外貨運用は投資の一つの選択肢であり、銀行が取り扱う外貨預金もその一つです。外貨運用の金融商品サービスとしては外国債券(外債)、外貨MMF(マネー・マーケット・ファンド)などもありますが、近年は外貨運用手段としてFX取引が増えています。
外貨と経済は緊密な関係性を持っています。外貨、外貨運用と普段の生活は関係がないと思う人が少なくないかも知れませんが、外貨資産を持っておけば円安が進んだ時も外貨資産の価値が上がることで資産全体のマイナスを抑えることができます。
外貨運用の選択肢としてFX取引は外貨預金の代わりに使えるのだけではなく、適切に運用すればむしろ外貨預金よりいろいろメリットがあります。
FX取引VS外貨預金
・コスト
FX:取引に手数料がかからないFX業者が多く、コストはスプレッドになります。ドル円の場合スプレッドが1銭だとすると、1万ドルの取引コストは100円です。つまり1万ドルを買って決済した場合、コストは200円程度になります。
外貨預金:円を外貨に換えて預け入れる時と外貨を円に換えて引き出す時に、銀行はTTB(売値)とTTS(買値)を使います。例え、ドル円の仲値が100.00円だとしたらTTBは99.00円、TTSは101.00円となります。円を外貨に換えて預け入れる時にTTS、外貨を円に換えて引き出す時にTTBというレートを用いますので、1万ドルのコストは2万円になります。
・差損益を得るチャンス
FX取引の方が外貨預金より為替差益を得るチャンスが多いです。FX取引と外貨預金の大きな違いの一つがレバレッジであり、FX取引では少ない資金で大きな利益を狙うことが魅力です。
また、FX取引では土日を除いて24時間取引が可能であり、為替相場が大きく変動し予想以上に為替差益が得たときはいつでもポジションを解消し、利益を確定することができます。一方、外貨預金(普通預金を除く)は満期時、解約時を待たないといけないこと、銀行の営業時間帯などの制約を受けます。
・金利
外貨預金はお持ちの外貨の種類、その国の金利によって差がありますが、銀行に預けると利息を受け取ることができます。一方、FX取引ではスワップポイント(両通貨の金利差)が発生します。収益面で考えると、FXはレバレッジを効かせて運用すれば、外貨預金の利息よりも効率的にスワップポイントを得ることが可能です。
もちろん、投資は「ハイリスクハイリターン」であり、FX取引は外貨預金よりメリットは多いですが、相場が逆方向に動いたときは当然ながら外貨預金よりも損失は大きくなります。