高配当銘柄をお探しの場合、株価の下落や配当性向の変動により一時的に利回りが高くなっている銘柄には注意が必要です。今回ご紹介する「ノダ」と「タマホーム」は、今期で5年連続利回りが4%を超えており、今後も継続して高利回りが期待できます。
ノダ(7879)
ノダは、フローリングやドアなどの住宅建材を製造・販売する建材メーカーです。主に木材を利用した製品を取り扱っており、森林資源を守ったり、エコ素材で製品を作ったりといった、環境への取り組みを積極的に行っています。
また、素材だけでなくデザイン性にも優れており、テレビドラマやバラエティ番組の舞台セットに美術協力として使用されている実績が多数あります。
2023年度の売上高は約730億円、経常利益は約50億円の実績でした。2024年度は売上高は約720億円、経常利益は約30億円と、ともに減収・減益となる予想がされています。
ノダの株価
2024年9月時点の株価は約900円です。株価変動がやや大きく、直近10年間で約300円から約1500円の間を変動しています。
2022年4月から2024年4月までの2年間は、小さな変動はありながらも株価は約1200前後をほぼ横ばいで推移していましたが、2024年5月以降、株価は右肩下がりが続いています。
ノダの配当と配当性向の推移
2024年度の配当金は、5月末の中間配当で22.5円と11月末の期末配当で22.5円の、年間1株当たり45円となる予想です。この金額は、2022年度の60円、2023年度の55円から、2期連続で減配されています。
配当性向の推移は、2020年度が約24%、2021年度が約21%、2022年度が約16%、2023年度が約31%の実績で、2024年度は約40%ほどになる予想です。2023年度以降、配当性向が高くなっています。
ノダの株主優待
株主優待制度は、2024年9月時点では実施されていません。
ノダの利回りと推移
1株900円で100株購入した場合、投資金額は9万円になります。配当金額は1株当たり45円のため4500円となり、配当利回りは約5.0%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの推移は、2020年度は約3.7%、2021年度は約4.1%、2022年度は約5.3%、2023年度は約4.6%でした。
タマホーム(1419)
タマホームは、戸建て住宅やマンション販売などを行うハウスメーカーです。戸建て住宅は注文住宅と分譲住宅のどちらも取り扱っており、高品質な建築住宅をお手頃価格で購入できると、特に若い世代に人気があります。
また、住宅販売の他、リフォームやオフィスビルの賃貸契約、保険代理業などの事業も行っています。
タマホームの株価
2024年9月時点の株価は約4000円です。2016年に一時約360円まで下落しましたが、小さな株価変動を繰り返しながら約8年間右肩上がりを続け、2024年3月に約4500円まで値上がりしました。
タマホームは長期優良住宅の認定に関する書類を偽造した件や、約6000万円の横領事件、展示場で剥き出しになった釘をめぐるSNSでの議論など、大小さまざまな不祥事が起こっていますが、現時点でこれらの不祥事はそれほど株価に影響を与えていません。
タマホームの配当と配当性向の推移
2024年度の配当金は、5月末の期末配当のみ配布され、年間1株当たり195円となる予想です。この金額は、2016年度の10円、2017年度の15円。2018年度の30円、2019年度の38円、2020年度の70円、2021年度の100円、2022年度の125円、2023年度の180円、2024年度の190円から、9期連続で増配しています。
直近4年間の配当性向の推移は、2021年度が約41%、2022年度が約44%、2023年度が約60%、2024年度が約63%の実績です。2025年度は約61%ほどになる予想で、毎年かなり高い水準で配当されていることが分かります。
タマホームの株主優待
タマホームの株主優待は、毎年5月末と11月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対して、株式の保有年数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、特製のクオカードです。
クオカードの贈呈時期は、5月末の権利確定日分は7月中旬頃、11月末の権利確定日分は翌年1月下旬頃です。贈呈される株主優待の内容は、下記のイラストをご確認ください。
タマホームの利回りと推移
1株4000円で100株購入した場合、投資金額は40万円になります。配当金は1株当たり195円のため19500円がもらえるので、配当利回りは約4.9%です。
また、初年度は株主優待として年間1000円分のクオカードが贈呈されるので、優待利回りは約0.3%、配当と優待を合わせた利回りは約5.1%となります。なお、3年以上継続して保有した場合の優待利回りは約0.5%、配当と優待を合わせた利回りは約5.4%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの推移は、2021年度は約6.1%、2022年度は約5.1%、2023年度は約6.4%、2024年度は約5.0%でした。
まとめ
「ノダ」と「タマホーム」についてご紹介しました。
ノダの配当利回りは毎年4%を超えており、タマホームの配当利回りは毎年5%を超えています。どちらも高配当ですが、やや株価変動が大きいため、投資先として検討される場合は、今後の株価の動きに十分ご注意ください。