高配当株を選ぶ際に多くの投資家が注目するのが、「安定した業績」と「継続的な配当の実績」です。今回は、配当利回りが右肩上がりを続けている「オオバ」と「コーセル」の2銘柄について、安定した魅力をご紹介します。
オオバ(9765)
オオバは、まちづくりや自然環境、インフラ整備などを目的とした、計画・測量・設計・区画整理などを行う建設コンサルタントです。また、ICT技術を活用した地理情報システムの開発や不動産を所有する個人向けのコンサル事業なども行っています。
2024年度の売上高は約165億円、経常利益は約19億円でした。2025年度は売上高が約175億円、経常利益は約20億円とどちらもやや増収・増益となる予想です。
オオバの株価は安定傾向
2025年4月時点の株価は約1000円です。2012年まで約200円だった株価は、株価変動を繰り返しながら右肩上がりを続け、2024年には約1100円まで上昇しました。年間を通じて何度も変動が発生しているものの、その変動幅は小さく、株価変動は比較的安定していると言えます。
オオバの株主優待
オオバの株主優待は、毎年5月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対して、株式の保有数および保有年数に応じて贈呈されます。贈呈される内容は、クオカードです。なお、オオバの株主優待は、今期2025年5月贈呈分から拡充されています。
また、保有年数に関わらず、5000株以上保有する株主には、11月末の権利確定日にショコラボのチョコレートが追加で贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、下記のイラストをご確認ください。
オオバの配当金は連続増配
2025年度の配当金は、11月末の中間配当で20円、5月末の期末配当で22円の、年間1株当たり42円となる予想です。この金額は、2020年度の14円、2021年度の15円、2022年度の23円、2023年度の24円、2024年度の37円から、5期連続で増配しています。
オオバの配当性向は安定
オオバの配当性向は、2021年度が約29%、2022年度が約34%、2023年度が約36%、2024年度が約44%と推移しています。配当金の増配に伴い配当性向も高くなっていますが、毎年約40%前後となっており、比較的安定した配当が行われていることが分かります。
オオバの利回り
1株1000円で100株購入した場合、投資金額は10万円になります。配当金額は年間1株当たり42円のため4200円となり、配当利回りは約4.2%です。なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約2.0%、2022年度は約3.0%、2023年度は約3.3%、2024年度は約3.9%でした。
また、1年以上保有した場合、株主優待として年間500円分のクオカードが贈呈されるため、配当と優待を合わせた利回りは約4.7%になります。保有年数が3年以上の場合は約5.2%です。株式の保有数と保有年数に応じた、配当と優待を合わせた利回りは下記の一覧表をご確認ください。
コーセル(6905)
コーセルは、多くの電子機器に組み込まれている「直流安定化電源装置」を製造・販売する電気機器メーカーです。標準電源の市場シェアでは全国1位を誇り、電源装置以外にも、電子機器をノイズから保護する「ノイズフィルタ」の販売も行っています。
2024年度の売上高は約414億円、経常利益は約79億円でしたが、2025年度は売上高が約292億円、経常利益は約13億円と予想されています。2022年度以降、右肩上がりに業績を伸ばしていましたが、2025年度は大幅な減収・減益となる見込みです。
コーセルの株価は激しく変動
2025年4月時点の株価は約1000円です。過去20年間の株価は約700円から約2700円の間で何度も大きな株価変動が発生しており、株価変動が激しい特徴が見られます。直近では、2022年から2024年にかけて約700円から約1600円まで上昇し、その後現在まで右肩下がりが続いています。
株主優待
コーセルの株主優待は、2025年4月時点で実施されていません。
コーセルの配当金は連続増配
2025年度の配当金は、11月末の中間配当で27円、5月末の期末配当で28円の、年間1株当たり55円となる予想です。この金額は、2021年度の17円、2022年度の26円、2023年度の32円、2024年度の54円から、4期連続で増配しています。
コーセルの配当性向は安定
コーセルの配当性向は、2021年度が約55%、2022年度が約47%、2023年度が約34%、2024年度が約35%と推移しています。配当金は増配傾向にあるものの、配当性向は年々低くなっており、無理な増配ではなく、業績に見合った安定した配当が行われていることが分かります。
コーセルの利回り
1株1000円で100株購入した場合、投資金額は10万円になります。配当金額は年間1株当たり55円のため5500円となり、配当利回りは約5.5%です。なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約1.6%、2022年度は約2.9%、2023年度は約3.3%、2024年度は約4.1%でした。
まとめ
今回は、オオバとコーセルについてご紹介しました。
オオバは連続増配と長期保有特典のある株主優待が魅力です。さらに、公共性の高い事業を軸に、業績と株価が比較的穏やかに推移しているため、将来的にも安定感があります。長期保有を見据えた投資先としてぜひとも検討をおすすめしたい銘柄です。
また、コーセルは株価変動は大きいものの、無理のない範囲での連続増配を実現してきた配当の安定力があります。ただし、現時点で中国の経済状況や医療機器の需要低迷などから市場が縮小しており業績にも影響が出ているため、将来性については今後の業績回復に期待が寄せられます。