今回は20期以上に渡り連続増配を行なっている「花王」と「ユニ・チャーム」の今期配当について、紹介していこうと思います。両銘柄ともに安定した経営で、業績が好調になっています。6月の配当は連続増配となるか記載していますので、参考にしていただければと思います。
花王(4452)
花王株式会社は、家庭用品、化粧品、化学品を取り扱っている企業です。事業はとても大きく「コンシューマープロダクツ事業」と「ケミカル事業」に分かれています。「コンシューマープロダクツ事業」では更に「ハイジーン&リビングケア」「ヘルス&ビューティケア」「ライフケア」「化粧品」の4分野で製品を展開しています。代表的な製品には、洗濯用洗剤「アタック」、手洗い用洗剤「キュキュット」、消臭剤「リセッシュ」、洗顔料「ビオレ」などが挙げられます。
またケミカル事業では、油脂製品や機能材料、スペシャルティケミカルズ製品を製造・販売し、産業界のニーズに応えた製品をローンチしています。
1887年設立の花王は、国内最大手の消費財メーカーとして、消費者目線の商品開発やテレビ広告を通じたマーケティング活動を行なってきました。また、「花王ウェイ」という企業理念のもと、「豊かな共生世界の実現」を使命とし、消費者ニーズの発掘力、商品開発力、バリューチェーンマネジメント、収益力に強みを持っている会社です。
また、廃PETをリサイクルした高耐久アスファルト改質剤をドラッグストアの駐車場舗装に使用するなど、新たなコラボレーションも進めるなど、革新的な商品とブランドを開発することを大切にしている企業でもあります。
花王の2024年5月現在の株価は約6800円となっています。前期の同時期は5200円台で推移していましたが、4月以降急騰した形となっています。
今期の売上高目標は1.5兆円と前期の実績より約474億円を上回る見込みになっています。第1四半期(1月-3月)の最終利益は164億円と前年同期と比べて3.4倍高い結果になっています。前期よりも売上営業利益率も改善し、今期は増収増益が見込まれています。
花王の株主優待
現在、残念ながら花王の株主優待は行われていません。
花王の利回り
配当は6月と12月の年2回実施され、前期の年間配当は150円となっていました。そして今期の年間配当は152円と増配の予定になっています。実現すれば35期連続の増配となります。
例えば1株6800円で100株購入した場合、投資金額は約68万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は15200円になるので、配当金利回りは約2.2%となります。
花王の連続増配
前述の通り、今期の年間配当152円が実現すれば35期連続の増配となります。株価高騰で利回りが若干悪く見えますが、2%を超えた安定銘柄になっています。購入のタイミングの見極めは必要ですが、安定した経営力と連続増配は投資へは魅力的なポイントになっています。長期保有も視野に入れた検討をしてみてはいかがでしょうか?
ユニ・チャーム(8113)
ユニ・チャーム株式会社は、生理用品、紙おむつ、ペット用品などの衛生用品を製造・販売する企業です。ベビーケア、フェミニンケア、ヘルスケア関連製品でアジアの中でも1位のシェアを持ち、海外売り上げ比率は6割を超えています。
創業は1961年に大成化工として創業され、1963年に生理用ナプキン市場に参入、そして1974年に現在の社名に変更しました。ユニ・チャームは「快適・便利・衛生的」をコンセプトに、ホームケア用品、パーソナルケア用品、キッチンケア用品などを展開しています。
生理用品や紙おむつなどの衛生用品で日本国内トップシェアを誇り、アジアや中東などの新興国へいち早く進出して市場を開拓してきました。現地の生活実態や消費実態を徹底的にリサーチし、各国・地域の文化や生活環境に合わせた商品開発を行うことで、世界進出を達成してきました。
参入商品の多くが生活の必需品であるため業績が安定している点、トップダウンでの迅速な意思決定力、専門技術を活かした商品展開を行なっており、持続的な成長を続けている会社です。
ユニ・チャームの2024年5月現在の株価は、約5000円となっています。前期の同時期は5400円台前後で推移していましたので、現在は若干株価が下がった形になっています。
今期の売上目標は前期より約642億円高い1兆円になっています。第1四半期(1月-3月)の最終利益は、前期同時期より7.9%増加した178億円に増収しています。
ユニ・チャームの株主優待
現在、残念ながらユニ・チャームも株主優待は行われていません。
ユニ・チャームの利回り
配当は6月と12月の年2回実施され、前期の年間配当は40円となっていました。そして今期は年間配当44円の予定となっており増配の見込みです。
例えば1株5000円で100株購入した場合、投資資金は約50万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は4400円になります。配当利回りは約0.9%となっています。
ユニ・チャームの連続増配について
2024年12月期で23期連続の増配計画が発表されています。20年以上継続した増配銘柄は希少性が高く、投資家としても安心して保有できる点がメリットになっています。
ただし、ユニ・チャームは株主還元に積極的な面もありますが、高配当を期待するには利回りは小さくなっています。こちらも安定的な経営と連続増配のアドバンテージは大きい印象ですので、長期保有として検討するのも一つかと思います。
まとめ
今回は20期以上に渡り、連続増配を行なっている「花王」と「ユニ・チャーム」の銘柄を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
両銘柄ともに投資金額が50万円以上となっていますが、安定した経営と好調な業績、そして増配計画は投資への好材料になっています。株主優待が共にない点は少し残念ですが長期保有を目的に、購入タイミングを見計らってみてはいかがでしょうか?