商社の配当利回りは業界全体で高い企業が多いため、投資の入門者にも手堅く人気のある銘柄が多くなっています。今回は5大商社(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・丸紅・住友商事)の中から、三菱商事株式会社をピックアップし紹介していこうと思います。
三菱商事(8058)
商社と言われてもどんな事業を行っているかイメージしにくいですよね。業種は幅広く経営しているのですが、三菱商事の場合は世界の天然資源の流通確保から食品関連の事業、自動車や様々産業に関わっています。皆さんが使われるコンビニの「ローソン」もこちらの傘下で運営されています。
配当金がもらえる権利確定日は9月と3月の年2回で、2023年5月末の株価は約5500円になっています。2020年頃は2000円台をつけていましたが、2021年から上昇しています。今年の年初に4000円台をつけていましたが、直近では急騰し5000円を大幅に超えた株価をつけてきています。
これは5月中旬に自社株買いと今期の増配計画が発表されたことと、日経平均株価の底上げも助長したことで、連日高値が更新されていました。
また株主優待ですが、残念ながら行われていません。商社の業種では優待は行われていないのが一般的なのですが、もしローソンで使用できるポイントなどの特典があれば嬉しいですよね。
三菱商事の配当
前期の2023年3月の決算では、売上高は21.5兆円となり純利益では初の1兆円を超える1.18兆円となりました。しかしながら今期(24年3月)の見通しでは、売上高は20兆円を切ることが予想されています。また最終利益も9200億円の減益になる見通しとなっています。
2022年(2023年3月期)の配当金は、1株あたり年間で180円でした(中間配当77円/期末配当103円)。2021年以前は1株あたり年間130円-150円台でしたが、2017年より前期に至るまで連続して増配が行われており、今期9月の中間配当では100円、年間配当で200円と予想されています。
例えば1株5500円で100株購入した場合、投資金額は55万円で配当金は年間20000円です。利回りは約3.6%となります。5月の高値更新の影響で利回りの数値が一見悪くなっているように見えます。4月の株価ベース(約5000円)ですと4%になっていたことを考えると見劣ってしまいますが、それでも3%を超えているので高利回り銘柄になっています。
投資初心者におすすめの理由
①高配当で長期安定の銘柄
三菱商事の銘柄をおすすめできるポイントは、やはり高配当銘柄で、増配を継続している点にあります。2025年3月期まで原則として減配(配当を減らすこと)はせず、現状維持か増配を行う「累進配当」を継続することを発表しています。
この点は長期保有を考える点で大きなメリットだと思います。前期の売上や利益が良かった分、今期は悪くなる見通しですが、5月後半からの高値更新を継続していることで投資家の人気ぶりが伺えます。
②ウォーレン・バフェットも大注目の三菱商事銘柄
ウォーレン・バフェットさんの名前を耳にされたことはありますでしょうか?投資の世界では神様のように崇められている方で、この方が保有することを発表するだけで世界からお金が集まりその株価が上昇すると言われています。
三菱商事の株購入は2020年に発表されたのですが、その時点での株価は2500円でした。現在2倍以上の株価になっていることを考えると、実際にその先見の明は凄いものですね。
③三菱商事の株価分割の噂
また100株単元で購入ができますが、最低投資額55万円以上になってしまいます。そこで噂されているのが株価分割の話です。 東京証券取引所では、50万円以上の投資単位で売買が行われている場合、50万円未満になるよう投資単位の引き下げの要請が行われています。
これは、少額の投資でも参加しやすくするためです。高利回りで人気の銘柄といっても、高値すぎて投資家の手が出せなくなっては企業側も意味がありませんからね。
三菱商事は現在50万円以上の投資単位になっているので、この株価が続けば株式分割の発表が予想されており、今年度終了後の決算報告の頃に株式分割の発表が行われる可能性があるのではと言われています。また2024年から新NISAが開始するのですが、少額での分散投資の対象になることもこの話を助長させているようです。
ただし現在の50万円以上の株価は一時的なことかもしれませんので、あくまでも噂話として受け取っていただければと思います。
まとめ
今回は長期保有におすすめの三菱商事について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?高配当で株価も右肩上がりだったら比較的手を出しやすい銘柄かと思います。ただ5月後半から株価の急騰で投資金額は大きくなっています。その分、下落した際も変動も受けてしまいますので、購入のタイミングの見極めは必要かもしれません。