49回 大局観下でのアプローチ】
【第48回】大局観、身につけよう
【第47回】FX取引の投資資金
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第37回 米SVB経営破綻の為替相場への影響
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第34回 為替レートの安定は為替ディーラーに不利なのか?
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第31回 リスクオン・リスクオフ取引
第30回 注目度の高い経済指標
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【FX、やるならお得に】第12回 FXはゼロサムゲーム?
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【FX、やるならお得に】第8回 FX取引で大事なこと
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【FX、やるならお得に】第2回 そもそも為替って何?
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為替情報部 アナリスト

金 星

中国出身。横浜国立大学大学院卒業後、国内商品先物会社に入社。 外国為替証拠金取引会社へ出向し、カバーディール業務に携わりながら市況サービスも担当。 2013年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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