私の生活の中ではあまり馴染みはないかもしれませんが、連続増配で毎年堅調な業績を上げている企業があります。特に工業製品系の企業の中には高配当と増配を繰り返している銘柄もありますので、今回はその中から「泉州電業」と「巴工業」について紹介していこうと思います。
泉州電業(9824)
泉州電業株式会社は、電線の総合商社として1947年にスタートし、現在は電線、光ファイバ、ネットワーク関連事業、情報・通信システムの開発やコンサルティング、電子機器の製造・販売、電気・空調工事、家電や事務用機器の販売・据付、そして不動産賃貸業まで幅広く手掛けています。
特に、電線加工やネットワーク工事とシステムソリューションを組み合わせる総合力が同社の強みになっています。国内17の拠点と海外6の拠点でビジネスを展開しており、1997年には情報通信事業部を設立しています。
泉州電業の2023年10月現在の株価は、約3400円となっています。2020年頃までは1400円台で推移していましたが、年間を通して上昇し、当時と比べると倍以上の株価になっています。更に10月の決算に向かっていることもあり、現在の株価は高値圏に位置しています。
泉州電業の株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2023年10月現在、権利確定月は10月の年1回です。100株以上保有する株主に対して、クオカードが贈呈されます。1年未満保有の場合は、1000円相当分となり、1年以上保有では2000円相当分となっています。
泉州電業の利回り
配当金がもらえる権利月は4月と10月の年2回です。今期の4月の中間配当は50円、期末予想も50円で、年間配当は100円の見込みです。2022年は1株から2株へ株価分割が行われており調整後の金額になりますが、前期は年間配当70円となっていました。一昨年前から増配を行なっていますので、今期も連続増配の見込みとなっています。
例えば1株3400円で100株購入した場合、投資金額は約34万円が必要となり年間で受け取れる配当金は10000円になります。配当金の利回りは約3.0%の利回りとなります。また100株以上保有した場合は、クオカードの株主優待が付いてきますので、1年保有の時の総利回りは、約3.2%になり、1年以上保有の場合は、約3.5%となっています。
巴工業(6309)
巴工業株式会社は、東京都品川区に本社を持ち、遠心分離機の製造販売(機械事業)と化学工業製品の輸入販売(化学品事業)の2つの事業をメインに展開しています。
1941年の設立以来、米国との技術提携を背景に分離機器の製造をはじめ、現在では環境、食品、エネルギー、医療など様々な産業を運営しています。化学品事業では、鉱産物からレアメタルまで幅広く取り扱い、半世紀以上の経験をもとに高い技術力と品質でニーズに応えている企業です。
巴工業の2023年10月現在の株価は、約3000円となっています。今年の年初は2300円台で推移していましたが、6月以降、急騰し更に10月の決算に向かって現在は高値圏に位置している状況です。
巴工業の株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2023年10月現在、権利確定月は10月となっています。
100株以上を保有している株主に対して、ワインが1本贈呈されます。このワインは巴工業の関連会社が取り扱う商品となっています。
巴工業の利回り
配当金がもらえる権利月は4月と10月の年2回です。前期の中間配当は25円、期末配当は28円で年間で53円となっていました。今期の中間配当では40円の実績となり、期末も同額の40円、年間80円の配当になる見込みになります。当初の予想から24円の増配予定になり、ここ数年連続増配が行われている状況です。
例えば1株3000円で100株購入した場合、投資資金は約30万円ほど必要となり、年間で受け取れる配当金は8000円になります。配当金の利回りは約2.7%となっています。また100株以上保有した場合は、株主優待が付いてきますが、オリジナル商品のため優待利回りについては、割愛させていただきます。
まとめ
今回は増配が見込める2つの銘柄について紹介しました。「泉州電業」は2022年度に株価分割を行なっていますが、現在も株価は上昇しながらも3%の配当を超えている状況です。
一方、「巴工業」は株価上昇に伴い3%の利回りを現在は割り込んでいますが、10月の決算以降は株価の調整が入る可能性もあります。いずれも業績は堅調のため、次期も増配を期待できる銘柄ですので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?