今回は産業機械を取り扱う「南陽」と「日工」について解説していきます。「南陽」では減配の見込みですが、今期の利回りについて、「日工」は上期の減益から下期の業績回復での今期配当見込みについて触れていこうと思いますので、参考にしていただければと思います。
南陽(7417)
株式会社南陽は、1950年に福岡で創業された総合機械商社で、半導体製造装置を中心とする産業機器事業と、環境関連機器や建設機械の販売を中心とする建設機械事業を展開している会社です。
産業機器事業では、機械部品からFAシステムや環境プラントまで、ユーザーと密接に連携して製品開発を行い、建設機械事業では、建設機械や産業用車両、環境関連商品の販売とレンタル事業を展開しています。
国内だけでなく、アジアを中心とした海外市場にも進出し様々な企業のニーズに応える技術と商品力を持っており、特に中国、台湾、マレーシアなど海外市場での展開も積極的に行っている企業です。
南陽の2024年1月現在の株価は、約2100円となっています。前期の同時期は1900円台で推移していましたので、現在の株価は若干上がった形になっています。
今期の売上高目標は380億円と前期の実績より約13億円を下回る計画がなされています。直近の上期(4-9月)の発表では、経常利益は前年同期比5.1%減の13.6億円に減益しています。
更に下期(10-3月期)でも経常利益は前年同期比19.6%減の14.3億円に減益する見込みとなっています。
南陽の株主優待
株主優待がもらえる権利確定月は3月の年1回になっています。100株以上を保有している株主に対して、QUOカードが贈呈されます。
保有期間が3年未満の場合は1000円相当となり、3年以上の場合は1500円相当になります。
南陽の株主優待はいつ届く?
南陽の株主優待は権利確定月3月ですので、約3カ月後の6月末頃に届く予定となっています。
南陽の利回り
配当は3月と9月の年2回実施され、前期の年間配当は101円となっていました。そして今期の年間配当は85円が見込まれています。
例えば1株2100円で100株購入した場合、投資金額は約21万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は8500円になるので、配当金利回りは約4.0%となります。また100株を3年未満保有した場合、株主優待を含めた総利回りは、約4.5%になります。
株式会社南陽の将来性は?
特にアジアを中心とした海外での建設機械事業は、インフラの更新・整備が進み、南陽は市場での存在感を強めています。財務的安定性も持ち合わせていましたが、今期は業績が苦しい内容となり減配計画となっています。
しかしながら、成長産業では強固な地位と技術力、さらに市場ニーズへの適応能力を持ち合わせていますので、将来性の高い企業と言えるかと思います。連続増配はストップしてしまいましたが、利回りも高いため長期投資になる銘柄の印象です。
日工(6306)
日工株式会社は、インフラ整備に不可欠なアスファルトやコンクリートを生成するプラント機械メーカーです。アスファルトプラントの国内シェアで70%を占め、高速道路用アスファルト分野では90%以上を供給しているトップメーカーになっています。
日工の強みは、混練・加熱・搬送・制御の4つのコア技術を駆使して、顧客のニーズに合わせたプラントや機械の開発・設計できる点にあり、特に環境分野での次世代技術の研究・開発に取り組んでいる企業になります。
1919年の創業以来、蓄積された技術と安定した経営基盤で、業界内では競争相手が少なく、信頼性と技術力は高く評価されています。また、世界50カ国で1,000件以上のプラントを建設し、200件以上の特許を保有していることも強みの一つになっています。
日工の2024年1月現在の株価は、約710円となっています。前期の同時期は620円台で推移していましたが、1年間を通じて株価は上昇傾向になっています。
今期の売上目標は前期より約43億円高い440億円になっています。4月から9月までの第2四半期(上期)の経常利益は、前年同期比17.0%減の4.5億円になり、減益となりました。しかしながら下期(10-3月)の経常利益は前年同期比2.0倍の14.4億円に増益する見込みとなっています。
日工の株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2024年1月現在、権利確定月は3月の年1回です。保有株式数および保有期間に応じてQUOカードや優待品が贈呈される内容となっています。
例えば、100株を1年以上保有している場合はQUOカード500円分となり、500株以上を1年以上保有している場合はQUOカードや優待品を選択できる内容となっています。
保有区分や期間によって内容が変わってきますので、詳しくは以下のイラストをご参考ください。
日工の株主優待「蛸壺(タコつぼ)」とは?
日工の優待内の中で特に人気になっていた物が、「明石タコつぼオーナー権抽選」でした。しかしながら2023年度はタコの不漁のため優待品から除外となっています。ただし今後は水揚げの状況で復活も見込まれているとのことです。
日工の株主優待はいつ届く?
日工の株主優待は権利確定月3月ですので、6月中旬に申し込み用紙が届く予定となっています。
日工の利回り
配当は3月と9月の年2回実施され、前期の年間配当は30円となっていました。そして今期も同額の年間配当30円の予定となっています。
例えば1株710円で100株購入した場合、投資資金は約7.1万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は3000円になります。配当金だけの利回りは約4.2%となっています。また100 株を1年以上保有した場合の株主優待を含めると、約4.9%となります。
まとめ
今回は機械を取り扱う「南陽」と「日工」について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
連続増配を続けていたため残念ですが、「南陽」は業績悪化に伴い大きく減配の見込みとなってしまいました。一方「日工」は下期の業績復調で配当維持の見込みとなっています。両銘柄ともに4%を超えた利回りになっていますが、「日工」が10万円以下で購入できる点は、比較的手を出しやすい銘柄の印象ですので、検討してみてはいかがでしょうか?