2月に決算を迎える「オンワード」と「4℃」は、どちらも毎年高配当を維持している人気の銘柄です。今回は、2銘柄についてと、株主優待で自社ブランドの商品がもらえるという噂について、詳しくご紹介します。
オンワードホールディングス(8016)
オンワードホールディングス(以下、オンワード)は、「23区」や「any SiS」、「WEGO」などのブランドを展開するアパレル企業です。また、ユニフォーム制作、バレエ教室の運営やオーガニックヘアケア商品の開発・販売、ペット関連用品の販売、カタログギフトの発行、セールスプロモーションなど多岐に渡る事業を展開しています。
2024年度の売上高は約1900億円、経常利益は約101億円の実績でした。2025年度は売上高が約2100億円、経常利益が約122億円とどちらも増収・増益となる予想です。
オンワードの株価
2025年1月時点の株価は約600円です。2018年までの株価は約1000円前後で推移していましたが、2020年には新型コロナウイルスの影響などで約200円まで下落しました。約3年ほど低迷するものの、2023年に約300円から約600円まで回復し、その後は約600円前後を推移しています。
オンワードの株主優待
オンワードの株主優待は、毎年2月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、株式の保有数と保有年数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、公式通販サイトで利用できる20%割引券および自社商品カタログギフトです。
株式の保有数と保有年数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
オンワードの配当と配当性向の推移
2025年度の配当金は、2月末の期末配当にて、年間1株当たり26円となる予想です。この金額は、2023年度の12円、2024年度の20円から2期連続で増配となっています。
配当性向の推移は、2021年度が-約7%、2022年度が約19%、2023年度が約53%、2024年度が約41%の実績でした。配当性向に一貫性はなく、利益水準に関係なく配当金が設定されていることが推測されます。
オンワードの利回り
1株600円で100株購入した場合、投資金額は6万円になります。配当金額は年間1株当たり26円のため2600円となり、配当利回りは約4.3%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約4.0%、2022年度は約3.8%、2023年度は約4.2%、2024年度は約4.3%でした。配当利回りが毎年約4%前後と高い水準になっています。
また、1000株以上の株式を1年以上継続して保有すると、カタログギフトが贈呈されます。株式の保有数と継続年数に応じて贈呈される株主優待と配当を合わせた利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。
ヨンドシーホールディングス(8008)
ヨンドシーホールディングス(以下、4℃)は、若い女性向けジュエリーの企画から製造販売までを行う企業です。日常使いできるアクセサリーから結婚指輪まで取り揃えており、ブランドによってはお手頃価格で手に入るため学生にも人気があります。
また、ファッションブランド「パレット」を展開し、他アパレルメーカーからのOEM事業も行っており、ジュエリーショップは136店舗、アパレルショップは104店舗を展開しています。
2024年度の売上高は約395億円、経常利益は約25.1億円の実績でした。2025年度は売上高が約460億円に増収となるものの、経常利益は約25.0億円とやや減益になる予想です。
4℃の株価
2025年2月時点の株価は約1900円です。2012年までは1000円以下だった株価が、2013年か2015年の間に約3000円まで上昇しました。2015年から約5年間は、約2000円から約3200円の間で何度も株価変動を繰り返していましたが、2020年に約1700円まで下落します。
2020年以降の株価変動は、大きな変動もなく落ち着いており、約1700円から約1900円の間をほぼ横ばいで推移しています。
4℃の株主優待
4℃の株主優待は、毎年2月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、株式の保有数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、「クオカード」「お買い物券」「ジュエリー」「寄附」の4種類から選択可能です。
「お買い物券」は、対象店舗もしくは公式通販サイトにて利用できます。「ジュエリー」は4℃が厳選した自社ブランド商品の中から、毎年異なる商品が1点提供されます。
株式の保有数と保有年数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
4℃の配当と配当性向の推移
2025年度の配当金は、8月末の中間配当で41.5円と2月末の期末配当で41.5円の、年間1株当たり83円となる予想です。この金額は、2022年度から3期連続で同じ金額が維持されています。
配当性向の推移は、2021年度が約108%、2022年度が約119%、2023年度が約155%、2024年度が約137%の実績でした。毎年配当性向が100%を超えており、利益以上の金額が株主に還元され続けていることを示しています。
4℃の利回り
1株1900円で100株購入した場合、投資金額は19万円になります。配当金額は年間1株当たり83円のため8300円となり、配当利回りは約4.4%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約4.3%、2022年度は約4.6%、2023年度は約4.8%、2024年度は約4.4%でした。毎年4%以上の利回りが継続して配当されています。
また、株主優待として年間2000円相当分のお買い物券が贈呈されるので、優待利回りは約1.1%、配当と優待を合わせた利回りは約5.4%になります。株式の保有数に応じた利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。
まとめ
「オンワード」と「4℃」についてご紹介しました。
それぞれ株主優待にて、オンワードは自社商品のカタログギフトが、4℃は自社ブランドジュエリーがもらえます。また、毎年継続して4%前後の高い配当金ももらうことができるため、おすすめです。
ただし、配当性向がマイナスの年があったり、100%を超える水準が続いていたりするため、利益以上に高い配当金が支払われている状況です。これにより、配当金の維持が将来的に困難になる可能性や、それに伴い株価が下落する可能性が考えられます。投資先として検討する場合は、十分ご注意ください。