配当利回りが3%を目指せる銘柄は、投資家にとって魅力的な投資ポイントです。ただし、業績は毎年異なってきますし、同額の配当を出し続けるのは経営側にとっては、とても難しいことです。例年3%を超えている企業の「日本ハウスホールディングス」と「カナモト」について、今期は減配になる見込みなのか、今回は検証してみたいと思います。
日本ハウスホールディングス(1873)
株式会社日本ハウスホールディングスは、高級檜材を使用した耐震・断熱に優れる「脱炭素・檜の家」を中心に、注文住宅、リフォーム、マンション販売から賃貸管理、ホテル・メガソーラー事業まで幅広く手掛けています。
設立当初の名称は「東日本ハウス」で、西日本にも営業網を持ち、「近代和風の東日本ハウス」というキャッチフレーズで知られていました。2015年に現在の社名に変更し、「日本ハウスHD」としてブランド展開をしています。
日本ハウスホールディングスの2023年10月現在の株価は、約370円となっています。2021年の年末は、500円台まで上昇していましたが、その頃から現在まで下降を続け概ね300円台にて推移している状況です。
日本ハウスホールディングスの株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2023年10月現在、権利確定月は10月の年1回です。1000株以上保有する株主に対して、日本ハウス・ファームの函館農場にて生産されたスープの詰め合わせセットが贈呈されます。中身はじゃがいもとかぼちゃを使用したもので、各種2パックが送られてきます。
最低単元は100株ですが、この株主優待を受けるには1000株以上の保有が必要ですので、ご注意ください。
日本ハウスホールディングスの利回り
配当金がもらえる権利月は4月と10月の年2回です。前期の4月の中間配当は10円、期末も10円、年間で20円でした。今期の4月は6円の実績となり、10月も6円と年間12円の見込みとなっており、昨年より6円の減配となります。
二期前は年間13円の実績で、前期は7円の増配だったため、今期も配当維持、もしくは増配を期待されていましたが、残念ながら減配となりました。23年10月期第3四半期の決算では、(22年11月-23年7月)の連結経常損益は前年同期は4.2億円の黒字に対して、17億円の赤字に転落することが発表されています。
例えば1株370円で100株購入した場合、投資金額は約3.7万円が必要となり年間で受け取れる配当金は1200円になります。配当金の利回りは約3.2%の利回りとなります。また1000株以上保有した場合は、株主優待が付いてきますが、オリジナル商品のため優待利回りについては、割愛させていただきます。
カナモト(9678)
株式会社カナモトは、建設機械レンタルを行う会社で、油圧ショベルやダンプ、トラック、発電機などの機械をレンタルしており、建設や土木現場での使用が主になっています。
1935年に北海道で個人商店としてスタートし、1964年に法人化。現在は、全国210以上、グループ全体で530以上の拠点を持ち、高い技術を持つスタッフが資産の価値を高めるメンテナンスを実施しています。さらに現在では、鉄鋼製品販売や情報機器事業も展開しています。2021年には東京証券取引所第一部に上場し、業界での地位も世界8位、国内2位と高いシェアを持っています。
カナモトの2023年10月現在の株価は、約2500円となっています。今年の年初は2200円台で推移していましたが、7月頃から急騰し現在は10月の決算に向かって高値圏に位置している状況です。
カナモトの株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2023年10月現在、権利確定月は10月となっています。
500株以上を1年以上保有している株主に対して、2000円相当の北海道特産品カタログギフトが贈呈されます。1000株以上の場合は、1年以上保有していると4500円相当となり、3年以上保有していると8800円相当のカタログギフトが送られてきます。
カナモトの利回り
配当金がもらえる権利月は4月と10月の年2回です。前期の中間配当は35円、期末配当は40円で年間で75円となっていました。今期の中間配当では35円の実績となり、期末は40円、年間75円と前期と同じ配当金額になる見込みになります。
例えば1株2500円で100株購入した場合、投資資金は約25万円ほど必要となり、年間で受け取れる配当金は7500円になります。配当金の利回りは約3.0%となっています。500株を1年以上保有している場合では、総利回りは約3.8%となります。
まとめ
今回は、3%が目指せる銘柄ながら、今期は減配が心配される2つの会社について紹介しました。「日本ハウスホールディングス」は残念ながら6円の減配となりますが、3%以上の利回りを目指せる内容となっています。また最低投資金額も4万円以下と少額から取り組めますので初心者の方にも手を出しやすいかもしれません。
一方、「カナモト」の配当は維持の見込みですが、現時点での株価では利回りを3%維持している状況です。売上高は増収の見込みでありながら、利益面は減益の予想ですが、業界シェアも非常に高い企業ですので長期的に見ると安定した業績を維持する可能性が高い印象です。両銘柄を検討してみてはいかがでしょうか?