今回は地方で活躍する「ひろぎんホールディングス」と「大東銀行」を紹介していこうと思います。「ひろぎんホールディングス」は広島をはじめ中国地方で展開し、「大東銀行」は福島県を拠点に展開する地方銀行になります。
高利回りで安定した経営基盤を持っている点が特徴ですので、参考にしていただければと思います。
ひろぎんホールディングス(7337)
株式会社ひろぎんホールディングスは、広島銀行を中心に、銀行業務、リース、証券など多岐にわたる金融サービスの会社です。2020年10月に設立され、情報サービスや地域活性化、人事労務などの非金融関連コンサルティング会社も含め、地域総合サービスグループとしての機能を拡張しています。
顧客満足度の高いサービスの提供、グループ会社間の協力と業務効率化を通して地域密着の事業を展開しています。
ひろぎんホールディングスの2024年1月現在の株価は、約970円となっています。前期の同時期は650円台で推移していましたので、現在の株価は若干上がった形になっています。直近の上期(4-9月)の発表では、経常利益は前年同期比62.1%よりも増益の239億円となり計画の190億円を大きく上回っていました。更に下期(10-3月期)でも経常利益は155億円と増益する見込みとなっています。
ひろぎんホールディングスの株主優待
株主優待がもらえる権利確定月は3月の年1回になっています。100株以上を保有している株主に対して、ギフトカードが贈呈されます。
100株以上1000株未満の場合はギフトカードが送られてきます。また1000株以上の場合は、定期預金の金利が0.10%上乗せか、特産品カタログギフトを選択できる内容になっています。
またひろしま美術館招待券の他に抽選になりますが、広島東洋カープやサンフレッチェ広島の観戦チケットが当たる特典も付いてきています。詳しくは以下のイラストをご参考ください。
ひろぎんの株主優待は改悪された?
2022年1月28日に株主優待制度の一部を変更することを発表しています。以前は500株未満の保有でも2500円相当のカタログギフトが贈呈されていましたが、500円分のギフトカードに改悪されました。優待内容が変わったことで、総利回りも低下してしまった経緯があります。
ひろぎんホールディングスの利回り
配当は3月と9月の年2回実施され、前期の年間配当は27円となっていました。そして今期の年間配当は36円が見込まれています。
例えば1株970円で100株購入した場合、投資金額は約9.7万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は3600円になるので、配当金利回りは約3.7%となります。また100株保有した株主優待を含めた総利回りは、約4.2%になります。
大東銀行(8563)
株式会社大東銀行は、1942年に設立された福島県郡山市に本店を置く第二地方銀行です。2023年時点の総資産は8915億円、総預金は7994億円となっています。
地元密着型の営業で地域社会との強い結びつきが強く、顧客と良好な関係を築き、柔軟な発想と迅速な意思決定を持ち合わせ経済環境の変化に対応できる企業です。
投資信託や保険の販売の他に、VISAやMUFGカードなどのクレジットカード発行など、幅広い金融サービスも提供しています。
大東銀行の2024年1月現在の株価は、約760円となっています。前期の同時期も760円台で推移していましたので、同水準となっています。
今期の売上目標は前期より約1億円低い129億円になっています。4月から9月までの第2四半期(上期)の経常利益は、前年同期比19.4%低い12.4億円の減益となりました。しかしながら下期(10-3月)の経常利益は前年同期比38.2%高い6.5億円に増益する見込みとなっています。
大東銀行の株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2024年1月現在、権利確定月は3月の年1回です。100株以上保有している株主に対して定期預金の金利が年0.10%上乗せされる内容となっています。
大東銀行の利回り
配当は3月の年1回実施され、前期の年間配当は30円となっていました。そして今期も同額の年間配当30円の予定となっています。
例えば1株760円で100株購入した場合、投資資金は約7.6万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は3000円になります。配当金だけの利回りは約3.9%となっています。株主優待は金利上乗せですので、総利回りは割愛させていただきます。
大東銀行の将来性は?
大東銀行の純利益成長率は過去7年間でマイナス53.5%と減少し、業界内での売上高ランキングは100位となり、平均よりやや下位に位置しています。
大東銀行をはじめとした地方銀行は現在のマイナス金利政策の影響を受けており、将来的に経営統合の可能性があると見られています。
地域密着型事業に大きな強みを持つ大東銀行ですが、今後は、大手金融機関と更に激しい競合に巻き込まれるかもしれません。利回りも高く積極的に株主還元を行っている大東銀行ですが、今後は統合などを視野に入れた経営方針のアップデートが必要になるかもしれません。
まとめ
今回は地域密着型の金融機関「ひろぎんホールディングス」と「大東銀行」について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
両銘柄ともに現株価では3%後半で、株価によっては4%も狙える内容になっています。さらに「ひろぎんホールディングス」は2期連続の増配となっており、「大東銀行」はこの数年間は配当維持となっています。盤石な経営基盤を持っているため安定した業績を維持できる銘柄ですので、大手都銀だけでなく地方の金融機関も投資先として視野に入れてみてはいかがでしょうか?