商社である「高島」と「伯東」は、どちらも毎年配当利回りが5%を超える高配当銘柄です。しかし、商社は国内外から商品を仕入れるため、日本だけでなく海外の経済状況の影響も受けやすく、株価も比較的変動が大きい傾向があります。
今回は、「高島」と「伯東」について、株価や配当金額に大きく影響する今期の業績見込みについて特に詳しくご紹介します。
高島(8007)
高島は、「住宅関連建材」と「繊維・樹脂などの産業資材」、「電子機器」に特化した専門商社です。幅広い分野の商品を数多く取り揃える総合商社と比較し、専門分野に絞って商品を取り扱うことで、顧客のニーズに合った商品を、より詳しい視点で提案することを強みとしています。
高島の業績
2024年度の売上高は約900億円、経常利益は約20億円でした。2025年度は売上高が約940億円とやや増収、経常利益は約20億円と昨年度とほぼ同額となる予想です。
売上高は2022年度から3期連続でやや増収しました。経常利益は2021年度から2024年度までの3期で約15億円から約20億円まで増益しています。2025年度は2024年度とほぼ同額ではあるものの、厳密には約400万円の減益見込みです。
高島の株価
2025年2月時点の株価は約1300円です。2020年までの株価変動は比較的小さく、2012年から2015年までの株価は約650円前後でした。2016年に入り約450円まで下落しましたが、その後2020年までほぼ横ばいで推移しました。
しかし、2021年に入ってから徐々に右肩上がりで上昇し始め、2024年には約1400円の高値が付きました。2024年以降の株価は約800円から約1400円の間で、小さな株価変動を繰り返しながら推移しています。
高島の株主優待
高島の株主優待は、2025年2月時点で実施されていません。
高島の配当
2025年度の配当金は、9月末の中間配当で40円、3月末の期末配当で40円の、年間1株当たり80円となる予想です。この金額は、2021年度の15円、2022年度の32.5円、2023年度の42.5円、2024年度の60円から4期連続で増配しています。
2024年度までは総還元性向50%を目標として掲げていましたが、2025年度と2026年度の2年間は、総還元性向100%の目標へと還元方針を変更しました。このことから、大幅に業績が悪化しない限り、2026年度も高い配当金が期待されます。
高島の配当利回り
1株1300円で100株購入した場合、投資金額は13万円になります。配当金額は年間1株当たり80円のため8000円となり、配当利回りは約6.2%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約3.5%、2022年度は約6.5%、2023年度は約6.4%、2024年度は約6.0%でした。還元方針が変更される以前から、6%を超える高い配当利回りが継続していることが分かります。
伯東(7433)
伯東は、半導体やWi-Fi、通信機器、電気部品、大型電子機器などを専門に取り扱うエレクトロニクス商社です。商品を仕入れて販売する商社としてだけでなく、技術社員による設計やカスタマイズの受付や、電子機器導入後のメンテナンスまで行っています。
また、商社として以外の活動は、それだけではありません。腐食防止剤や脱酸素剤、紙・パルプ製造に使われる各種薬剤、発酵技術を用いたスキンケア商品など、様々な化学製品を開発・製造・販売するメーカーとしての事業も行っています。
伯東の業績
2024年度の売上高は約1820億円、経常利益は約69.1億円でした。2025年度は売上高が約1900億円とやや増収、経常利益は約69.0億円と昨年度とほぼ同額ではあるものの、やや減益となる予想です。
2024年度の売上高を事業別に見ると、商社としての売上が約79%です。約15%が電子・電気機器の導入やメンテナンスで、残り約6%が化学製品メーカーとしての売上となっています。商社としての販売は安定していますが、海外からの輸入が多いため円安の影響を受け、売上が伸び悩んでいる状況です。
伯東の株価
2025年2月時点の株価は約4500円です。2020年までの株価は、約1000円から約2000円の間で推移しており、小さな株価変動は頻発していたものの、比較的安定していました。
しかし、2021年に入ってから徐々に右肩上がりで上昇し始め、2024年には約6200円の高値が付きました。2023年以降、約4200円から約6000円の間で株価変動を繰り返していましたが、最高値がついた2024年1月以降は下落が続いています。
伯東の株主優待
伯東の株主優待は、2025年2月時点で実施されていません。
伯東の配当
2025年度の配当金は、9月末の中間配当で130円、3月末の期末配当で130円の、年間1株当たり260円となる予想です。この金額は、2023年度と2024年度の280円から減配となっています。
2021年度から2025年度までの中期経営計画にて、総還元性向100%を目標に掲げていました。この計画は2025年3月末の決算までとなっており、2026年度からの還元方針は現時点で未定です。還元方針が変更されることになれば、配当金が大きく変動する可能性があります。
伯東の配当利回り
1株4500円で100株購入した場合、投資金額は45万円になります。配当金額は年間1株当たり260円のため26000円となり、配当利回りは約5.8%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約5.5%、2022年度は約8.2%、2023年度は約8.0%、2024年度は約5.3%でした。総還元性向100%を目標としているため業績によって利回りも変動していますが、毎年5%を超える高配当となっています。
まとめ
「高島」と「伯東」についてご紹介しました。
どちらも2025年度の業績は前年度と同水準となっており、株価変動や配当金にすぐに大きな影響を与える可能性は低いと予想されます。
また、今期の配当利回りも5%を超える高配当となっていますが、来期以降の伯東は、還元方針が変更される可能性があるため注意が必要です。