今回は地域密着型の金融機関グループを紹介していこうと思います。「あいちフィナンシャルグループ」は愛知銀行と中京銀行と運営しております、「フィデアホールディングス」は荘内銀行と北都銀行を運営している金融機関になります。
両銘柄ともに、利回りが非常に高い内容になっていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
あいちフィナンシャルグループ(7389)
株式会社あいちフィナンシャルグループ(あいちFG)は、2022年10月3日に愛知銀行と中京銀行が経営統合して誕生した愛知県最大の金融持株会社です。堅実経営、地域社会からの信頼、持続的な成長などを重視し、金融サービスを通じて地域社会の繁栄に貢献することを目指しています。
あいちFGの強みは、特に愛知銀行の提案型営業や住宅ローンの専門知識と、中京銀行の富裕層向けプライベートバンキングの組み合わせにあり、両行のお客様との関係性、知識、ネットワークを融合することで、高水準の金融サービスを提供することが可能になっています。また、あいちFGは2025年1月に愛知銀行と中京銀行を合併させ「あいち銀行」という新しい銀行名で運営する計画が立てられています。
あいちFGの2024年1月現在の株価は、約2500円となっています。前期の同時期は2300円台で推移していましたが、現在の株価は平均的な基準の印象です。
2024年3月期の第2四半期(4月から9月まで)の連結経常利益の発表では76.2億円となり、通期目標の80億円に対して95.3%に相当しています。ただし合併後間もないため、比較する期間が少ないことはお含みください。
あいちFG(愛知銀行・中京銀行)の株主優待
株主優待がもらえる権利確定月は3月の年1回になっています。100株以上を保有している場合、店頭表示金利に年0.15%をプラスした定期預金の優遇が行われます。対象は10万円以上300万円までで、期間は1年間になります。
また300株以上を1年以上、継続保有している場合は、3000円相当のカタログギフトが贈呈されます。1000株保有の区分でも内容が変わってきますので、詳しくは以下のイラストをご参考ください。
あいちFGの株主優待はいつ届く?
6月末頃に株式関係書類に同封されて届く予定となっています。また株主優遇定期預金の取り扱い期間は7月から翌年6月末の一年間になっています。
あいちFGの利回り
配当は3月と9月の年2回実施され、今期の年間配当は100円が見込まれる予定となります。前期の配当は50円でしたが、合併前の基準になります。
例えば1株2500円で100株購入した場合、投資金額は約25万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は10000円になるので、配当金利回りは約4.0%となります。また300株以上保有の株主優待を含めた総利回りは、約4.4%になります。
フィデアホールディングス(8713)
フィデアホールディングス株式会社は、東北初の広域地方銀行グループとして、2009年に荘内銀行と北都銀行の統合により設立されました。広域性、専門性、成長性の3つの強みを持ち、社名には地域と共に繁栄する金融グループを目指す意志が込められています。
主な営業エリアは秋田県と山形県で、預金残高は個人と法人を中心に安定的に増加している状況です。また、ICT組織ではCRMシステムや業務処理システムを自社開発することで、外部に依存しない形で運営していることが、強みの一つになっています。
フィデアホールディングスの2024年1月現在の株価は、約1550円となっています。前期の同時期は1400円台で推移していましたが、ほぼ200円前後のレンジで安定した変動をしている状況です。
通期の経常利益目標は前期より約26億円少ない29億円になっています。4月から9月までの第2四半期累計の連結経常利益が、前年同期と比較して50.3%減少の15.2億円に大幅に低下しました。これにより、年間計画である29億円に対する達成率は、例年平均である69.5%を下回る52.4%に留まっている状況です。
フィデアホールディングスの株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2024年1月現在、権利確定月は3月の年1回です。100株以上を保有している株主に対して、年0.05%の特別金利定期預金の金利が付く特典となっています。
預入できる金額は10万円以上500万円までで、期間は1年間になります。また適用金利の適用は初回の満期日までで、それ以降は店頭表示金利が適用されることとなります。
フィデアホールディングスの利回り
配当は3月と9月の年2回実施され、前期の年間配当は75円となっていました。そして今期も同額の年間配当75円の予定となっています。
例えば1株1550円で100株購入した場合、投資資金は約15.5万円ほど必要となり、年間で受け取れる配当金は7500円になります。配当金だけの利回りは約4.8%となっています。また株主優待を含めた総利回りは算出ができないため、割愛させていただきます。
フィデアホールディングスのやばい合併の評判とは?
フィデアホールディングスのやばいと言われる一因は、東北銀行との経営合併の解消にあります。2021年7月には両行が合併を発表しましたが、翌年2月には合意が解除されました。この合併の目的は、フィデアホールディングス傘下の荘内銀行と北都銀行、そして東北銀行が受けた合計200億円の公的資金の早期返済と、東北三県にまたがる広域金融グループの形成でした。
しかしながら北都銀行は既に半額を返済していましたが、東北銀行はまだ返済の目処が立っていませんでした。
また地域密着型の東北銀行と、広域金融グループを目指すフィデアホールディングスとの経営方針の違いが、合併解消の最大の原因と言われています。東北銀行は経営の自主性を守るために合併を断念し、結果的に包括的業務提携のみを継続することになりましたが、もし合併が実現していれば、東北6県すべてに店舗を持つ大規模な金融グループが誕生していたことになります。
まとめ
今回は広域地方銀行グループの「あいちフィナンシャルグループ」と「フィデアホールディングス」について紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
「あいちフィナンシャルグループ」は誕生からまだ日が浅いため、業績を読み取ることは難しい面もありますが、現株価では4%利回りを保持しています。一方「フィデアホールディングス」も同様に4%超えの利回りとなっています。
両銘柄ともにその地域では存在感のある銀行ですので、普段ご利用されている方は検討材料の一つにしてみてはいかがでしょうか?