今回は半導体関連の「東京鐵鋼」と「菱洋エレクトロ」について解説していこうと思います。日本の半導体業界は一時期、減少傾向でしたが2021年頃から市場規模が増加し2024年以降もプラス成長の見通しとなっています。
特に「菱洋エレクトロ」は業界再編を見据えて、来期は合併でのスタートなり、一時的に増配も予定されています。長期投資にも有効なこれらの銘柄について参考にしていただければと思います。
東京鐵鋼(5445)
東京鐵鋼株式会社(東京鉄鋼)は、栃木県小山市に本社を置く鉄筋コンクリート用棒鋼の製造・販売を行う鉄鋼メーカーです。主力商品は高張力ネジ節棒鋼「ネジテツコン」で、特徴は表面がネジ状になっており、高層の建築を含む多くの建築物に使用されています。
棒鋼部門の他に、機械式継手や砕石、廃自動車・廃家電などの処理も取り組んでおり、鉄筋が高強度であれば、それを繋ぐ機械式継手も高強度でなければならないという理念のもと、建設業界での存在感は大きいのが特徴です。
製品開発から技術提案、製造、品質管理、施工フォローに至るまで、顧客に寄り添い、トータルでサポートできることが強みであり、また最先端技術を取り入れ国内シェアはトップレベルの企業になります。
東京鐵鋼の2024年1月現在の株価は約4400円となっています。前期の同時期は1500円台で推移していましたが、大幅に上昇しています。元々減益の見積もりが立てられていたところに、前期比49.2%増の大幅な増益見通しとなったことが好材料となり大きく株価を伸ばしています。
東京鐵鋼の株主優待
株主優待がもらえる権利確定月は3月の年1回になっています。保有数に関わらず100株以上を保有していると、QUOカードが贈呈される内容になっています。額面も統一されており2000円相当となっています。
東京鐵鋼の利回り
配当は3月と9月の年2回実施され、前期の年間配当は110円となっていました。そして今期の年間配当は200円が見込まれています。実現すれば90円の増配と大きく上乗せされる形になります。
例えば1株4400円で100株購入した場合、投資金額は約44万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は2000円になるので、配当金利回りは約4.5%となります。また100株以上を保有した場合の株主優待2000円相当を含めると、総利回りは約5.0%となります。
東京鐵鋼の配当はいつ?株主優待はいつ届くのか?
3月末の場合は、配当金権利付き最終売買日は2024年3月27日になっています。9月の中間配当の場合は2024年9月26日になります。また、株主優待は6月頃に発送される予定となっています。
菱洋エレクトロ(8068)
菱洋エレクトロ株式会社は、半導体関連製品やサーバー、パソコンなどの情報通信関連機器の販売、医療・介護向けシステムや技術サービスを提供を行う三菱電機系の企業です。
半導体デバイスやICT製品の一貫した販売と技術サポート、米インテルなど外国製半導体への特化、デバイスからクラウド、アプリまで提供できる能力、テレビ向け半導体への強みなどが挙げられます。
ICT分野とIoT分野に注力し、三菱電機系の大手半導体商社として、デバイスからクラウド、アプリまで幅広く提供する能力を持ち合わせている会社になります。
東洋機械金属の2024年1月現在の株価は、約3700円となっています。前期の同時期は2300円台で推移していましたが、株価を大きく上げている状況です。
2023年5月に発表された第1四半期では、売上高は1200億円から1280億円(現在は1500億円)に引き上げられ、最終利益は55億円から75億円(現在は72億円)の見通しとされました。この発表をきっかけに年間を通して株価を押し上げている状況になっています。
菱洋エレクトロの株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2024年1月現在、権利確定月は3月の年1回です。500株以上保有している株主に対して、3000円相当のギフト商品と会員限定優待サービスが贈呈されます。
会員限定優待サービスは、提携ホテルの利用料が最大80%になったり、遊園地・テーマパークの割引、スポーツクラブの利用料の割引などが特典として付いてきます。
菱洋エレクトロの利回り
前期の年間配当は110円となっていました。そして今期は150円高くなっていましたが、経営統合に伴う決算期間の延長(14ヶ月)で年間配当180円の予定となっています。(詳しくは後述の上場廃止についてご確認ください)
例えば1株3700円で100株購入した場合、投資資金は約37万円ほど必要となり、年間で受け取れる配当金は18000円になります。配当金だけの利回りは約4.8%となっています。また100株を満保有した場合のギフト商品3000円相当を含めると、総利回りは約5.7%となります。
菱洋エレクトロの上場廃止について
菱洋エレクトロと株式会社リョーサンは、2024年4月に両社の統合により新たな持ち株会社「リョーサン菱洋ホールディングス」を設立することを発表しています。
株式交換比率は、菱洋エレクトロの株式1株に対して新会社の株式1株、リョーサンの株式1株に対して新会社の株式1.32株となります。両社は来年の2023年3月28日に上場廃止となり、新会社は2024年4月1日に上場する予定となっています。
更に、経営統合に伴って決算期は1月から3月に変更され、配当予想と株主優待制度の見直しも行うと発表されました。今期の決算は、2023年2月から2024年3月までの14ヶ月間となっていますので、業績や決算書を確認する際はご注意ください。
まとめ
今回は半導体関連製品を取り扱う「東京鐵鋼」と「菱洋エレクトロ」について紹介しましたが、いかがだったでしょうか?両銘柄とも大きく株価を押し上げていながら5%前後の利回りとなっています。
特に「菱洋エレクトロ」の上場廃止に伴い、決算月が14ヶ月のため2024年3月末配当は大きく増配される形になります。また業界としても半導体関連は継続的な安定需要が見込まれていますので、投資先として検討してみてはいかがでしょうか?