家電製品の温度センサーや、パソコンやスマートフォンなどの精密機器に組み込まれている「半導体」は、私たちの生活になくてはならないものです。そんな半導体の専門商社である「ミタチ産業」と「佐鳥電機」は、ともに配当金が今期増配する予想となっています。
ミタチ産業(3321)
ミタチ産業は、半導体や電子部品などを取り扱う商社です。商社でありながら、電気製品の製造請負や組込式の電気製品の販売、ソフトウェアの設計開発、商品製造ラインなどの設備機器の製造、IoTを活用したサービスの提供など、電気製品に関する様々な事業を行っています。
2024年度の売上高は約400億円、経常利益は約17億円の実績でした。2025年度は売上高は約2倍となる約800億円への増収、経常利益はやや増益となる約18億円ほどの予想です。
ミタチ産業の株価
2024年9月時点の株価は約1100円です。2020年の株価は約600円前後でしたが、2021年から2023年までの約2年間で、小さな変動を繰り返しながら、約1400円前後まで株価が上昇しました。
2024年に入ってからの株価は、小さな変動はあるものの、1000円から1200円ほどの間を、ほぼ横ばいで推移しています。
ミタチ産業の配当と配当性向の推移
2025年度の配当金は、11月末の中間配当で25円と5月末の期末配当で25円の、年間1株当たり50円となる予想です。この金額は、2024年度の45円から増額となっています。
配当性向の推移は、2021年度が約24%、2022年度が約22%、2023年度が約31%、2024年度が約29%の実績で、それほど高い水準ではありませんが安定して配当されています。
ミタチ産業の株主優待
株主優待制度は、2024年9月時点では実施されていません。
ミタチ産業の利回り
1株1100円で100株購入した場合、投資金額は11万円になります。配当金額は年間1株当たり50円のため5000円となり、配当利回りは約4.5%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約3.3%、2022年度は約4.6%、2023年度は約6.1%、2024年度は約3.9%でした。
2021年度と2024年度の利回りは4%を下回っていますが、3%を下回る年はなく、2023年度には利回り6%を超えています。このことから、毎年高い利回りの配当を実施している銘柄だと言えます。
佐鳥電機(7420)
佐鳥電機は、ミタチ産業と同じく、半導体や電子部品などを取り扱う商社でありながら、パソコンや制御製品などに関する様々な事業を行っています。事業内容は、主にオリジナル商品の製造や、システムの設計・開発、自動生産設備のシステム導入、機械製造の請負などです。
2024年度の売上高は約1480億円、経常利益は約36億円の実績でした。2025年度は売上高は約1540億円にやや増収、経常利益は約35億円にやや減益となる予想です。
佐鳥電機の株価
2024年9月時点の株価は約1900円です。2008年から2021年までの約13年間は、株価が1000円を下回る低迷期でした。
2021年後半から株価が右肩上がりで上昇し始め、2024年3月までの約2年半の間に株価が約1000円から約2600円まで値上がりしました。しかし、2024年3月以降の半年間は、再び株価が右肩下がりで下落しています。
佐鳥電機の配当と配当性向の推移
2025年度の配当金は、11月末の中間配当で40円と5月末の期末配当で46円の、年間1株当たり86円となる予想です。この金額は、2021年度の30円、2022年度の62円、2023年度の70円、2024年度の80円から、4期連続で増額となっています。
配当性向の推移は、2021年度が約95%、2022年度が約53%、2023年度が約51%、2024年度が約54%と、毎年かなり高い水準で配当されていることが分かります。
佐鳥電機の株主優待
株主優待制度は、2024年9月時点では実施されていません。
佐鳥電機の利回り
1株1900円で100株購入した場合、投資金額は19万円になります。配当金額は年間1株当たり86円のため8600円となり、配当利回りは約4.5%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約3.7%、2022年度は約6.5%、2023年度は約5.1%、2024年度は約4.0%でした。
2022年度以降は毎年4%を超える高い利回りとなっていますが、佐鳥電機は配当性向50%を目標としており、今後も高い配当利回りが期待できます。
まとめ
ミタチ産業と佐鳥電機についてご紹介しました。どちらも今期は配当金が昨年度よりも増額しており、配当利回りも約4.5%の高配当銘柄です。
増配した今期だけが高利回りというわけではなく、毎年高い水準で配当が行われており、今後も高配当が期待できますので、ぜひ投資先として検討してみてはいかがでしょうか。