不動産市場の活況が続いているようです。今回は業績が好調の「ヒューリック」と「青山財産ネットワークス」について増配の見込みなどを解説していこうと思います。株主優待もついている内容ですので、ぜひ参考にしていただければと思います。
ヒューリック(3003)
ヒューリック株式会社は、主に東京23区のオフィスビル、商業施設、ホテル、老人ホームなどの不動産賃貸を展開する企業です。駅近など好立地物件を多数保有しており、賃貸、管理に加えて、建て替えや開発にも力を入れています。2022年度は売上高3,000億円以上、経常利益は1232億円以上を安定して稼ぎ出しており、業界内でも確固たる地位を築いています。
他社と比較するとヒューリックの強みは、オフィスビルの空室率が低く、賃料の安定性があり、既存物件の建て替えによって不動産の価値向上を図ってる点が挙げられます。
また2022年の平均年収は約1904万円で、「建設・不動産業(住宅関連除く)」全219社における順位は第1位となっています。
ヒューリックの2023年11月現在の株価は、約1430円となっています。今年の年初は1000円台で推移していましたが、株価は右肩上がりに至ります。
1月から9月の業績は好調で、通期の連結経常利益を従来予想の1320億円から1340億円へ上方修正しています。これは前期の1232億円と比べると1.5%増加した形になり、12期連続で過去最高益予想をさらに上乗せしています。
ヒューリックの株主優待
株主優待がもらえる権利確定月は12月の年1回になっています。300株以上を保有している株主に対して、保有期間に応じてグルメカタログギフトが贈呈されます。例えば300株を3年未満保有している場合は、3000円相当のカタログギフトになり、3年以上は6000円相当になります。
また2025年12月31日基準日から、株主優待制度が一部変更されます。保有期間は2年以上の条件へと変更され、一律で6000円相当のカタログギフトに変更されますのでご注意ください。
ヒューリックの株主優待はいつ届く?
確定月12月の優待は翌年2月下旬から3月上旬に届く予定となっています。また前述の通り、優待内容は2025年から変更されます。
ヒューリックの利回り
配当金がもらえる権利月は6月と12月の年2回です。今期6月の中間配当は23円の実績でした。期末も25円で年間配当48円の見込みとなっています。前年の年間配当は42円だったため、今期は増配となりますので、実現すれば11期連続増配を達成することになります。
例えば1株1430円で100株購入した場合、投資金額は約14.3万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は4800円になるので、配当金利回りは約3.4%となります。また100株を3年未満保有した場合は、3000円相当額の優待を受けられるので、総利回りは約5.5%と非常に高い数字になっています。
青山財産ネットワークス(8929)
株式会社青山財産ネットワークスは、財産コンサルティングを専門とする会社です。財産承継、事業承継、不動産ソリューションなどの総合的サービスを提供しています。
青山財産ネットワークスの強みは、何と言っても約30年にわたる豊富なコンサルティング実績、金融・保険・不動産など各分野の専門家の連携、事業承継に関する広範な専門性とネットワーク、そしてテクノロジーを活用したコンサルティングです。
社内には100人を超える専門スタッフを有し、個別対応のコンサルティングを行い、海外案件などの提案幅も拡大しています。特に事業承継や不動産資産運用、相続関係に強みを持ち、お客様一人ひとりの立場に立ったワンストップソリューションを提供することを心掛けている会社です。
青山財産ネットワークスの2023年11月現在の株価は、約1100円となっています。1000円を切っている場面もありましたが、現在は12月の決算に向かって若干株価を上げてきています。
業績の面では連結経常利益は前年同期と比べて、30.5億円から33.7億円へ上方修正しています。
青山財産ネットワークスの株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2023年11月現在、権利確定月は6月と12月の年2回です。ただし6月と12月では条件や内容が変わっており、6月の場合は2000株以上保有している株主に対して、3000円相当の商品ギフトが選択できます。10000株以上保有する場合は、保有期間が1年未満、2年未満、2年以上によって優待内容が変わります。
また12月の場合は保有期間の条件はなく、30000株以上保有している株主に対して御食事券30000円相当、特選牛30000円相当やレジャー施設の利用権30000円相当が選択できますので、詳しくは以下のイラストをご参照ください。
青山財産ネットワークスの株主優待はいつ届く?
確定月6月の場合は、8月下旬に中間報告書と一緒に届く予定となります。また12月の場合は、3月下旬に優待商品選択の案内状を送付される予定となります。
青山財産ネットワークスの利回り
配当金がもらえる権利月は6月と12月の年2回です。前期では年間配当35円の実績でした。そして今期は年間配当41円が見込まれています。実現すれば今期で13期連続の増配となる見込みになります。
例えば1株1100円で100株購入した場合、投資資金は約11万円ほど必要となり、年間で受け取れる配当金は4100円になります。配当金だけの利回りは約3.7%となっています。また1000株を保有した場合の3000円相当分の優待を合わせると、総利回りは約3.9%となります。
まとめ
好調の不動産業界の2つの銘柄「ヒューリック」と「青山財産ネットワークス」を紹介してましたがいかがだったでしょうか?両銘柄とも10期以上の連続増配を続けており、業績も右肩上がりに伸ばしている会社です。投資の手段としての不動産投資もありますが、利回りが確実な不動産業種へ投資することを検討してみてはいかがでしょうか?