6月は権利確定月を迎える企業が多くなりますが、感染症での経済的な閉塞感から抜け出しつつある昨今、どの企業に投資するか迷いますよね。今回は、高配当なだけでなく株主優待も期待できる不動産関連銘柄の「ムゲンエステート」と「日本エスコン」についてご紹介します。
ムゲンエステート(3299)
株式会社ムゲンエステートは、不動産関連の事業を展開しています。主な業務内容は、不動産の開発・売買・賃貸管理などですが、中古不動産のリフォーム事業を経営の軸にしている企業になります。関東を中心に営業展開している「株式会社フジホーム」を子会社に持っています。
2023年5月現在の株価は約650円になっています。2020年以降、比較的横ばいで400円台を推移していましたが、2023年5月の四半期決算で経常利益が前年同期比の13倍増益と発表したことで株価を押し上げています。
ムゲンエステートの株主優待
株主優待の内容は2023年6月を持って終了されることになりますので、まずはご注意ください。株主優待は6月末の年に一回になっており、権利確定日に100株以上保有する株主に対し、株式の保有数に応じてクオカードが贈呈されます。
詳しくは下記のイラストをご確認いただければと思いますが、株式継続保有期間が1年以上の条件付きだったため、残念ながら今から駆け込みで購入しても特典を受ける事ができません。また1年以上の保有とは、株主名簿に同一の株主番号で連続3回以上記載されることとなります。
ムゲンエステートの配当
今回で株主優待は終了となりますが、その代わり好調な業績のおかげで増配される予想となっています。2022年度の配当金は、1株当たり年間20円の実績でしたが、2023年は32円に増配される予定です。例えば1株650円で100株購入した場合、投資金額は6.5万円で配当金は3200円なので、配当利回りは約4.9%です。これに1000円分の株主優待を合わせると総合利回りは約6.4%です。
ただしムゲンエステートの株式で注意していただきたいのは、6月の中間配当はないので、高配当を期待しても12月まで待たなければなりません。2023年4月と比べても5月末時点の株価は急上昇しているので、12月まで株価が落ち着く頃合いを観測してもいいかもしれません。
日本エスコン(8892)
東京と大阪にそれぞれ本社を置く不動産会社になり、「ネバーランド」「レ・ジェイド」といった分譲マンションシリーズを手がけています。また「トナリエ南千里」などの商業施設の管理や運営を行っており、2021年4月からは中部電力の子会社になっています。
2023年5月現在の株価は約770円になっています。2021年以降、株価は上下運動をしながら緩やかに右肩上がりです。感染症で混乱した時期でも売上高は安定していたため比較的堅調な印象です。
日本エスコンの株主優待
株主優待の内容は変更になる可能性がありますが、現在のところ6月末の権利確定日に、1000株以上保有する株主に対し、株式の保有数に応じてクオカードが贈呈されます。なお年に1回の株主優待となっています。
詳しくは下記のイラストをご確認いただければと思いますが、株式継続保有期間が1年以上と2年以上で優待内容が変わってきます。また単元株数は100株から購入できますが、優待は1000株以上を保有しないと受けれませんのでご注意ください。なお1年以上の保有とは、株主名簿に6月末を起算に5四半期連続して記載される必要があり、2年以上の保有は9四半期連続して記載される必要があります。
日本エスコンの配当
2022年度の配当金は、年間1株当たり38円の実績でしたが、2023年度も同様の38円と予想されています。例えば1株770円で100株購入した場合、投資金額は7.7万円で配当金は3800円なので、配当金による利回りは約4.9%です。
1000株を1年以上保有していた場合ですが、1000円分の株主優待を利用した時の配当金と株主優待の総合利回りは約6.2%です。また2年以上継続保有した場合の総合利回りは約8.8%となります。
利回りが5%近くまで伸びていながら、長期的な保有で更に総合利回りを底上げされる点や売上高が安定している点からも、今後の株価ウォッチに入れてみてはいかがでしょうか?
まとめ
株主優待の点で「ムゲンエステート」は廃止されたり、「日本エスコン」では1000株以上の保有が条件であったりしますが、配当が魅力的な銘柄を今回は紹介してみました。
概ね不動産関連の両銘柄は、感染症の流行時期でも手堅く推移している印象を受けました。
配当が受け取れる決算12月末まではまだ時間はありますが、今後の株価を観測しながら検討してみるのはいかがでしょうか?