配当利回りが高い銘柄と、株主優待としてクオカードももらえる銘柄は、投資先として特に人気が高いです。今回は、配当利回りが高いだけでなく、株主優待としてクオカードももらえると評判の「ファースト住建」と「萩原工業」の2銘柄について、どちらがお得なのか検証します。
ファースト住建(8917)
ファースト住建とは、関西地方を中心に、木造の戸建て分譲住宅を建設する不動産企業です。高品質でお手頃価格の住宅を販売することを強みとしており、関西の建売分譲住宅の販売でNo.1の実績を誇ります。
戸建て分譲住宅の建設のほかにも、戸建て注文住宅の建設や新規分譲マンションの販売、マンションリノベーション、賃貸マンションの運営、さらには火災保険など、不動産に関する様々な事業も行っています。
ファースト住建の株価と配当
2024年9月時点の株価は約1100円です。比較的株価変動が大きいのが特徴で、2008年の株価は約100円でしたが、10年後の2018年には株価が1800円を超えたこともありました。しかし、2024年に入ってからは、約1100円前後を推移しており、大きな変動波は発生していません。
2025年度の配当金は、4月末の中間配当で21円と10月末の期末配当で22円の年間1株当たり43円となる予想です。この金額は、2017年度から8期連続で同金額を維持しています。
ファースト住建の株主優待
株主優待は、毎年4月末と10月末の権利確定日に、100株以上の株式を1年以上継続して保有する株主に対して、株式の保有数に応じてクオカードもしくはギフト商品が贈呈されます。株式の保有数に応じて贈呈される株主優待内容は、下記の一覧表をご参考ください。
ファースト住建の配当利回りと推移
1株1100円で100株購入した場合、投資金額は11万円になります。配当金額は1株43円なので4300円もらえるため、配当利回りは約3.9%です。
2020年度から2024年度の配当利回りを、各年度の平均株価から算出すると、2020年度は約4.0%、2021年度は約3.6%、2022年度は約3.8%、2023年度と2024年度はともに約3.9%となります。毎年配当利回りだけで3%を超える高配当銘柄であることが分かります。
配当と優待を合わせた利回り
上記と同じ条件で購入した株式を1年以上継続して100株保有した場合、株主優待として年間1000円分のクオカードが贈呈されるため、配当と優待を合わせた利回りは約4.8%になります。
なお、1年以上300株保有した場合、株主優待として年間約4000円相当のギフトが贈呈されるため、利回りは約5.1%となり、より利回りが高いのは300株保有した場合です。
萩原工業(7856)
萩原工業は、ポリエチレンなどを原料とした「合成樹脂製品」と、製品を切断するスリッターなどの「エンジニアリング製品」を開発・製造・販売する企業です。合成樹脂製品には、防水用のブルーシートや建築現場の防音シート、防災シート、梱包用の粘着テープなどがあります。
萩原工業の株価と配当
2024年9月時点の株価は約1500円です。2015年までの株価は1000円を下回る価格でしたが、2016年頃から右肩上がりに上昇し、2017年には2000円を突破しました。2017年以降の株価は、約1000円から2000円の間を推移しており、比較的緩やかではあるものの、変動波は頻発しています。
2025年度の配当金は、4月末の中間配当で25円と10月末の期末配当で25円の年間1株当たり50円となる予想です。この金額は、2018年度から2019年度の34円、2020年度から2022年度の36円、2023年度の50円から7期連続で増配もしくは維持をしています。
萩原工業の株主優待
株主優待は、毎年10月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、株式の保有数と継続年数に応じて贈呈されます。株式の保有数と保有年数に応じて贈呈される株主優待内容は、下記の一覧表をご参考ください。
贈呈される株主優待は、オリジナルのカタログギフトとなっており、クオカードや自社製品など数種類のうちから自由に選択できます。3000円相当の商品を選択する場合、1000円相当のカタログギフトから3点を選択することも可能です。
株主優待の廃止
2026年10月の権利確定日分を最後に、株主優待が廃止されることが決定しています。今後は、株主優待を廃止した分、配当金を充実させることで利益を還元していくとのことです。
なお、株主優待が廃止されることにより、2024年10月末の権利確定分から投資を始めた場合、3年以上の継続保有が必要な株主優待を受け取ることはできません。
萩原工業の配当利回りと推移
1株1500円で100株購入した場合、投資金額は15万円になります。配当金額は1株50円なので5000円もらえるため、配当利回りは約3.3%です。
2020年度から2024年度の配当利回りを、各年度の平均株価から算出すると、2020年度と2021年度は約2.4%、2022年度は約3.1%、2023年度は約3.7%と徐々に配当利回りが高くなっています。株主優待が廃止される分、さらなる高配当に期待が高まります。
配当と優待を合わせた利回り
上記と同じ条件で株式を100株保有した場合、株主優待として年間1000円相当分のカタログギフトが贈呈されるため、配当と優待を合わせた利回りは約4.0%になります。
なお、株式の保有数と保有年数に応じた利回りの一覧は、下記の表をご確認ください。最も利回りが高くなるのは、3年以上継続して100株保有した時です。
まとめ
ファースト住建と萩原工業についてご紹介しました。ファースト住建の方が、配当利回りと優待利回りのどちらも高いですが、株主優待をもらうためには継続して1年以上株式を保有することが条件です。
長期保有を見据えて投資先を選ぶならファースト住建、すぐに高配当と株主優待が欲しいなら萩原工業を選ぶ方がお得かと思われます。