私たちの日々の生活の中で、気に留めず通り過ぎている製品があるかと思います。週末のアウトドアや家庭生活に欠かせないアイテムや、運転中によく見かける標識など、実は工業系の銘柄が深く関わっている場合があります。今回は、よく目にするけどあまり知られていない、隠れた高利回りの銘柄「萩原工業」と「グリーンクロス」について、紹介していこうと思います。
萩原工業(7856)
萩原工業株式会社は、岡山県倉敷市水島に本社を持つ化学繊維製品の大手メーカーで、1892年に畳表や花筵を扱う萩原商店として始まりました。1962年にはポリエチレン糸の製造のため株式会社萩原商店水島工場を分社独立させ、現在はブルーシートのトップメーカーとして知られています。
同社の製品は、ピクニックシート、ブルーシート、防音シート、粘着テープ、輸送袋、人工芝など、多岐にわたり、これらの軽くて丈夫な製品は私たちの生活に欠かせません。お住まいの住宅やキャンプに行かれる方は、もしかしたらこの会社の商品を使用されているかもしれません。
萩原工業の2023年10月現在の株価は、約1800円となっています。2022年の期末は、1000円台まで株価は落ち込みましたが、徐々に回復し10月の決算期に向かって上昇しており、高値圏に位置している状況です。
萩原工業の株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2023年910月現在、権利確定月は10月の年1回です。保有株数と保有期間に応じて受け取れる内容が変わります。
例えば100株以上を3年未満の保有する株主に対しては、 QUOカードもしくはマスキングテープなど1000円相当の物を選択することができます。3年以上保有している場合では、ゼリーや自社製品詰合せなどを選べます。詳しくは以下のイラストをご参考ください。
萩原工業の利回り
配当金がもらえる権利月は4月と10月の年2回です。前期の4月の中間配当は18円、期末も18円、年間で36円でした。今期の4月は25円の実績となり、10月も25円と年間50円の見込みとなっています。昨年より14円の増配となります。
例えば1株1800円で100株購入した場合、投資金額は約18万円が必要となり年間で受け取れる配当金は5000円になります。配当金の利回りは約2.8%の利回りとなります。また100株を3年未満保有した場合の株主優待を含めた総利回りは、約3.3%となり、高水準と言われる3%を超えてきます。
グリーンクロス(7533)
株式会社グリーンクロスは、福岡県福岡市中央区に本社を構える交通標識や安全機材用品の販売・レンタルを専門とする卸売業者で、福岡証券取引所に上場しています。交通標識製作所からの歴史を持ちながら、現代ではCG技術を駆使して特注の看板やサインメディアの制作販売も展開しています。
また2017年には、経済産業省によって「地域未来牽引企業」に選定されるなどの実績を持っています。業績の面でも順調で、2022年4月期の連結決算では、売上が204億9600万円を達成しました。これは1971年の設立以来、初めての200億円突破となる数字で、13年連続の増収増益を実現しています。
さらに、グリーンクロスは、単に工事や交通の安全のために、デザインに新たなアイディアも取り入れ、従来の単調な製品を打破する新しい商品を生み出しています。特に、最近では「人型バリケード」は注目されており、多くの現場でその斬新さが評価されています。道路工事などで見かけられた方も多いのではないでしょうか?
グリーンクロスの2023年10月現在の株価は、約1100円となっています。今期に入り900円後半から1000円台で推移してきましたが、現在は10月の決算に向かって高値圏に位置している状況です。
グリーンクロスの株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2023年10月現在、権利確定月は10月となっています。100株以上保有している株主に対して、12月下旬頃にオリジナルカレンダーが贈呈されます。
グリーンクロスの利回り
配当金がもらえる権利月は4月と10月の年2回です。前期の中間配当は18円、期末配当も18円で年間で36円となっていました。今期の中間配当では25円の実績となり、期末も同額の25円で、年間50円の見込みとなっています。今期は14円の増配となっています。
例えば1株1100円で100株購入した場合、投資資金は約11万円ほど必要となり、年間で受け取れる配当金は5000円になります。配当金の利回りは約4.5%です。今期の増配が後押しとなり、4%を超えるかなり高回りの銘柄となっています。株主優待はオリジナルカレンダーですので、優待利回りについては割愛させていただきます。
まとめ
今回は、工業系ながら日常的に私たちがお世話になっている製品を取り扱う2つの銘柄について紹介しました。「萩原工業」はアウトドア製品の元となる素材や建材などを生産し、今期は増収増益の予想が立てられています。3%を超える総利回りも魅力的なポイントとなっています。
「グリーンクロス」は配当利回りで4%を超える注目株になっています。10月の決算に向かって株価高騰はしていますが、初期の投資金額も11万円ほどからなので手が出しやすい印象になっています。
一つ注意点は、福岡証券取引所での取引になるため、使用できる証券会社がSBI証券、auカブコム証券、マネックス証券、松井証券など限定的になってしまうので、ご確認ください。一度こういった隠れた高利回りの銘柄も検討してみてはいかがでしょうか?