今回はアパレルやファッションに関する銘柄を2つ紹介していこうと思います。「三陽商会」はバーバリーショックで大きく業績を落としていましたが、復調の兆しが見えてきた状態です。
「チヨダ」は大きく店舗展開し比較的安定した業績と業界シェアを保っており高利回りを継続しています。少額から投資もできる銘柄なので、ぜひ参考にしていただければと思います。
三陽商会(8011)
株式会社三陽商会は、東京都新宿区に本社を置くアパレルメーカーで、自社ブランドに加えて、海外ブランドとのライセンス契約による販売も行っています。1943年に東京で創業され、初期は防空暗幕を用いた紳士用の黒いレインコート製造から事業をスタートしました。三陽商会といえばバーバリーでしたが、ライセンス終了とともに主にマッキントッシュというブランド展開を行なっています。
ヨーロッパスタイルの洗練されたファッションが特徴で、長い歴史と伝統に裏打ちされた高度な技術力を持っています。国内に自社工場を持ち、業界初の自社ブランド織ネームを採用するなど、製品に対する強いこだわりとノウハウを持っているのが三陽商会の強みになっています。
三陽商会の2024年1月現在の株価は、約2500円となっています。前期の同時期は1300円台で推移していましたが、年間を通じて上昇傾向になっています。
通期の売上高は前期より32億円多い615億円ですが、第3四半期での進捗は55.4%と順調な状況になっています。
三陽商会の株主優待
株主優待がもらえる権利確定月は2月と8月の年2回になっています。保有数に関わらず100株以上を保有している場合、株主優待セールに参加できる内容となっています。
三陽商会がバーバリーショックから復活した理由は?
三陽商会は、2015年6月に売上高の半分を占めていた「バーバリー」のライセンス事業を失ったことで、赤字に苦しんでいました。しかしながら、2023年2月期に7年ぶりに黒字に転換し2024年2月期は更に業績回復が見込まれ、株価も急回復しています。
回復の理由は百貨店からの売上は依然として三陽商会の大きな収入源になっていますが、特に円安観光客や東南アジアの富裕層からの支持を受けていることが要因になっています。
三陽商会の強みは国内に自社工場を持っている点と、バーバリーを失ったと言えども需要を捉えるノウハウがあることです。更に業績を伸ばし株価を底上げできる可能性を秘めているかも知れません。
三陽商会の利回り
配当金がもらえる権利確定月は2月の年1回です。前期は年間55円でしたが、今期は88円の見込みとなっており、実現すれば33円の増配となります。
例えば1株2500円で100株購入した場合、投資金額は約25万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は8800円になるので、配当金利回りは約3.5%となります。また株主優待がセール参加になりますので、総利回りは割愛させていただきます。
チヨダ(8185)
株式会社チヨダは、1936年に創業された靴を中心とした量販店を運営する小売業者です。国内で売上高第2位の靴小売チェーンとして「東京靴流通センター」「靴のチヨダ」「シュープラザ」などの店舗名で全国に921店舗を展開しています。地域密着型の店舗展開を行い、ファミリー、学生、高齢者など各地域の特徴に合わせた店舗作りと商品の揃え方が強みの企業です。
また子会社の「マックハウス」ではジーンズを中心としたカジュアル衣料品専門店を320店舗展開しており、プライベートブランド製品の開発や技術サービスに力を入れている会社になります。
チヨダの2024年1月現在の株価は、約880円となっています。前期の同時期は780円台で推移し、10月頃に一時的に下落しましたが年間を通じて上向きの傾向になっています。第二四半期の売上高は通年目標を109%達成しました。売上高は前期より約24億円多い945億円で増収・増益の見込みになります。
チヨダの株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2024年1月現在、権利確定月は2月と8月の年2回です。100株以上の保有で内容は統一されており、株主優待20%割引券が5枚(年間で10枚)となっています。1枚につき、1会計5点まで有効ですが、ネット通販サイトでは使用できませんのでご注意ください。
チヨダの利回り
配当は2月と8月の年2回実施され、前期の年間配当は28円となっていました。そして今期は前期と同額の28円の予定となっています。
例えば1株880円で100株購入した場合、投資資金は約8.8万円ほど必要となり、年間で受け取れる配当金は2800円になります。配当金だけの利回りは約3.2%となっています。また株主優待が割引券になりますので、総利回りは割愛させていただきます。
まとめ
今回はファッションに関する2つの銘柄を紹介しましたがいかがだったでしょうか?「三陽商会」はバーバリーショックから立ち直りつつあり、配当金利回りは増配もあり約3.5%と高くなっています。業績回復とともに株価も上がって来ているので仕込むタイミングは早めの方がいいかも知れません。
一方「チヨダ」も3%を超える利回りで、10万円以下で購入できる点も大きなポイントです。お得な株主優待もついていますので、検討してみてはいかがでしょうか?