不動産会社の「ファーストコーポレーション」と建設コンサルタントの「オオバ」は、どちらも高配当で、さらに株主優待としてクオカードの贈呈も行っている人気の銘柄です。今回は、この2銘柄について、改悪の噂とともに詳しくご紹介します。
ファーストコーポレーション(1430)
ファーストコーポレーションは、主にマンションの設計・建築・販売を行う不動産会社です。また、マンション開発のための情報収集や用地の仕入れ、マンション建築における品質管理、地域活性化に向けた再開発なども行っています。
2024年度の売上高は約280億円、経常利益は約14億円の実績でした。2024年度は売上高が約350億円、経常利益が約22億円と、ともにやや増収・増益となる予想がされています。
ファーストコーポレーションの株価
2024年9月時点の株価は約750円です。株価変動は比較的大きく、2015年の上場当初約450円だった株価が、2018年には約1600円まで上昇し、2020年には再び約450円まで下落しました。
しかし、2021年から2024年の株価変動は比較的ゆるやかで、約700円から約800円ほどの株価変動を繰り返しながら、ほぼ横ばいで推移しています。
ファーストコーポレーションの配当
2025年度の配当金は、5月末の期末配当のみ配布され、年間1株当たり38円となる予想です。この金額は、2024年度の31円から増額しています。
なお、配当性向の推移は、2021年度が約42%、2022年度が約30%、2023年度が約31%、2024年度が約39%の実績で、2024年度は約30%ほどになる予想です。
ファーストコーポレーションの株主優待
ファーストコーポレーションの株主優待は、毎年11月末の権利確定日に、500株以上の株式を1年以上継続して保有する株主に対して、株式の保有数と保有年数に応じて贈呈されます。
贈呈される株主優待の内容はクオカードです。株式の保有数と保有年数に応じた贈呈内容は、下記のイラストをご確認ください。
ファーストコーポレーションの利回り
1株750円で100株購入した場合、投資金額は7.5万円になります。配当金額は1株当たり38円のため3800円となり、配当利回りは約5.1%です。
また、株主優待による優待利回りと、配当と優待を合わせた利回りは、株式の保有数と保有年数に応じて変わりますので、下記の一覧表をご確認ください。
ファーストコーポレーションの改悪
2020年11月の権利確定日から、贈呈される株主優待の内容に変更がありました。変更内容は、最低保有株式数と、保有年数の条件追加、保有数に応じたクオカード相当金額です。この変更により、500株以上保有した場合の優待利回りは高くなっていますが、100株保有時の利回りが下がっており、改悪されたと感じられています。
オオバ(9765)
オオバは、公共施設などの建設において、計画・調査・設計を行う建設コンサルタントです。都市開発や道路などのインフラ関連設計、測量調査、地理情報システムの開発など、様々な事業やサービスを提供しています。
2024年度の売上高は約165億円、経常利益は約19億円の実績でした。2024年度は売上高が約175億円、経常利益が約20億円と、ともにやや増収・増益となる予想がされています。
オオバの株価
2024年9月時点の株価は約1000円です。2011年の株価は約100円前後でしたが、2012年に入ってから現在まで、小さな株価変動を繰り返しながら、右肩上がりで上昇し続けています。
2024年4月には1100円台を突破し、過去20年間の最高値を更新しました。
オオバの配当
2025年度の配当金は、11月末の中間配当で20円、5月末の期末配当で20円の、年間1株当たり40円となる予想です。この金額は、2020年度の14円、2021年度の15円、2022年度の23円、2023年度の24円、2024年度の37円から、5期連続で増配しています。
なお、配当性向の推移は、2021年度が約29%、2022年度が約34%、2023年度が約36%、2024年度が約44%の実績で、2024年度は約45.7%ほどになる予想で、毎年徐々に配当性向が高くなっています。
オオバの株主優待
オオバの株主優待は、毎年5月末と11月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、株式の保有数と保有年数に応じて贈呈されます。
贈呈される株主優待の内容は5月末はクオカード、11月末はショコラボのチョコレートです。株式の保有数と保有年数に応じた贈呈内容は、下記のイラストをご確認ください。
オオバの利回り
1株1000円で100株購入した場合、投資金額は10万円になります。配当金額は1株当たり40円のため4000円となり、配当利回りは約4.0%です。
また、株主優待による優待利回りと、配当と優待を合わせた利回りは、株式の保有数と保有年数に応じて変わりますので、下記の一覧表をご確認ください。
オオバの改悪?
2023年11月の権利確定日から、チョコレートが贈呈される条件が、5000株以上の保有から2500株以上の保有に変更されました。このことから、2500株以上保有した場合の優待利回りが上がっており、改悪ではなく、改良となっています。
まとめ
「ファーストコーポレーション」と「オオバ」についてご紹介しました。
ファーストコーポレーションは、株主優待の内容の改悪により、500株以上の株式を1年以上継続して保有という厳しい条件が追加されました。しかし、配当利回りが約5.0%と高利回りな点は、変わらずおすすめです。
オオバの配当利回りはファーストコーポレーションには劣りますが、株主優待は受け取りやすい贈呈条件となっています。高配当だけでなく、株主優待も楽しみたい方に特におすすめしたい銘柄です。