海運業の株式は配当金が高いものが多く、中でも日本郵船と商船三井は高配当株ランキングのトップです。そんな日本郵船と商船三井に投資するとしたら、どちらがお得なのでしょうか?それぞれの特徴をまとめました。
日本郵船(9101)
日本郵船とは日本の大手海運会社で、定期船や物流のほか、不動産業や飛鳥クルーズなどの客船事業も行っています。日本郵船の配当金がもらえる権利確定日は9月と3月の年2回で、2022年11月現在の株価は約2700円です。2020年頃までは平均1株1000円以下でしたが、海運業にバブルが到来したことから、2021年以降株価が急上昇しています。
2022年は約2600円から約3800円の大きな変動を何度も繰り返しています。2022年10月に株価が急落していますが、これは9月の権利確定日が過ぎたことと、10月に1株を3株に株式分割したことが重なり売り注文が増えたためだと予想されます。
日本郵船の株主優待
日本郵船では、100株以上保有している株主に対し、飛鳥クルーズの料金が1名10%割引になる優待券が株式の保有数に応じてもらえます。優待券をもらうためには、株主総会などの書類とともに郵送される優待割引券請求はがきから請求申請することが必要です。
日本郵船の利回りは?
2022年の配当金は、1株あたり483円でした。こちらも、2020年の配当金が1株あたり13円、2021年は67円だったことから比べると急上昇しています。2023年の実質予想も2年連続1株あたり483円の高配当となっています。
例えば1株2700円で100株購入した場合、投資金額は27万円で配当金は48300円です。利回りは約17.9%と、3%を超えれば高利回りとされる株式市場でかなりの高利回り銘柄となっています。
商船三井(9104)
商船三井とは、創業130年を超える大手海運会社で、輸送船事業だけでなく、エネルギー事業や客船事業など海運や船舶に関する事業を幅広く行っています。日本郵船と同じく、配当金がもらえる権利確定日は9月と3月の年2回です。
2022年11月現在の株価は約3000円です。2020年頃まで1株約1000円前後でしたが、海運業バブルの影響で日本郵船より少し早い2020年中頃から株価が急上昇しており、2022年に入っても小さな変動波を繰り返しながらも緩やかな上昇を続けています。
商船三井の株主優待
商船三井では、100株以上保有している株主に対し、にっぽん丸クルーズの料金が割引になる優待券が年2回株式の保有数に応じてもらえます。乗船ごとの1名2枚まで優待券を利用でき、1枚利用で10%割引、2枚利用で20%割引されるシステムです。ただし、30日以上のクルーズは優待券1枚につき3%割引となります。
商船三井の利回りは?
2022年の配当金は、1株あたり400円でした。2020年の配当金が1株あたり22円、2020年は50円だったことから比べると、2021年以降株価の上昇に伴い配当金も大幅に増えています。さらに株価が2022年以降も緩やかな上昇を続けていることから、2023年の予想配当金は1株当たり550円とさらに増配される予想です。
2023年の配当金が予想通りだった場合の、今現在商船三井の株式を1株3000円で100株購入したとする利回りを計算してみました。投資金額は約30万円で来年もらえる配当金は55000円となり、利回りは約18.3%の超高利回り銘柄となります。
利回りを考えるなら商船三井がおすすめ
日本郵船と商船三井の株式は、どちらも利回りが約18%前後の超高利回り銘柄です。2つの銘柄の配当金から利益を比較すると、どちらも100株購入した場合、商船三井の方が年間の配当金が約6700円多くもらえます。
配当金だけをみると商船三井の方がお得に見えますが、日本郵船よりも商船三井の株式の方が株価が高くなっています。三井商船の株式を100株購入するためには、日本郵船の株式を100株購入するよりも、約3万円ほど多い投資資金が必要です。
今後5年以上、現在と同額程度の配当金がもらえるのであれば、商船三井の方が投資先としてお得だと言えます。また、株価が下がり気味の日本郵船よりも、緩やかな上昇を続けている商船三井の方が今後さらに株価が上昇する可能性が高いかもしれません。
リスクを考えるなら日本郵船がおすすめ
日本郵船は海運業だけでなく、陸や空での輸送業も行っていますが、商船三井は海運業や船舶に関する事業がほとんどです。海運業だけでなく幅広い事業を行っている日本郵船の方が様々な分野で売り上げを獲得できるため、株価や配当金が大暴落しにくい傾向にあります。
海運業のバブルは崩壊したのでは?と予想されている現在、海運業メインの三井商船はバブル崩壊の影響を大きく受ける可能性があります。さらに、商船三井は日本郵船に比べて1株あたりの株価が高いので、今後株価が下がったり配当金が減額されたりするリスクに注意が必要です。
まとめ
日本郵船と商船三井の特徴から、どちらが投資先としてお得なのかまとめました。今現在の株価や利回りからより高利回りの商船三井を選択するのか、今後の状況を考えて長期保有も可能な日本郵船を選択するのか、どのような投資がしたいのか基準を明確にしたうえで投資先として検討してみてはいかがでしょうか。