1月に決算を迎える「トーホー」と「Casa」は、高い配当金だけでなく、株主優待も受け取ることができます。今回は、「トーホー」と「Casa」について詳しく説明するとともに、どちらに投資をするほうがよりお得かを検証します。
トーホー(8142)
トーホーは、国内外の業務用食材を調達し、ホテルやレストラン、給食、テーマパークなど様々な企業向けに対して販売を行う業務用食品専門の卸売業者です。また、個人でも利用できる業務用食品専門店の運営や、飲食店などを対象にした、メニューの開発や提案、物流システムの構築、店舗改装の設計なども行っています。
2024年度の売上高は約2450億円、経常利益は約78億円の実績でした。2025年度は売上高が約2460億円とやや増収となるものの、経常利益は約75億円とやや減益になる予想です。
トーホーの株価
2024年11月時点の株価は約2800円です。株価の変動波自体はゆるやかで頻度も少ないですが、2017年に約3000円だった株価が2022年には約1000円まで下落するなど、大幅な変動が見られます。
トーホーの株主優待
トーホーの株主優待は、毎年1月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、株式の保有数と保有年数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、「寄附」「お買い物券」「商品」の3種類から選択可能です。
「お買い物券」コースでは、一部を除くトーホーが運営する「A-プライス」などの業務用食品専門店で利用できるお買い物券が贈呈されます。また、「商品」コースの内容は、トーホーが提供する商品の詰め合わせです。
株式の保有数と保有年数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
トーホーの配当と配当性向の推移
2025年度の配当金は、7月末の中間配当で55円と1月末の期末配当で55円の、年間1株当たり110円となる予想です。この金額は、2021年度の無配当、2022年度の5円、2023年度の35円、2024年度の90円から4期連続で増配となっています。
配当性向の推移は、2021年度が約0%、2022年度が約16%、2023年度が約37%、2024年度が17%の実績でした。配当性向は特別高い水準ではありませんが、2023年度以降、配当性向を上げて配当金額を増やしていることが分かります。
トーホーの利回り
1株2800円で100株購入した場合、投資金額28万円になります。配当金額は年間1株当たり110円のため11000円となり、配当利回りは約3.9%です。
また、株主優待として年間5000円相当分のお買い物券が贈呈されるので、優待利回りは約1.8%、配当と優待を合わせた利回りは約5.7%になります。株式の保有数と継続年数に応じた利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。最も利回りが高くなるのは、200株または400株を1年以上継続して保有した時です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は0%、2022年度は約0.3%、2023年度は約2.5%、2024年度は3.4%でした。配当利回りは年々上がってきています。
Casa(7196)
Casaは、賃貸住宅を契約する入居者向けの保証人サービスや家賃保証などを行う企業です。また、賃貸住宅オーナーへの経営サポートや家賃管理の代理の他、不動産会社に業務効率を改善するサービスを提供するなど、様々な事業を展開しています。
2024年度の売上高は約112億円、経常利益は約9.6億円の実績でした。2025年度は売上高が約121億円に増収となるものの、経常利益は約9.3億円とやや減益になる予想です。
Casaの株価
2024年11月時点の株価は約850円です。比較的株価変動が大きく、700円台から1600円台まで急上昇と下落を繰り返したことがあります。
ただし、2022年以降の株価は、800円から900円の間で推移しており、短期的にみると小さな変動を頻繁に繰り返していますが、中期的に見るとほぼ横ばいとなっています。
Casaの株主優待
Casaの株主優待は、毎年7月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、株式の保有数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、クオカードです。
株式の保有数と保有年数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
Casaの配当と配当性向の推移
2024年度の配当金は、1月末の期末配当において、年間1株当たり30円となる予想です。この金額は、2021年度から4期連続で同じ金額を維持しています。
配当性向の推移は、2021年度が約50%、2022年度が約46%、2023年度が約117%、2024年度が約50%の実績でした。配当性向は50%を超える年が多く、利益の大半を株主に還元していることが分かります。
Casaの利回り
1株850円で100株購入した場合、投資金額8.5万円になります。配当金額は年間1株当たり30円のため3000円となり、配当利回りは約3.5%です。
また、株主優待として年間1000円分のクオカードが贈呈されるので、優待利回りは約1.2%、配当と優待を合わせた利回りは約4.7%になります。株式の保有数に応じた利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。最も利回りが高くなるのは、100株を保有した時です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約2.6%、2022年度は約3.1%、2023年度は約3.6%、2024年度は約3.5%でした。毎年安定して3%前後の配当利回りが継続しています。
まとめ
今回は、「トーホー」と「Casa」についてまとめました。
配当と優待を合わせた利回りがより高いのは「トーホー」なので、トーホーに投資をするほうがよりお得だと言えます。ただし、Casaと比較すると、配当利回りが安定しておらず、株価変動によるリスクが高い傾向にあるため、投資の際はリスクを慎重に考慮することが大切です。